多くの企業のマーケティングにおいて必要不可欠なBtoB広告。BtoCの広告に比べると適切なターゲティングが求められるため、リーチしたいターゲットに合わせた広告媒体、広告手法を選ぶことが重要となります。
今回は、そんなBtoB広告の種類について、オンライン・オフライン双方のメリットや特徴などと合わせて、媒体毎に詳しく解説していきます。
BtoB広告の種類
BtoB広告に限らず、広告手法は大きく『オンライン施策』と『オフライン施策』の2つに分けられます。
オンライン施策はインターネットを利用したWeb上での広告手法を指し、オフライン広告は紙媒体やデジタルサイネージなどインターネットを利用しない広告手法全般を指します。インターネットの普及以降、オンライン広告の市場は成長を続けていますが、オフライン広告に比べてオンライン広告が優れているという訳ではありません。
広告媒体にはそれぞれに特徴・メリットやデメリットがあるため、自社の商品・サービスに最適な広告媒体を選ぶことが重要となります。それでは適切な広告媒体を選ぶ際に重要となる、広告媒体毎の特徴・メリットを解説していきます。
オンライン施策
オンライン施策は前述の通り、Web上の広告媒体を利用したマーケティング施策です。BtoB広告におけるオンライン施策には、ネット上のユーザーデータを利用したターゲティングが可能な点や、効果測定が容易な点などといった特徴があります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイト上の広告枠に直接企業の広告宣伝を表示させる広告手法を指します。大手検索エンジンの運営企業が提供しているシステムを利用した広告出稿がほとんどで、表示させるWebサイトのカテゴリやユーザーの属性などを選択することで、詳細なターゲティングが可能です。
細かいターゲティングに加え、一度自社サイトを訪れた履歴のあるユーザーにのみ広告を表示させるリターゲティングが可能な点や、表示回数やクリック回数に応じて費用が発生するため、小規模から広告出稿が可能な点などがメリットです。ディスプレイ広告については以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
ディスプレイ広告について解説! | リスティング広告との違いや種類、特徴を分かりやすく説明
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、Webサイト上に掲載された広告からユーザーが購入手続きを行うことで掲載料が発生する成果報酬型のオンライン広告を指します。個人ブログなどに掲載されているBtoCでの利用が有名な広告手法ですが、中にはBtoBに特化したアフィリエイトサイトが存在するなど、BtoB広告としても活用できます。
アフィリエイト広告では、広告主と広告の掲載元となるWebサイトの運営者をつなぐASPというシステムを利用するケースがほとんどです。アフィリエイト広告はユーザーの購買行動に対して費用が発生するため想定している費用対効果が得られる点が最大のメリットです。広告出稿によって一定のコンバージョンが期待できる場合は気になりませんが、ASPの利用に際してシステム利用料が必要な場合が多い点は、注意しなくてはなりません。
SNS広告
SNS広告は、InstagramやTwitter、TikTokなどSNSを利用した広告手法全般を指します。企業自体が運営しているSNSを利用する場合や、インフルエンサーと呼ばれる拡散力を持つユーザーに広告掲載を依頼する場合があります。SNS広告は一度の広告出稿で多くのユーザーに視聴される拡散力が最大のメリットです。
意図せず拡散された記事を『バズる』と言いますが、バズった広告宣伝は想定していたターゲット以外の多くのユーザーに視聴されることになるため、想定以上の広告効果が得られます。また、どのSNSにも標準でアカウント毎の視聴者属性を把握する機能が備わっているため、ターゲティングを行った計画的な広告宣伝としても活用できます。
記事広告、タイアップ広告
記事広告(タイアップ広告)とは、既にインターネット上に存在する別のメディアに自社の商品・サービスの広告宣伝を出稿する広告手法です。記事広告では既に存在するメディアを利用するため、ターゲティングが可能な点、一定のインプレッション数が確保できる点などがメリットとして挙げられます。BtoB広告として利用する際は、BtoBに特化したWebサイトなどとタイアップすることによって高い効果が期待できます。
動画広告
動画広告はその名の通り、音声と映像で構成された動画を使って広告宣伝を行う広告手法です。多くの企業がYouTubeやInstagramなど動画投稿が誰でも可能なメディアを使ってこの動画広告を配信しています。動画広告は、静止画の広告物に比べ、多くの情報を分かりやすく伝えられる点や、訴求力が高い点などがメリットとされています。
SNSや動画配信サービスなどを利用した動画広告は、不特定多数の人にリーチできますが、BtoB広告としては決裁権のあるユーザーに絞ってターゲティングすることが難しい点がデメリットの1つです。これに対し、オフィスビルやタクシーなどに設置されているデジタルサイネージへ動画広告を掲出することで、ビジネスマンのみにリーチすることが可能です。
このようにBtoB広告としての動画広告は、オンライン広告だけでなく、オフライン広告も同時に出稿することでより効果を高められるケースもあります。動画広告については以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
動画広告とは? | 映像と音声で訴求できる『動画広告』について解説!
