アニメ『響け!ユーフォニアム』の劇場版『最終楽章』前編の公開にあわせ、作品の世界観を体現した広告施策が東京と大阪で展開された。2026年4月13日から26日にかけて、新宿駅地下通路および阪急梅田駅構内において、楽譜をモチーフにした交通広告が掲出された。

本作は、吹奏楽部を舞台にした青春ストーリーとして長年支持を集めてきたシリーズの集大成にあたる作品であり、「つなぐ」というテーマが掲げられている。これまで積み重ねてきた演奏や人間関係の延長線上にある物語性が特徴であり、今回のプロモーションでもその文脈を反映させる狙いがあった。
掲出された広告は、楽曲「一年の詩 〜吹奏楽のための」の楽譜そのものをビジュアルとして使用した点が特徴だ。東京では主人公・久美子のユーフォニアムパート、大阪では麗奈のトランペットパートがそれぞれ掲出され、ファンにとっては実際に演奏可能な"リアルな楽譜"として機能する構成となっている。さらに、この施策の特徴は時間経過による変化にある。掲出初期は譜面のみのシンプルな状態で提示し、その後、奏者が書き込んだメモや書き込みが加わることで、楽譜が"使われた痕跡"と"熱量"を帯びたビジュアルへと変化した。静的な広告でありながら、時間を通じて物語が重なっていく設計となっている。


1週間後に書き込みが加わる二段構成により、交通広告でありながら掲出期間中の再訪理由を設計しており、初期状態を見た来街者の投稿が変化後の確認行動を促す流れをつくっている。加えて、掲出物が実際に演奏できる楽譜になっているため、接触体験が閲覧で終わらず、演奏や演奏動画の共有へ拡張しやすい。作品テーマと吹奏楽という題材に即した形式で、ファンの知識や技能をそのまま参加行動に転換できるため、愛着の強い層ほど反応の質が高まりやすいといえる。

