ケルヒャー ジャパン株式会社は、2026年4月14日より、汚れた壁面や床面をキャンバスに見立て、洗浄によってアートを描き出す「ケルヒャー洗伝プロジェクト」を開始した。上野・浅草エリアを中心に、商業施設や教育機関と連携した洗浄アートを展開し、街中での新たな表現手法として注目を集めた。

この取り組みは、同社がグローバルで推進してきたリバースグラフィティの活動を基盤に、日本独自の形へと発展させたものだ。汚れを"削る"ことで絵を描くという特性を活かし、清掃活動とプロモーションを融合させる点に狙いがある。単なる環境美化にとどまらず、行政や企業、教育機関と連携しながら、それぞれの魅力を可視化する仕組みを提示した。背景には、社会貢献とブランド価値向上を両立させるコミュニケーションの必要性がある。

浅草エリアではドン・キホーテ浅草店の壁面に公式キャラクター「ドンペン」をモチーフとした洗浄アートを描出し、施設の存在感を強化した。浅草花やしきでは、同園が発祥の地である「パンダカー」を題材としたビジュアルを階段周辺に展開し、来場導線と連動した演出を実現している。上野エリアでは東京藝術大学の門に桜のデザインを施し、入学シーズンに合わせたメッセージ性を打ち出した。さらに、栃木県の松田川ダムでは巨大な「侍」を描くプロジェクトが行われ、約3週間にわたる洗浄作業を経てダム壁面に壮大なアートを完成させた。この取り組みはダム完成30周年を記念すると同時に、地域の歴史や役割を視覚化する試みとなっている。

掃除を単なる作業から、街を彩るクリエイティブな表現へと変えている点に特徴がある。「街を綺麗にする(公共性)」と「ケルヒャーの製品力を示す(販促)」、さらに「地域や店舗の観光資源を作る(集客)」を同時に達成。そして、「汚れ」をネガティブからポジティブな資産へ転換し、エンターテインメントや広告媒体という付加価値に変えることで、清掃そのものを「見たくなるコンテンツ」へと昇華させている。

