アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOH Report。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
Topics①:渋谷に降り立った196ウーマン
Q'S WALL
渋谷駅で掲出されたサントリーチューハイ「−196(イチキューロク)」の広告。渋谷凪咲さんが演じる-196ウーマンがQ FRONTビル両サイドの壁面に衝突しているデザインで、ファンを中心に話題となっています。
普段は長方形型の広告枠として展開されることの多い面ではありますが、今回の広告では、実際にビルに突っ込んでいるようなリアリティのあるデザインが目を引きました。
掲出前日の3/15には、サントリー公式Xアカウント内が「#196ウーマン が日本にどかーん!と到着予定」と前振り投稿を実施する等、物語性のある演出で多数のUGC獲得に繋げていました。
Topics②:LINEMO「#電話が苦手です」
ソフトバンクが実施した、電話が苦手な若者を応援するプロジェクト「#電話が苦手です」の広告。こちらの広告は同社が実施した、10代20代の若者を対象にした電話に関する意識調査のもとに企画・実施されました。
調査では、10代20代の約4割が電話が苦手だと回答。電話が苦手な理由には「緊張するから」が半数を占め、その他「時間が奪われるから」「話すのがめんどくさいから」等が挙げられています。また、約8割が電話よりもテキストコミュニケーションを優先したいと回答するなど、若年層の電話に対する苦手意識が明らかになっています。
アンケート結果に出ているとはいえ、「#電話が苦手です」というメッセージは携帯キャリアという立場を考えても、なかなかユニークな訴求軸だったように思います。若年層の本心をアンケートで上手く救い上げて、広告に落とし込んだ事例でした。
Topics③:スキップとローファー「赤くなったら、青春だ」
青年漫画誌「月刊アフタヌーン」で連載中「スキップとローファー」最新10巻の発売タイミングで実施された広告。広告では、作中に登場する「赤面シーン」を37種類の赤色で演出。「赤くなったら、青春だ。」というキャッチコピーとともに、恋愛のドキドキや嫉妬、怒りなどネガティブな感情を表現していました。
「なんであんなこと言ったんだろう…の赤」「遅刻しないでよ、の赤」など、シチュエーションごとに違う感情を複数の赤色で表現した広告ですが、「月刊アフタヌーン」の公式Xアカウントが発信した投稿が約1,900件の拡散(※2024/3/20時点)を記録するなど、話題となっています。
同じ赤色でありながら遠目でも違いが分かる程度になっており、グラデーションのように見える視覚的な仕掛けが、通行人の興味関心に繋げていた印象でした。
Topics④:ニコニコ動画×Adoコラボ広告
ニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴが掲出した、歌い手Adoさんとのコラボ広告。こちらの広告では、Adoさんから見たニコニコ動画の魅力や熱量が伝わる内容で構成されており、「みんなでネギ回しましょう。」など一部ファンにしか分からない表現を交えつつも、愛を強く感じる内容となっていました。
同時実施されたピールオフでは限定ステッカーを配布。実際にステッカーを獲得した方が、写真付きで投稿するなど話題になりました(※18日21時に確認した際はすでに無くなっておりました)
ピールオフは渋谷道玄坂ハッピーボードのみとなりますが、その他新宿や池袋など、都内各所でも展開されました。
Topics⑤:ホットペッパービューティーの広告
株式会社リクルートが運営するホットペッパービューティーの広告。渋谷駅に掲載された広告では、様々な機能がある同社サービスの中でも、「マップで探せて便利!」と地図で探せる機能を全面に押し出した内容で展開していました。
卒業式・入学式と大きいイベントが続く時期、突発的に発生するヘアセットのニーズを上手くとらえた広告だったように思えます。
3月・4月は新生活を迎えるタイミングでもあるため、上京してきた学生や社会人も意識しているように感じます。新生活の視点で、先週今週とLINEMOや、ahamo、irumoなど携帯キャリア各社の広告が多数みられました。新生活タイミングを意識した商材の広告はしばらく続きそうですね。
次週以降の展開にも注目していきます。