マックス株式会社は、2026年3月より都営地下鉄の4路線において、同社の代名詞ともいえるホッチキス針のパッケージをモチーフにした吊手広告を開始した。掲出期間は1年間を予定しており、浅草線、三田線、新宿線、大江戸線で展開されている。

同社が持つ「緑のパッケージのホッチキス針」という強力なブランドイメージをフックに、企業全体の認知度を底上げすることを狙った取り組みだ。マックスは文具のみならず、釘打機などの建築工具や住環境機器など幅広い事業領域を持つ。しかし、一般消費者には文具メーカーとしての印象が根強いことから、親しみのあるデザインをあえて広告に採用することで、多角的な事業を展開する企業姿勢に興味を持ってもらう意図が背景にある。
通勤・通学客の視界に入りやすい吊り革部分に、ホッチキス針の箱を模した立体的なデザインを施した。各線1編成の2車両(新宿線のみ4車両)に掲出されており、日常的に利用する公共交通機関の中で、職場や学校で見慣れたパッケージが突如現れるという視覚的なサプライズを提示している。

見慣れたホッチキス針の箱を通勤・通学中の吊手に置き換えることで、車内というルーティン空間に違和感と親近感を同時に生み、視線を止めやすい設計である。日常的に接しているパッケージをそのまま立体化しているため、企業名より先に既知の記憶が呼び起こされやすく、一般的な車内広告より広告然とした拒否感を持たれにくい。さらに、「このホッチキス針の会社がマックスだったのか」という再認識につながりやすく、強い商品想起を企業認知へ接続している点が有効である。

