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2024年7月29日週 渋谷OOHレポート
アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOH Report。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
渋谷駅前で展開されたこの広告は、サントリー「天然水」の広告です。
ハローキティとコラボレーションしたデザインが印象的な内容となっています。「愛だって、お水だって」というフレーズは、心温まる印象を与え、商品の価値を高める役割を果たしているようです。
世代を超えて愛されるハローキティの起用は、老若男女問わず幅広い層へのアプローチを可能にしています。加えて、国際的な人気を誇り、訪日外国人にとっても馴染みのあるキャラクターとのコラボレーションは、異国の地での心理的障壁を下げ、商品への親近感を醸成すると考えられます。
渋谷駅前で展開された、ナイキの広告です。
今週掲載されたクリエイティブには、「怖いほど、勝ちに行く。」「パリからの手土産はただひとつ。」「感動させるつもりはない。ただ、圧倒するのみ。」と先週の“挑戦”を意図したメッセージから、“勝利”を貪欲に求める内容が描かれていました。
パリオリンピックが開幕し、早くもメダルの獲得がニュースでも配信されていますが、選手の皆さんの活躍や躍動に引き続き注目していきたいですね。
渋谷駅で展開された旅行予約サイト「Expedia」の広告です。
動画を使ったクリエイティブが展開され、美しい自然景観を背景にした写真が使用されており、視覚的に非常に魅力的です。旅行先の魅力を強調することで観光客に旅行への興味を喚起させているようです。
自然の風景や水辺の写真は、暑い夏に涼しさやリフレッシュ感を提供するイメージを与え、猛暑日が続く昨今に“避暑地”への旅行を提案しているようにも捉えられます。
同社の広告は2024年2月や6月にも渋谷で展開されていましたが、広告に力を入れる様子が伺えました。
渋谷駅に掲載されたレッドブルの広告です。
「夏フェス遊び方図鑑」と大きく描かれた広告では、若者や音楽フェス愛好者をターゲットとした内容になっています。レッドブル特有のイラストに、事細かに書かれたテキストが目を引く内容となっています。
OOHでは、通行人に対して瞬時に見て貰うために、文字サイズを大きくするなど“視認しやすさ”を重視する傾向がありますが、この広告は非常にフォントサイズも小さく、事細かに夏フェスの遊び方が書かれた、逆張りの広告ともいえるかもしれません。
フェスの楽しみ方や注意点などの情報提供と、レッドブル商品の露出を巧みに融合させており、直接的な販売促進ではなくブランドの存在感を高める手法を採用しています。また、「最後まで楽しみ尽くす。エナジー足りてる?」「フィナーレまで、アゲてける?」といったキャッチコピーは、レッドブルの飲用を間接的に促すと同時に、ブランドを「楽しさ」「エネルギー」「持続力」と結びつけることでイメージを強化しているようにも見えました。
渋谷駅で展開された「タイミー」の広告です。
Timee(タイミー)の上場を伝える内容であるとともに、同社のサービスと理念を効果的に伝える巧みな戦略を展開しています。
黄色を基調とした明るい配色と多数のキャラクターイラストを用いた大型広告は、通行人の注目を強く引きつけます。“間違い探し”をコンセプトとしたクリエイティブには、「あ、こんな「はたらく」いいかも?!ちがいを見つけてください。」というキャッチコピーなど、タイミーというサービスの価値観やコンセプトを表現した内容となっていました。
全体として、タイミーの企業価値やサービスを直接的に訴求するだけでなく、働き方の多様性や個人の選択の自由といった、より大きな社会的テーマを提示しているように感じました。
渋谷駅で掲載されたキリンビール「晴れ風」の広告です。
鮮やかな青色の背景を一貫して使用することで、強い視覚的な統一感を出しています。商品名の「晴れ風」と相まって、爽やかな夏のイメージを喚起させる効果があると想定されます。
今年の春ごろから継続的に広告を展開しており(参考:【2024年3月版】ネットで話題となった面白い広告 | 爽やかブルーの新商品広告)、一貫して青色を使ったクリエイティブを展開しています。ただ、今回のクリエイティブをよく見ると、起用されているタレント様が夏仕様の衣装となっており、統一感のあるビジュアルながら季節感も演出された内容となっていました。
通行人の動線に沿って連続的に広告を配置する手法は、繰り返し露出によるブランド認知度の向上を狙ったものと考えられます。商品パッケージと広告デザインの調和も見事で、全体として統一感のある印象的なキャンペーンとなっていました。
今年度は、季節ごとに広告を展開していくのではないかと想定されます。今後の展開が楽しみですね。
Amazonの音声コンテンツ配信サービス「Audible(オーディブル)」の広告です。
広告デザインでは、青色と橙色を基調とした一貫性のあるビジュアルを使用し、ブランドの認知度向上を図っているようです。
コンテンツ面では、東野圭吾氏の「誰かが私を殺した」という具体的な作品タイトルを前面に出し、提供されるコンテンツをフックにサービス利用を促しているようでした。シンプルなロゴ表示から著名人の写真、作品イメージまで、多様な表現方法を用いてサービスの多面的な魅力を伝えています。
今週の渋谷エリアでは、各ブランドが独自の戦略を駆使して消費者の注目を集める広告展開が見られました。
例えば、サントリーの「天然水」広告では、ハローキティとのコラボレーションを通じて、老若男女問わず幅広い層へのアプローチを実現しています。国際的にも知名度があり、人気があるキャラクターを起用することで、訪日外国人(海外からの観光客)にも親しみやすい広告表現となっており、グローバル化する渋谷の特性を上手く活用しているように感じました。
一方、レッドブルの「夏フェス遊び方図鑑」は、若者や音楽フェス愛好者をターゲットにした、少し遊び心のある内容となっていました。通常のOOH広告とは異なり、あえて小さなフォントで詳細な情報を掲載するという逆張りの手法を採用し、ブランドの個性を際立たせています。
また、Timee(タイミー)の上場を祝う広告は、明るい配色と多数のキャラクターイラストを用いた視覚的な魅力に加え、「間違い探し」というインタラクティブな要素を取り入れることで、通行人の注目を引き付ける工夫が施されていました。
渋谷という多様な人々が行き交う場所で、各ブランドが独自の視点と創意工夫を凝らした広告展開を行っている様子が伺えました。次週以降もどういった内容の広告が展開されるのか、楽しみです。
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