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2024年7月22日週 渋谷OOHレポート
アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOH Report。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
渋谷駅前で展開された「クリープハイプ」の広告。現メンバー15周年記念公演の告知です。
よくイラストや写真が大きく描かれたクリエイティブが展開されるハチコ―ボードですが、今回の広告はテキストのみのシンプルなデザイン。ですが、一呼吸おいてゆっくり語りかけてくるような言葉が印象的な内容となっています。
シンプルな背景にすることで、キャッチコピーと具体的な公演情報の組み合わせに対する視認性を高め、広告と接触する短時間で情報を伝えることにフォーカスしている印象があります。ファンに対して特別な日を共に過ごす価値を強調し、感情的なつながりを促しているようです。
渋谷駅前で展開された、ナイキの広告。
複数の大型枠で掲載されたクリエイティブには、「誰もが勝者ではない。だがその道は全員に開かれている。」「記録を残した者に記憶を残した者。」「野望を抱くのに許可はいらない。」「WINNING ISN'T FOR EVERYONE.」と挑戦することの重要性を感じさせるメッセージが展開。ナイキが掲げる「Just Do It」に繋がるものであると推察されます。
今週26日にはパリオリンピックが開幕し、スポーツ熱が高まると想定されますが、そのタイミングを意識したことが推察されます。また、渋谷という場所の特性を活かし、日常的に多くの若者や観光客が行き交うエリアでブランドメッセージを強く発信しているようです。
7月28日にさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN.3(スーパーライジン3)の告知広告です。試合を今週末に控え、広告を活用した呼び込みを狙っているように見えます。
各選手の顔が大きくクローズアップされており、視覚的なインパクトがあります。暗めの背景に対して、選手の顔が明るく浮かび上がるようになっており、「真剣さ」「力強さ」など感情が雰囲気として伝わってくる内容となっていました。
「ちいかわ × Jリーグ」のコラボ広告が渋谷道玄坂ハッピーボードで展開されていました。
各クラブチームの説明や特徴が、ちいかわのキャラクターと共に描かれており、見ていて楽しいデザインです。Jリーグに詳しくない人でも理解しやすい内容となっていました。
全年代で親しみやすいデザインになっていますが、特にちいかわ人気の高い若年層をターゲットにしていると考えられます。広告が展開されている場所は渋谷109の出入り口近くということも考慮しても普段サッカーを見る機会が少ない、新規のファン層獲得に向けた仕掛けと想定されます。
エビアン(Evian)ミネラルウォーターと関連イベント「Amundi Evian Championship」のプロモーション。
「Amundi Evian Championship(※ゴルフトーナメント)」とのコラボもあり、氷雪の上で、ゴルフクラブを持った女性が描かれたクリエイティブが印象的です。
また、自然の風景とともにエビアンのボトルが描かれており、商品の純粋さとナチュラルさをアピールしているようにも見えます。
ここ最近、猛暑日が続いておりますが、見るだけで涼しくなるようなクリエイティブであったようにも感じました。
「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の告知広告です。
大規模複合施設渋谷サクラステージは2023年11月竣工の大型ビル。7月21日にJR渋谷駅の新南改札が移動するなど、街の再開発が進む同エリアで、7月25日に複数店舗がオープンすることに先駆けて実施された広告です。
渋谷ヒカリエ、渋谷スクランブルスクエアの両施設入口近くのサイネージで展開されており、普段から渋谷駅を利用する通勤通学層をターゲットにしているように感じます。渋谷エリアでの買い物や飲食の新たな選択肢として、利用機会も増えていくのではないでしょうか。
渋谷駅で展開されていた猫だけのライブ配信アプリ「neko chan」の広告です。
広告には、可愛らしい猫たちの写真が大きく配置されており、猫好きには嬉しいデザインになっています。また背景には、猫の足跡や魚の骨など、猫に関連するイラストが散りばめられており、全体のデザインに統一感を持たせているようでした。
猫専門のライブ配信アプリというニッチな市場をターゲットにしており、猫好きな人々に強くアピール出来る内容であったように感じます。
今週の渋谷OOHでは、いくつかの傾向が見られました。
まず、スポーツ関連の広告が目立ちました。ナイキの大規模な広告展開やニューバランスの広告、Jリーグとちいかわのコラボなど、全てではないかもしれませんが、7月26日に開幕するパリオリンピックに連動し、スポーツ関連ネタが話題となっているタイミングを意識しているように感じました。
また、渋谷サクラステージの広告は、渋谷の再開発に合わせたタイミングで展開されており、地域の変化と連動した戦略的な広告展開が見られました。今回ご紹介したデジタルサイネージ以外にも、渋谷エリアの歩道橋など街のいたるところで関連の広告が散見されるなど、注目度の高さがうかがえます。
【スクランブルスクエア~渋谷ストリーム間の通路沿いで見られた看板】
今週の動きからしても、オリンピック期間中はスポーツ関連の広告が増加することが考えられそうです。次週は7月最終週で、オリンピックも開幕しているタイミング。どのような広告が展開されるか楽しみです。
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