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OfferBox担当者に聞いた、就活生を応援する謎ワード「みにみにぴにぴに」の意味とは?
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学生と企業をつなげる新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」を運営する株式会社i-plugは、就活生の気持ちが前向きになる広告の第二弾として、「口角が上がる広告」を展開、2024年5月20日から全国の大学の周辺駅に、5月27日から渋谷駅で掲載されています。
昨年、就活生の気持ちが前向きになる広告の第一弾として実施した「視線が上がる広告」はSNSを中心に話題となり、X投稿では約8000いいねを獲得。この施策をきっかけに、OfferBoxに対し「寄り添うサービス」というイメージを持つ就活生も増え、就活生の20.6%が新たにサービスの利用を開始するなど大きな反響がありました。
【2023年に実施した「視線が上がる広告」。アドクロ編集部撮影】
今年展開された「口角が上がる広告」は、就職活動に不安や緊張を抱く25年、26年卒業予定の学生に向けた、気持ちが前向きになる広告の第二弾。何かに挑戦するときに感じる緊張や不安を緩和し、自分らしい表情で就活に挑めるように、というi-plugの想いを込めた広告になっています。
i-plugが2025年卒業予定の学生約600名を対象に行ったアンケート調査によれば、調査時点で「就職活動中」の学生のうち、約96%が就職活動中に不安や緊張を感じたことがあり、さらに、約81%が、少しでもその不安や緊張を緩和させる方法を知りたいと思っていることが分かりました。
この結果から、同社では就活生が少しでも前向きになれるようにという願いを込め、不安と緊張を緩和させる言葉「みにみにぴにぴに」を作り出し、広告として掲載しました。
「口角が上がる広告」は、関西大学文学部総合人文学科、熊谷学而准教授の監修のもと、「口角が上がると気持ちが前向きになる」という行動心理と、「不安・ストレス緩和に繋がるかわいい言葉」という音声学の知見をかけ合わせ、“口に出すだけで前向きになる言葉”を考案。最終的に候補の中から、学生を対象にアンケートを実施の上、「みにみにぴにぴに」という言葉に決定しました。
【兵庫県西宮市にある、JR西宮駅にて掲載されたポスター】
5月20日より順次、全国の地方大学の周辺駅にて「みにみにぴにぴに」とだけ描かれたポスターを展開。5月27日から渋谷駅で全国に掲示された「みにみにぴにぴに」の種明かしを行う流れで実施されました。
本施策について株式会社i-plug 広報の鹿毛氏によると、昨年の「視線が上がる広告」が終了した時点で、今年度の展開についても実施は見据えていたといいます。
「社内での調整もあり、具体的に動き出したのは2024年3月頃でした。就職活動解禁タイミングを見据えると、掲載は5月下旬とタイトなスケジュールでしたが、6月1日は2025年卒業予定の学生にとって一般的な就活スケジュールにおける採用面接解禁日、かつ2026年卒業予定の学生にとっては夏期インターンシップなど就職活動のスタートを切り始める時期となるため、時期をずらして掲出する考えはありませんでした。」と鹿毛氏。
昨年は「視線が上がる広告」で、今年は「口角が上がる広告」と“視線”フォーカスから“口角”が上がる広告のコンセプトに至った理由については、「日々、就活を頑張る学生に対して“がんばれ”と直接メッセージを送ることを避けたいと考えていました。皆さん、すでに頑張っていられるので。“がんばれ”という言葉以外で背中を押すメッセージを送りたいというのが、昨年から変わらない軸となる考えでした」としつつ、
「視線が上がる広告を再度することも考えたのですが、昨年より多くの学生さんに見てもらうために同じことをやっていてもダメだなと思いました。ポジティブになるきっかけが様々な観点であるんだよ、と伝えたかったのもあります。就活生の皆さんが、自分にあった緊張や不安の緩和の仕方や前向きになれるきっかけを見つけて欲しいと思っています。」と鹿毛氏は話す。
「みにみにぴにぴに」という言葉、妙に口ずさみたくなる不思議な言葉ですが、この言葉を選んだ理由について鹿毛氏は「まずはメンバーでホワイトボードに書き出すところから始まり、つい言いたくなる、口角が上がる言葉として“にんじんしりしり”なども上がりました。監修頂いた先生と相談の上、“みにみにぴりぴり”、“ぴにぴにみにみに”、“みちみちぴにぴに”といった最終候補を選定。初めて見た時に覚えやすいかや、声に出したくなるかという観点で現役学生に聞き、最も好評だった“みにみにぴにぴに”になりました。」
クリエイティブのデザインについては、「カラフルで可愛らしいデザインや、不思議な呪文のようなデザインなど、さまざまな案を検討しましたが、“みにみにぴにぴに”という謎要素の強い言葉が際立つようなシンプルなデザインが、企画の意図をより明確に伝えられると考えた」としつつ、
「駅では、学生を含む多くの人々が日常的に様々な広告を目にしていて、写真やイラストなどの凝った広告デザインには慣れていると考えます。そのため、特にポスター広告は文字以外の要素はなるべくなくし、“謎の張り紙”のようなシンプルな広告デザインに仕上げた」そうだ。
次年度以降の展開については、まだ未定だそうだが、「就活サービスを提供している私たちだからこそ、就活生を応援し続けることは必要だと思っています。形はどういうものであれ、就活生の背中を押す施策はしていきたい」と鹿毛氏は語った。
今回の「口角が上がる広告」は単なるユニークな広告キャンペーンではなく、就活生の本音に寄り添おうとする真摯な試みだと感じられます。就活は学生にとって大きなプレッシャーとなりがちですが、「みにみにぴにぴに」という言葉を通して、少しでも緊張をほぐし前向きになれるきっかけを提供する、同社の寄り添いの姿勢を昨年に引き続き感じました。
今後の展開が注目されますが、このような学生目線の発想から生まれる斬新な取り組みが、就活生の心の支えになることを期待したいですね。
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