PV最多は南海トラフ情報の記事、トランプ氏は6ヶ月連続トレンド入り　偽情報関連報道の実態を調査

更新日：2025年03月07日

PV最多は南海トラフ情報の記事、トランプ氏は6ヶ月連続トレンド入り　偽情報関連報道の実態を調査

株式会社トドオナダは、運営するPR効果測定サービス「Qlipper」のデータを基に、2024年下半期（7月〜12月）における「偽情報・フェイクニュース・デマ」に関するウェブニュースの調査結果をまとめた。この分析では、記事数、PV数、SNS上での拡散状況、主要トレンドワードの変遷などから、偽情報関連報道の特徴と傾向を明らかにした。

本調査は、Qlipperが収集した国内主要ニュースサイトのウェブニュースのうち、本文または見出しに「フェイクニュース」「偽情報」「デマ」などの語を含む記事を対象に、記事数、仮想PV数、SNS上での拡散状況を集計・分析したものである。

※仮想PV…Qlipperが取得したサイト構造を基に、独自エンジンで記事のページビューを予測・算出した数値。

調査概要

調査方法：Qlipperが調査期間中に収集した国内主要ニュースサイトのウェブニュースの内、調査対象の記事数、仮想PV数、記事がXでポストされた数を集計。

調査対象：国内主要ニュースサイトのウェブニュース記事で、本文または見出しに下記の語を含む記事。

フェイクニュース・フェイク動画・フェイク映像・フェイク画像・フェイク音声・フェイク情報・偽情報・偽ニュース・偽画像・誤情報・デマ・流言

調査期間：2024年7月1日～12月31日

掲載元：「フェイクニュース・偽情報・デマ」関連ウェブニュース調査（2024年下半期）【Qlipperレポート】

高PV記事は災害関連、SNS拡散は政治・歴史問題がトレンド

「偽情報」に関連した月別のトレンドキーワードは、7月は「NATO」「紙幣」「トランプ」「ロシア」「AI」などが上位にランクインした。8月は「暴動」「極右」「スウィフト」、9月は「ブラジル」「日本人学校」などが特徴的なキーワードとなっている。

2024年7〜9月の「偽情報」関連トレンドワードランキング

※単純な記事数ではなく、時間軸なども踏まえてQlipperのAIが判断

10月から12月にかけては、「ハリケーン」「ウクライナ」「モルドバ」といった国際情勢関連のキーワードに加え、11月と12月には兵庫県知事選関連のキーワードが複数ランクインする結果となった。特に注目すべきは「トランプ」というキーワードが7月から12月まで6ヶ月連続でトレンド入りしており、米大統領選に関連した偽情報等の語を含む記事が継続的に話題になっていたことが分かる。

2024年10〜12月の「偽情報」関連トレンドワードランキング

記事数と閲覧数のピークは8月、SNS拡散は7月が最多

「偽情報」等の語を含む記事数とPV数を月別に見ると、8月が最も多く、記事数が9,496件、PV数が約2億5,190万となっている。次いで11月が記事数7,193件、PV数約2億3,506万と続いている。一方、SNS（X）への記事ポスト数は7月が878件と突出して多く、他の月の2〜4倍の規模となっている。

日別の記事数推移を見ると、8月9日が903件と最も多く、次いで8月20日の690件、9月2日の562件となっている。8月9日は南海トラフ臨時情報「巨大地震注意」発表の翌日にあたり、デマ拡散への警戒が呼びかけられた日であった。

「偽情報」等の語を含む記事のPV数を見ると、7〜9月期間中では7月12日に約3,470万PVのピークがあり、8月8日に約4,040万PVという下半期最大のピークを記録している。10〜12月期間では11月5日に約2,780万PVのピークを形成している。

7月は新紙幣発行関連、11月には兵庫県知事関連のポストが多く見られた時期だった。

先ほどのトレンドキーワードの結果を踏まえると、PV数が突出したのは災害関連の記事となったが、実際にSNS上での拡散（ポスト数）が多かった記事は、東京都知事選挙や兵庫県知事選に関するもの、海外ゲームにおける日本の歴史表現の問題など、政治や歴史に関するテーマが目立った結果となっていることが分かる。これは、災害情報に対する関心の高さの一方で、政治的・歴史的トピックの方が広くSNS上で拡散され、議論が活発になりやすいことを受けた結果と言えるだろう。

「偽情報」等の語を含む記事数の推移（7〜9月）