
アドクロ編集部は、シニア世代とZ世代がどのように情報収集をしているかについてのアンケート結果を公開しました。シニア世代とZ世代それぞれ100人を対象にアンケートを実施し、そこで得られた調査結果をまとめていきます。
調査概要
調査方法 : インターネット調査
調査対象 : シニア世代(60歳以上を対象に実施)、Z世代 (15歳〜29歳を対象に実施)
調査期間 : 2024年12月
調査機関 : 株式会社ビズパ アドクロ編集部
有効回答数 :シニア世代 : n=132、 Z世代 : n=128 ※質問により変動
調査結果サマリー
「テレビ」は影響力が大きい一方、「新聞」「SNS」で世代間の差
テレビで情報収集する人はどちらの世代でも過半数を超える結果となりました。またシニア世代は「新聞」、Z世代は「SNS」も主な情報収集の媒体としていることが分かりました。
シニア世代では「YouTube」、Z世代では「X(旧Twitter)」
シニア世代が最も情報収集で利用するSNSは「YouTube」で、Z世代は「X(旧Twitter)」という結果になりました。「Instagram」や「TikTok」も世代間での差が見られました。
Z世代は趣味の情報を重要視
シニア世代の大多数が「ニュースを知る」ことを情報収集の目的としているのに対し、Z世代は「ニュースを知る」ことと同程度の人が「趣味の情報」のために情報収集していることが分かりました。
重要視するのは「情報の正確性」
どちらの世代も重要視するのは「情報の正確性」でしたが、Z世代は「情報の最新性」もかなり重要視しているようです。またZ世代は信頼する機関として、比較的高い割合で「SNS」を選択しており、このことからも「最新性」を重視していることが伺えます。
調査結果
情報収集に費やす時間はシニア世代・Z世代で同程度

情報収集に費やす時間で最も多かった回答は、両世代で「30分〜1時間未満」でした。どちらの世代も1時間未満の人が過半数を超えています。情報収集に費やす時間は世代間での差はあまり見られませんでした。ただZ世代の方がシニア世代に比べて、「情報収集をしない」と回答した方が僅かながら多い傾向にあるようです。
「テレビ」は両世代で影響力、一方「SNS」「新聞」は世代間の差

情報収集をする媒体として、シニア世代では、86.2%で「テレビ」、次に多かったのが「ニュースサイトやニュースアプリ」の69.9%という結果でした。一方でZ世代では68.2%で「SNS」、次いで50.0%で「テレビ」でした。
どちらの世代でも「テレビ」は高い割合を占めており、どの世代にも影響力があると言えるのではないでしょうか。一方で「SNS」と「新聞」は世代間で大きな差があり、Z世代では「SNS」で、シニア世代では「新聞」で情報収集をしていることがわかります。また、「メールマガジン」も世代間で顕著に差が出ており、シニア世代はZ世代よりも約6倍高い割合で「メールマガジン」から情報収集しているようです。
Z世代はパソコンよりもスマホで情報収集

媒体を検索するときの端末は、シニア世代では、「パソコン」が85.3%となりました。Z世代で最も多かったのは「スマートフォン」で全体の89.6%を占めています。「スマートフォン」はシニア世代でも過半数を超えています。一方で、「パソコン」はZ世代では33.3%であり、世代間での違いが見て取れます。
Z世代は幼少期からスマホが身近にあった人も多く、パソコンで情報収集を行うよりもスマホで行う方がより手軽に感じているのかもしれません。シニア世代には、スマートフォンの文字が小さくて見にくいため、パソコンを好むという可能性も考えられます。
シニア世代は「YouTube」、Z世代は「X(旧Twitter)」

情報収集するSNSとして多かったのは、シニア世代では「YouTube」が70.6%、「LINE」が55.9%でした。Z世代では「X(旧Twitter)」が78.7%、「YouTube」が57.3%となりました。どちらの世代でも「YouTube」は過半数を占めていますが、「YouTube」と同様の動画SNSである「TikTok」はZ世代では37.3%であるのに対し、シニア世代では8.8%となっています。また「Facebook」に関しても世代間で差がみられ、Z世代は4.0%に対して、シニア世代では26.5%でした。

