Topics①:アデコの広告
新宿駅で展開された、アデコの広告です。
展開する就職支援サービスの告知を、サンリオのキャラクターを活用して展開している点が特徴的です。
赤を基調とした温かみのある壁面広告は、通常であれば堅くなりがちな就職・転職という主題を、親しみやすい形で表現。サンリオキャラクターを起用し、経理事務、お菓子屋の開業、ホテルレストランでのキャリアなど、キャラクターに合わせて具体的な職種におけるキャリアパスを提示した内容になっていました。
「新たな自分が、きっと見つかる。」というキャッチコピーは、キャリアチェンジに対する不安や迷いを持つ人々に、前向きな可能性を示唆しています。また、「スキルを活かす」「夢への第一歩」といった表現を用いることで、現在の経験や能力を活かした新たなキャリア形成の可能性を印象づけています。
Topics②:大江戸温泉物語×湯快リゾートの広告
新宿駅で展開された、大江戸温泉物語×湯快リゾートの広告です。
広告のビジュアルは、白を基調としたシンプルな背景に、結婚指輪を連想させるリング状のデザインを配置。その中に両社のロゴを組み込むことで、二社の統合を視覚的に表現しています。
特筆すべきは、企業統合の告知文が「私事ではありますが」という個人的な投稿のような書き出しで始まり、「かねてよりリスペクトしていたお相手と」という表現を用いて、まるで結婚報告のような温かみのある文体で展開されている点です。
また、投稿日時、いいね数、コメント数、シェア数といったSNSの要素を忠実に再現し、ハッシュタグ「#温泉宿カップル」「#ニッポンへ出かけよう」を使用することで、SNSを使ったコミュニケーションスタイルに即した親近感のある表現を実現していました。
Topics③:ユニクロの広告
新宿駅で展開された、ユニクロの広告です。
広告は、木目調の温かみのある背景と、モダンでミニマルなフレームデザインを組み合わせることで、高級感とカジュアルさを絶妙にバランスさせています。特に「100% CASHMERE」という端的な表示と価格表示により、品質の高さとアクセシビリティを同時に訴求しています。
モデルもシンプルな立ち姿で製品の魅力を自然に表現することで、視聴者が自身の着用シーンを想像しやすい構成となっています。
また、柱型のサイネージでは、「カシミヤ好きが見つけたカシミヤ」というメッセージは、製品への自信と品質の高さを示唆しつつ、消費者の共感を誘うような表現となっていました。
Topics④:パナソニック「VITALIFT(バイタリフト)」の広告
新宿駅で展開された、パナソニックの美容家電製品「VITALIFT(バイタリフト)」の広告です。
新宿駅構内複数面で展開されており、通行者の視線を自然に誘導しながら、ストーリー性のある訴求を実現しています。黒を基調とした背景に、製品の洗練されたデザインと機能を象徴する光の表現を組み合わせることで、先進的なイメージを創出しています。
製品単体の大きな画像表示と、使用シーンを示すモデルカットを組み合わせることで、製品の特徴と実用性を分かりやすく伝えていました。特に、製品使用時の動きを示す図解的な表現は、機能の理解を促進する工夫のように見えました。
Topics⑤:劇場版ハイキュー!! Blu-ray&DVD発売の広告
新宿駅で展開された、劇場版ハイキュー!!のBlu-ray&DVDの発売を告知する広告です。
オレンジと赤を基調とした鮮やかな配色に、バレーボールの躍動的なプレーシーンを切り取ったイラストを配置することで、スポーツアニメならではの迫力と熱量を表現しています。
特に主要キャラクターである日向翔陽や孤爪研磨などの単独カットは、それぞれのプレースタイルや個性を端的に表現していました。
Topics⑥:漫画「人類の半数がちいこになった」の広告
新宿駅~新宿3丁目間の通路沿いで展開された、漫画「人類の半数がちいこになった」の広告です。
黄色を基調とした明るい配色に、シンプルな線画のキャラクターを組み合わせることで、通行者の目を自然と引き付ける視覚的効果を生み出しています。
広告の中心的要素として、白く抜かれた空間に配置された「息子がちいこになった」という一文は、物語の世界観を表現しています。「ちいこ」という愛らしい言葉と「人類の半数」という壮大なスケールを組み合わせることで、作品の持つユニークな世界観を印象づけています。ピンク色を用いたロゴは、作品の持つ親しみやすさを視覚的に表現しているように感じました。
編集部から一言
今週もユニークな広告が数多くみられました。特に、大江戸温泉物語と湯快リゾートの企業統合を告知する広告は、企業の統合告知という、ともすれば無機質になりがちな内容を、SNSの結婚報告を模した形式で表現するという斬新なアプローチを取っています。「私事ではありますが」という書き出しから始まり、「かねてよりリスペクトしていたお相手と」という表現まで、企業広告でありながら人間味のある温かな表現に徹していました。
また、パナソニックのVITALIFT(バイタリフト)の広告は、駅構内の複数の場所を効果的に活用した空間ジャック的な展開でした。製品単体のビジュアルから使用シーンの紹介、さらには機能説明まで、段階的に情報を開示する手法を採用しており、特に、製品使用時の動きを図解的に示す表現は、美容家電という製品特性を考慮した効果的なアプローチでした。黒を基調とした背景に、製品の洗練されたデザインと光の表現を組み合わせることで、高級感と先進性を演出している点も印象的です。