アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOH Report。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
Topics①:デュエル・マスターズ「逆転こそが、カードゲームだ。」
若年層を中心に人気のあるカードゲーム「デュエル・マスターズ」の広告。
「世の中、お金持ってるヤツが勝つ?世の中、頭のいいヤツが勝つ?世の中、経験が長いヤツが勝つ?その理屈を、ひっくり返せ。」というフレーズが印象的な広告で、ところどころ「逆転こそが、カードゲームだ。」と描かれていましたが、“逆転”というキーワードがクリエイティブの軸に置かれているように感じました。
デザイン内では、現行デザインのカードだけでなくデュエルマスターズの発売が開始された2002年初期のカード等も描かれており、当時子供の時に遊んで、今社会人として働く方にも刺さる内容になっています。
周辺ではスーツに身を包んだ社会人の方が「懐かしい」や「俺、これ持っていた」などカードにまつわる話も聞こえてくるなど、反応が伺えました。
【2002年発売時のレアカードの1つ「ボルシャック・ドラゴン」。当時プレイしていた方なら懐かしいと感じるのではないでしょうか】
また、デュエル・マスターズでは3月末に新CMも公開。CMの中心人物が社会人と大人世代を意識しているように感じました。今回のOOHで過去のカードが描かれたのは、過去遊んでいたプレイヤーに興味を持ってもらう1つの施策だったのかもしれませんね。
Topics②:場所を変えて再登場!CANMAKE(キャンメイク)の広告
キャンメイク「ブラウンパレッド」の広告。2週連続での登場になりますが、今週は広告枠を変えての掲載でした(先週の掲載内容はこちらからご覧いただけます。)
先週同様、目を引くのは、手書き風の文字にデザインの半分以上を占める商品企画担当者の想いが溢れ出たメッセージですが、先週と異なる点は、呼びかけのキャッチコピー部分。
写真をご覧頂き「ヤバいの作っちゃったんで、ブラウンで挟みます」「無駄だよ どっち向いてもブラウンだよ」というメッセージが気になった方も多いのではないでしょうか。実はこちら、広告が通路挟んで両挟みになっている仕様となっています。
【通路の反対側にそれぞれ広告が展開されました】
場所の特性を上手く利用しつつ、遊び心のある訴求でした。片方だけでは疑問が残るメッセージを掲載することで、反対側を見てもらえるよう工夫していた点は見事だと思います。
Topics③:FRISK「スカッと、ジブンらしく。」
清涼菓子ブランド「FRISK(フリスク)」の広告。
爽快感のあるスッキリとした風味で人気のあるFRISK。こちらの広告では、「#あの頃のジブンに届けたいコトバ」と題して、著名人の手書きメッセージ(※広告上では、直筆ではなく印刷で描かれています)が掲載されました。
【デザイン内に描かれたメッセージ】
4/8週は入学式という方も多いようで、内容的にも入学式タイミングを意識したのではないかと思っています。実際、渋谷駅内では親子で歩く姿も多く見られました。
デザイン内にFRISKの直接的な訴求はないのですが、背景が真っ青だったり、写真がフリスク型になっていたり、コピーに「スカッと」とフリスクの味を表現するキーワードが入っていたりと、間接的に商品特徴をアピールしていた点も見逃せません。
Topics④:FC町田ゼルビアvs.ヴィッセル神戸戦の告知広告
国立競技場で開催される明治安田J1リーグ FC町田ゼルビアvsヴィッセル神戸戦の告知広告。
2023シーズンの明治安田生命J1王者のヴィッセル神戸と、J2で優勝したFC町田ゼルビアの注目の試合という事もあってか、渋谷駅地下を中心に広く広告を展開しています。
B0ポスターでは、各選手の写真と「塗り替えろ。」から続くメッセージが印象的で選手ごとに内容が異なっていました。
「塗り替えろ」のメッセージにちなんでなのか、白を基調としつつ、選手も白黒加工されて描かれており、少し大人な雰囲気も感じるデザインでした。
Topics⑤:Essential、POPUP EVENTの開催告知広告
渋谷駅西口フクラスデッキシート
ヘアケアブランド「Essential」のポップアップイベント告知広告。
こちらの広告では、アイドルグループ「NewJeans」を起用。4月18日~21日に「渋谷サクラステージ 3階 イベントスペース」で実施するポップアップイベントの告知広告となっています。
こちらの広告枠がある場所は、渋谷駅から桜丘町、セルリアンタワー方面に抜けていく方がよく利用される通路となっています。デッキを歩く歩行者からの視認性はもちろんですが、デッキ下にあるバス停とその周辺利用者から見たときの視認性が高く、今回のような真っ青なクリエイティブは特に目を引きます。
【デッキ外(外側)から見た様子。遠目でも内容が確認できる】
【デッキ(内側)から見た様子。手すりもあるので内側はクリエイティブの工夫が必要】
また、近隣には2023年11月30日に竣工した大型ビルの「サクラステージ」があり、今回のようなイベントの告知や呼び込みでの活用は今後も増えるかもしれません。引き続き注目していきたい広告枠の1つです。
Topics⑥:Cartier(カルティエ)ブランディング広告
渋谷駅柱巻(左)、渋谷55ストリートビジョン (右)
※55ストリートビジョンの隣では渋谷プレミアムセットも展開されていました。
今週の渋谷駅地下はCartier(カルティエ)の広告が主要枠をジャック。
ブランドの世界観を伝えるコンテンツをサイネージ、壁面広告、柱巻広告と様々な媒体を使って表現。通路一帯をジャックすることで、シンプルなクリエイティブながら印象に残る展開となっていました。
新規で興味を持つ方はもちろん、既に商品を持っている・使っている方にとっても誇らしさを覚えてしまうような展開でした。
編集部から一言
先週紹介した「スターツビジョンSHIBUYA」に続き、今年は2つのビジョンでリニューアルがありました。
スクランブル交差点で駅側から見たときに真正面に見える好立地で、長らく「青いフレーム」が象徴的だったビジョンのフレームデザインが一新。Rakuten Visionとして生まれ変わっていました。
スターツビジョンSHIBUYA、Rakuten Visionともにビジョン自体が変わったわけではなく、ネーミング変更に伴って、見た目上はフレーム色が変化しているだけですが、元々の色から180度変わっている事もあってインパクトがありました。改めて新年度を感じた4/8週でした。
過去のOOHレポートは下記よりご覧いただけます。