アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOH Report。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
Topics①:ネットフリックス×名探偵コナンの広告
Q2ポイント ※2024/4/16撮影
渋谷駅前の大型広告で掲載されたネットフリックスと名探偵コナンのコラボ広告。
本広告は劇場版「名探偵コナン100万ドルの五稜星」の公開を記念して実施された広告です。
名探偵コナン内に登場するキャラクター“怪盗キッド”からの予告状風のクリエイティブで、白地背景に「赤きNを頂きに参上する」とキッドからのメッセージを記載。
これだけだと内容がよくわかりませんが、その数日後に掲載された広告では「怪盗キッドがネトフリをいただいた」とともに名探偵コナン26作品配信という案内が。劇場版名探偵コナン26作品の配信告知を、名探偵コナンの世界観で表現した広告のようでした。
Q2ポイント ※2024/4/22撮影
今回掲載されたQ2ポイントという媒体は14日サイクルで販売されている広告枠です。編集部で撮影したのは22日ですが、SNS上では20日に広告が切り替わっていた旨の投稿も見られ、短期で切り替わったことが推察されます。
「予告状」形式のデザインは極論無くても意味は伝わる内容でしたが、「予告状」が入る事で作品の世界観を忠実に再現しつつ、より注目度が高まったように感じます。
渋谷駅看板
SNS上では、同様の内容で実施されているADトレインの写真も投稿されていたことから、複数エリアで実施されている様子。コナン映画の盛り上がりを感じる広告でした。
先週も劇場版「名探偵コナン100万ドルの五稜星」関係の広告が見られました。2024/4/15週 渋谷OOH Reportでも紹介しているので、併せてご覧ください。
Topics②:マムズタッチ日本1号店の広告
2024年4月16日にオープンした、韓国のバーガー&チキンブランド「マムズタッチ」の日本直営一号店「渋谷マムズタッチ」の広告。
韓国ではその圧倒的なボリュームと味のクオリティから“神コスパ”ブランドとして知られているマムズタッチ。昨年10月に渋谷のイベントスぺースで実施されたプレオープンから半年、渋谷で日本1号店がオープンとなりました。
今回の広告では、2枚のフラッグを並べることで1枚絵になるデザインでボリューム感を表現。韓国語で“本当に”という意味を持つチンチャで「チンチャおいしい!!」と書かれています。オレンジが象徴的で、渋谷エリア周辺にずらっと並ぶ光景はちょっとした“お祭り感”も感じさせます。
オープン後まだ数日ではありますが、SNSでは「チキンデカくてザクザクでめっちゃ美味しかった!」「めちゃくちゃ美味しかった!」など感想の投稿が多数みられていました。
Topics③:真中まなさん誕生日広告(応援広告)
渋谷駅の井の頭線改札前で展開された、真中まなさんの誕生日広告(応援広告)。
真中まなさんは、アイドルグループFRUITS ZIPPERのメンバー。今回、4月22日の誕生日にちなんで、ファン有志で実施された広告となっています。
注目すべきは、柱ラッピング+サイネージによる動画配信という規模感。応援広告ではなかなか見ない媒体規模で井の頭線改札前をジャックしており、SNSでは写真付きでサイネージを投稿した様子が多数みられました。
駅貼りポスターで展開されることの多い応援広告。昨週も、すとぷり(Strawberry Prince)のメンバー「るぅとさん」の応援広告が渋谷駅複数個所で展開されるなど、その熱量には毎回驚かされていました。
今回の事例では数百万単位での展開であると想定されますが、ファンの熱量に度肝を抜かされた…そんな広告事例でした。
Topics④:iPhone15地下通路ジャック(auの広告)
渋谷駅地下で展開された、iPhone15の広告。地下で近接する広告枠、スーパーボードとフラットプレートのジャック展開で、通路一帯がiPhoneの広告一色になっていました。
iPhone各カラーのカメラがずらっと並んだポスターは圧巻で、吸い込まれるようなビジュアルが印象的でした。
クリエイティブ内に描かれた「撮ってもいいね」のフレーズが“(iPhoneのカメラを並べて)撮ってもいいね。”なのか“(iPhoneの端末で撮影する写真はとてもキレイだから)撮ってもいいね。”なのか、色んな解釈はありそうですが、余計な装飾がないからこそ話がふくらましやすい印象もあります。
同クリエイティブは、ポスター等で他駅でも展開されていました。
Topics⑤:ニューバランスの広告
渋谷駅地下の階段沿いで展開された、米大リーグ(MLB)・ドジャースの大谷翔平選手を起用したスポーツシューズメーカー「ニューバランス」の広告。
1社単独配信のサイネージ面では、大谷選手が出演する動画にニューバランスのロゴが描かれたシンプルな動画を配信。両壁面はラッピング仕様の展開で、空間全体をジャックしていました。
4月22日にはMLB日本人記録更新となる通算176号本塁打を放ち、より話題性が高まっている大谷選手。出演する広告の注目度もより高まっていきそうな予感です。
Topics⑥:Technics、ワイヤレスイヤホンの広告
渋谷駅構内で展開された、パナソニックHi-Fi オーディオブランド「Technics(テクニクス)」のワイヤレスイヤホン広告。
同社で展開しているプロジェクト「忘れられない風景と音楽 プロジェクト」の一環として展開された広告です。渋谷駅ほか、六本木駅、下北沢駅の駅構内でも展開。計20種類のポスターが掲出されています。
自分の姿を投影してしまうようなロケーションフォトが印象的なクリエイティブで、シンプルながら存在感のある広告です。
グラフィック内では「恋人に振られた帰り道に聴いていたあの曲。」など、各個人で異なるストーリーがあるであろうシチュエーションが描かれており、つい立ち止まって考えてしまう内容であったように思います。
ワイヤレスイヤホンの広告ながら、クリエイティブ内ではイヤホンの性能を訴求していない思い切りの良さを感じました。
編集部から一言
都内主要駅では先週から、劇場版「名探偵コナン100万ドルの五稜星」に関連して名探偵コナンとのコラボ広告が多数みられました。
DMM.com × 名探偵コナンの広告(新宿メトロツインプレミアムセット )
Hulu × 名探偵コナンの広告(新宿スーパープレミアムセット)
映画単独の宣伝というよりも、他社とのコラボ形式を取る事で相乗りで広告宣伝していた点は大きな特徴と言えます。同時期に複数のコラボを走らせた状態を作る事で、“お祭り感”を演出したい意図があったのではないかと考えています。
Spotify × 名探偵コナンの広告(SHIBUYA WILD POSTING)
コラボ先の企業も顧客獲得増に繋げる意味で、広告に力が入っていたようにも見られました。日常使いしているサービスや施設も多く、そちらを通してコナン作品を認知された方も多かったように思います。
マクドナルド × 名探偵コナンの広告(西村ビル)
NETFLIX × 名探偵コナンの広告(Q2ポイント)
また、マクドナルドが渋谷西村ビルで実施した広告や、NETFLIXが渋谷Q2ポイントで実施した予告状形式の広告は、コナン作品を知っている(登場人物を知っている)前提のクリエイティブでしたが、SNS上では大きな話題となっていました。
同じ“名探偵コナン”とのコラボ広告に変わりはないですが、各社それぞれの持ち味で広告を出しており、既存ファンも楽しめるようなコンテンツになっていました。
来週以降の動きにも注目していきたいところですね。
過去のOOHレポートは下記よりご覧いただけます。