オフライン施策
オフライン施策とは、インターネットによらない広告媒体を利用したマーケティング施策全般を指します。
オフライン施策全般に共通して、エリアターゲティングや保存性・反復性などといった特徴を活かしたBtoB広告が効果的です。
テレビ(マス広告)
テレビCMは、マス広告の代表的な広告手法です。不特定多数の人にリーチできる点が最大の特徴で、動画で広告宣伝が可能な点から高い訴求力もメリットの1つです。マス広告は、視聴者に与える信頼性の高さも特徴の1つで、テレビCMは必要なコストは大きいものの、高い広告効果が期待できるオフライン広告です。
交通広告
交通広告は、公共交通機関である電車・新幹線の車内や駅構内を利用した広告手法です。エリアターゲティングが可能な点、通勤・通学などで利用する人が多いため反復性が高い点などがメリットです。代表的なものとして、中吊り広告や窓上広告、窓ステッカーやドア横広告などが挙げられます。
オフィス街を走行する路線の電車広告を利用することで、ビジネスマンを中心にリーチすることも可能なため、BtoB広告として利用されるケースも少なくありません。交通広告については以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
交通広告ってどんな広告?その種類や実施するメリットについて徹底解説!
タクシー広告
タクシー広告は、タクシーの車内や車体を利用した広告手法です。タクシーは営業エリアが定められているため、エリアターゲティングが可能な点や、特に都心部では経営層の利用者が多いことなどから、経営層にターゲットを絞って広告宣伝を行える点などがメリットです。
経営層へ直接リーチできる広告媒体は多くないため、BtoB広告において、タクシー広告は高い効果が期待できます。広告媒体もサンプリング配布や車内サイネージ、窓ステッカーや車体ラッピングなど幅広い広告媒体から選択できるのも特徴の1つです。タクシー広告については以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
タクシー広告の種類や効果を徹底解説 | BtoBが得意な交通広告
中央紙(読売、朝日、産経、毎日、日経)への新聞広告
中央紙とは、全国紙とも呼ばれ東京で発行され全国で販売されている新聞を指します。どの中央紙も大部数が毎日発行されているため、不特定多数の人にリーチできる広告手法として古くから多くの企業に親しまれています。リーチ数も特徴の1つですが、テレビCMと同じくマス広告の1つである新聞広告は、読者に高い信頼性を与えられる点もメリットの1つです。
また、新聞は若年層に比べ30代以上の購読者が多いことから、より経営層に近い人にリーチできるためBtoB広告と相性が良いとも考えられます。新聞広告については以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
新聞広告ってどんな広告?紙媒体を代表する「新聞広告」の仕組みなどを徹底解説!
業界紙
業界紙は専門誌とも呼ばれ、特定の業界に特化した記事を掲載している新聞を指します。業界紙はその業界において権威のある情報が掲載されていることが多いため、自社の商品・サービスと親和性の高い紙面に広告を掲載することで、広告物にも高い信頼性を与えることが可能です。さらに、業界の最新情報などが掲載されている業界紙では経営者や決裁権を持つ経営層の人の購読率が高いことも特徴の1つです。
まとめ
BtoB広告は広告宣伝の中では、BtoC広告に比べると一般の人が目にする機会は圧倒的に少ない広告物です。そのため、いざ自社がBtoB広告を出稿しようとした際に比較検討する材料が少なく、広告媒体を一から調査・検討するということも少なくありません。広告宣伝を行う際はBtoB広告に限らず、まずは広告宣伝の目的を考え、目的にあった広告媒体を選ぶことが重要です。
BtoB広告では、低単価で不特定多数のビジネスマンにリーチしたい場合はオンライン広告、経営層にダイレクトでリーチしたい場合は業界紙やタクシー広告、などそれぞの目的に適した広告媒体が存在します。
これからBtoB広告を始める人は、ぜひこの記事を参考に様々な媒体について調査・検討し、最適な広告媒体・広告手法を探してみてください。
BtoB広告については以下の記事で詳しくまとめていますので、併せてご覧ください。