アドクロ編集部がお届けする2024年11月25日の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去の渋谷の広告事例は「渋谷のOOH（屋外広告）事例集」をご覧ください。
Topics①：タマノイ酢「すしのこ」の広告
渋谷駅で展開されたタマノイ酢が販売する「すしのこ」の広告です。
オレンジ色を基調とした大きな広告枠には「こ育てに、悩んでいます。」という印象的なコピーが掲げられており、その下には様々な定番メニューのイラストが並びます。
商品名である「すしの“こ”」にちなんで、まるで子育てのように表現。「すしのこ」という製品が様々な料理でも使えることを視覚的に表現しています。シンプルな言葉と大きな文字、そして下部にずらっと並んだ、定番の人気料理のイラストを「すしのこ」パッケージ風に仕上げてアピールすることで、通行人の目を引く工夫がなされています。こう見ると、「すしのこ」の汎用性に驚かされます。
Topics②：ネイチャーラボ「MARO17（マーロセブンティーン）」の広告
渋谷駅で展開された、ネイチャーラボが展開するメンズヘアケアブランド「MARO17」の広告です。アニメ調のビジュアルと「まだ、あきらめないだろ？」という力強いコピーが特徴的な広告となっています。
広告のビジュアルは、男性キャラクターをアニメ風のダイナミックな筆致で描き、紫がかった背景と相まって印象的な雰囲気を出しています。キャラクターの表情には自信に満ちた笑顔が描かれており、製品のターゲットと想定される若い男性層の共感を誘うデザインとなっていました。「まだ、あきらめないだろ？」というコピーは、挑戦を続ける男性への応援メッセージとして機能すると同時に、自身の髪へのケアを怠らない姿勢を促す二重の意味を持たせているようにも感じました。
11月25日からオリジナルアニメーションを使ったCM放映も開始されており、そちらに連動した広告のようでした。
Topics③：Eve「Under Blue」の広告
渋谷駅で展開されたEveのニューアルバム「Under Blue」の広告です。大型ビジョンやビル壁面を活用し、アーティストの世界観を印象的に表現していました。
Eveは日本で活躍する男性アーティスト。同氏は2020年に人気アニメ「呪術廻戦」のオープニング曲として起用された「廻廻奇譚」が大ヒットし、多くの人に知られるアーティストとなりました。その後も多くの楽曲をリリースし、活躍の場を広げています。
アルバム発売日の11月27日のリリース告知と共に、タイトル「Under Blue」が控えめながらも目を引く、シャドウの効いた青い文字で表示されており、アーティストの繊細さとインパクトのバランスが取れています。
シンプルでありながら存在感のある広告は、都会的な渋谷の街並みの中でも埋もれることなく、存在感を放っていました。
Topics④：ポケモンカードゲームの広告
渋谷駅で展開されたポケモンカードゲームの広告です。複数の印象的なアートワークを通じて新作ゲームの世界観を表現しています。
「9つの冒険」と書かれた各ビジュアルは、躍動感のある構図でダイナミックな色彩が用いられており、ポケモンたちの生き生きとした姿が印象的です。広告の始まりには「キミの冒険へ、旅立とう！」という力強いメッセージが掲げられていました。
とりわけ、若年層を意識した広告にも見えましたが、写真撮影時にはスーツ姿のビジネスパーソンが写真を撮影する姿もあり、全年代に親しまれるポケモンの認知度の高さを改めて感じさせられました。
Topics⑤：CELINEの広告
渋谷駅で展開されたCELINEの広告です。渋谷駅地下で広域にわたって広告展開が実施されました。
広告のデザインは、ミニマルでモダンな美意識を反映しています。白を基調とした背景に、モノクロの人物写真とブラウンレザーのバッグの商品写真を配置することで上質さを表現。人物写真では、白いジャケットとデニムという、カジュアルでありながらも洗練されたスタイリングを採用し、現代的なラグジュアリーの解釈を示唆しています。
また、ファッション写真としての美しさを追求しており、商品写真は温かみのあるブラウンレザーの質感を丁寧に表現しているようでした。
広告は本記事で紹介している場所以外でも展開しており、ジャックを意識させる大規模なプロモーションとなっていました。プレゼント需要が高まるクリスマスや年末年始時期を意識した展開と想定されます。シンプルでありながら印象的なビジュアルは、忙しい駅構内でも人々の目を引き、ブランドの世界観を効果的に伝えているのではないでしょうか。
Topics⑥：Renta!の広告
渋谷駅で展開されたRenta!の広告です。鮮やかなグリーンを基調とした広告で、「みんなの神マンガ祭」というキャッチコピーを掲げています。
広告デザインは、白地の左側に漫画のカバー画像とタレントの顔写真を配置し、右側のグリーン地には縦書きの文章を効果的に並べることで、視覚的な対比構造を演出していました。縦書きのテキストを不規則に配置することで、メッセージ性を出しつつ、まるで漫画の吹き出しや台詞のような印象を与え、漫画を読む楽しさを視覚的に表現しているようでした。
また、「みんなの神マンガ祭」と称し、タレントや芸人がおすすめする漫画を紹介する誘導を付けることで、「紹介される漫画を知りたい」きっかけでRenta!のサービスサイトに誘致する仕掛けも見事でした。
編集部から一言
今週特に注目したいのがCELINEの広告展開です。
CELINEは渋谷駅地下で大規模な広告展開を実施しましたが、その特徴は「ミニマルな美意識」と「戦略的なタイミング」の2点に集約されます。
広告デザインでは、白を基調とした背景にモノクロの人物写真とブラウンレザーの商品写真という要素を最小限に抑えることで、上質さを表現していました。また、展開時期については、年末商戦を見据えた計画性が垣間見えます。プレゼント需要が高まるクリスマスや年末年始に向けて、渋谷という若者の街で大規模な露出を確保することで、新しい顧客層の開拓も視野に入れた展開となっているように見えました。
次週はどのような広告が展開されるか楽しみです。過去の渋谷OOH事例は、下記を併せてご確認ください。
アドクロ編集部
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