情報収集に最も利用するSNSは、シニア世代では「YouTube」が41.2%を占めているのに対し、Z世代では「X(旧Twitter)」が53.3%を占めるという結果になりました。情報収集で最も利用するSNSは世代間で大きな差があるようです。Z世代で過半数以上が選択している「X(旧Twitter)」はシニア世代では17.6%でした。また「Instagram」はZ世代では13.3%にのぼる一方で、シニア世代では0.0%となっています。
パソコンを主な情報収集端末として利用しているシニア世代にとって、スマートフォンのアプリ版がメインの「X(旧Twitter)」や「Instagram」よりも、パソコンで簡単に閲覧できる「YouTube」の方が閲覧しやすいようです。
Z世代は「ニュース」と同程度に「趣味の情報」も収集

SNSを利用する際に収集する情報は、シニア世代では「ニュース」が94.1%、「趣味の情報」が64.7%となりました。Z世代では「ニュース」が77.3%、「趣味の情報」が74.7%でした。どちらの世代もSNS上では「ニュース」が最も調べられているようです。しかしZ世代は「ニュース」とほぼ同じ割合で「趣味の情報」も収集しています。Z世代は、時事の把握のためだけでなく、自分の趣味の充実も含め、SNSで情報収集していることが伺えます。

情報収集する目的としてシニア世代では、「ニュースを知るため」が77.2%、「趣味の知識を深めるため」が11.4%にのぼりました。一方Z世代では、「趣味の知識を深めるため」が39.1%、次いで「ニュースを知るため」が29.1%になりました。
シニア世代の多くがニュースを知るために情報収集しているのに対し、Z世代は趣味の情報を目的としている方も多いようです。またZ世代では「流行を知るため」と「特にない」が8.2%を占めており、特定の目的を持たずに情報収集している層も一定数いるようです。
信頼する機関はよく利用する媒体に起因

どのような機関からの情報を信頼するかの質問に対して、シニア世代では「テレビ局」が40.7%、「専門家」「新聞社」が39.0%でした。Z世代は「テレビ局」が31.8%、次いで「専門家」「SNS」が30.9%にのぼりました。
どちらの世代でも「テレビ局」からの情報が最も信頼されており、次いで「専門家」が上がっています。その一方で「専門家」と同程度信頼されている媒体が世代間で異なっています。シニア世代では「新聞社」、Z世代では「SNS」となっており、各世代がよく利用する媒体を信頼していることが伺えます。
重要視するのは「情報の正確性」

情報収集時に重要視する項目はシニア世代では「正確性」が48.8%、「信頼性」が35.0%でした。Z世代では「正確性」が35.5%、次に「最新性」が20.9%となっています。どちらの世代も「正確性」を最も重要視していることがわかります。またシニア世代は「信頼性」を重要視しているのに対し、Z世代は「信頼性」よりも「最新性」を重要視する傾向にあるようです。Z世代で「特にない」と回答したのは18.2%にのぼり、シニア世代に比べて高い割合を占めています。これはZ世代はテレビ、インターネットが身近にある生活しか知らず、能動的に探さなくても情報を得られる環境にあるからこその感覚なのかもしれません。
世代間で異なる情報収集傾向
どちらの世代でも「テレビ」の影響力は依然として強い一方、シニア世代では「新聞」、Z世代では「SNS」が高い割合を占めていました。これはデジタルネイティブか、そうでないかが顕著に現れた結果と言えるのではないでしょうか。
また、Z世代は大多数がスマートフォンで情報収集しているため、情報収集するSNSとして「X(旧Twitter)」や「Instagram」が高い割合を占めていました。主にパソコンを情報収集端末に利用するシニア世代は、パソコンでも閲覧しやすい「YouTube」が上位のSNSとなっています。
信頼している情報機関に関して、シニア世代は「新聞社」、Z世代は「SNS」が上位を占めています。また、シニア世代は「情報の正確性」、Z世代は「情報の最新性」を重要視しており、情報収集の際に何を重要視するかで信頼する機関にも影響が及ぶようです。「正確性」を求めるシニア世代は、校閲が入り情報が整理されてから配布される新聞を好み、「最新性」を求めるZ世代は、情報がリアルタイムで更新されるSNSを好む、と言えるのではないでしょうか。
この記事は役に立ちましたか?