中小企業の強みを活かしてできる施策
編集部:実際の運用の中で効果が大きく改善した事例はありますか?
田代:LPの改善で数値が回復した事例は結構ありますね。広告の成果を上げるには、やっぱりクリック率や他の指標よりもCVRが大切でして、そのCVRに直結する部分となると最終的にユーザーがたどり着くページ、つまりLPなんですよね。
特定のキーワードのクリック率を改善する方法もありますが、LP改善からCVRに繋げるほうがインパクトとしては大きいのでおすすめしたいですね。
編集部:実際にLP改善を行っている会社は多いですか?
田代:あんまりいない印象です。特に大手の企業様になると、少し改善するのにも色んな部署から承認を得たりする必要があるので、なかなか柔軟に動けないという事情もあると思います。だからこそ中小企業の方は本来LPを変えて実験して、を繰り返してほしいなと思います。
編集部:具体的にLPを改善するのにまずはこれからやろう、というものはありますか?
田代:1番簡単なのは、良いと思った他社のLPを探して参考にすることですね。出来れば競合がいいですけど、競合でなくとも担当者が良いと思ったLPを見つけてください。
編集部:LPを「良い」と思うのは担当者の感覚ベースでいいですか?
田代:まずは感覚ベースでいいと思います。もちろん、何が良いと思ったのか言語化したり、実際そのLPを真似してみた結果数値がどう動いたのかをテストしていく必要はありますが、スタートの段階では感覚ベースでよいと思います。ただし、そっくりそのまま酷似したものを真似ると参考にした企業様からクレームが来る可能性もあるため、そこの節度は守っていただくようにお願いしたいですね。
Cookieは引き続き使用可能になる
編集部:2024年後半の広告トレンドについて教えてください。
田代:2024年は元々Cookie規制による対策をどう行うか、に焦点が当たっていたと思います。ただ、先日Googleから正式に「3rd Party Cookie規制の撤回」というアナウンスがありました。
そのため、少しトレンドとはずれますが、今後もCookieを使った分析ができるということになりそうなので、前述した運用担当者としての経験や勘を養うためにひたすらPDCAサイクルを回しつつ、GAやその他分析ツールをフル活用して、広告運用を行うのが良いかと思います。
また媒体やメニューというところでいえば、やはり基本はこれも今までにお伝えしたように、検索、リマケが中心になってくるかと思いますが、商材によっては若者をターゲットするものもあると思います。その場合は”検索離れ”がキーになるような気がします。
20代の特に前半のユーザーはGoogleなどの検索エンジンで検索をかけることなく、InstagramなどSNSで検索をする(もしくは情報収集をする)というケースが増えています。今後この世代が経済の中心となり、それが当たり前となる日が来るかもしれません。
2024年急に加速することはないかもしれませんが、どこかのタイミングで訪れるかと思います。あくまで優先順位は検索広告で今は良いと思いますし、中小企業の限られた予算でTiktokやInstagramへの予算投下は難しいかもしれませんが、情報のキャッチアップはおすすめします。

編集部:運用者の方にプロからのアドバイスはありますか?
田代:あまり悲観的になりすぎなくていいよ、ということですね。
失敗するときはあると思いますが、その時に自分まで大きく落ち込んでしまうのは少し勿体ないというか、代理店に勤めている人間ですら上手くいかないときはあるので気にしすぎることなくチャレンジを続けてほしいですね。
編集部:今後の御社の展望について教えてください。
田代:序盤でご紹介した「キーマケのブログ」の成長ですね。キーマケのブログは2018年に運営開始後、有り難いことに順調にPV数も伸び、会社の知名度向上にも大きく繋がりました。第1、第2フェーズである立ち上げ期・成長期を経て、第3フェーズである現在は、メディア運営の難しさをまさに感じているところです。
ブログ経由の問い合わせ数は年々増えていますが、複数の新規メディアが参入していることもあり、PV数を高いレベルで保つことが難しくなっています。対策として、ペルソナの設計や読者インタビュー、お客様の一次情報を元にしたテーマの選定などをおこない、日々改善に取り組んでいます。ブログは会社とお客様を繋ぐ重要な役割を持っているので、事業の根幹として今後も価値ある情報提供をおこなっていく所存です。
