ダッシュボード株式会社は、2025年2月に、2025年4月から新社会人となる予定の大学生・大学院生316名（男性130名、女性186名）を対象に、SNSの利用実態に関するアンケート調査を実施した。この調査では、SNSの利用頻度、新興SNSへの関心、SNSを通じた購買行動、改善要望などについて回答を収集した。
調査概要
調査方法：オンラインアンケート調査
対象者：2025年4月から新社会人になる男女316名（男性：130名、女性：186名、いずれも20～25歳）の大学生および大学院生
有効回答数：316件
調査期間：2025年2月
新しいSNSサービスはBeRealとThreadsが若年層に浸透
「学生時代に初めて利用した新しいSNSまたはサービスはありますか？（複数回答可）」という問いに対し、「特にない」と答えた人が134名と最も多かった。次いで、「BeReal（ビーリアル）」が87名、「Threads（スレッズ）」が58名、「Lemon8（レモンエイト）」が51名となっている。
男女別に見ると、BeRealでは男性26名に対し女性が61名と女性の利用が圧倒的に多く、Threadsも男性28名に対し女性が30名と若干女性の利用が多い結果となった。一方、Discordは男性29名に対し女性が21名と、男性の利用が多いプラットフォームとなっている。
これらの結果から、新たなSNSの利用は全体の半数以上が行っており、特にBeRealは女性の回答が多い傾向が見られる。
主要SNSの利用状況は男女間に差
「最も頻繁に利用しているSNSを1つ選んでください」という質問に対して、「X（旧Twitter）」が84名（男性37名、女性47名）、「Instagram」と「YouTube」がそれぞれ74名（Instagramは男性14名・女性60名、YouTubeは男性43名・女性31名）、「LINE」が62名（男性23名、女性39名）と続いた。
Instagramは女性の利用が多く、自己表現の場として人気が高い傾向が見られる。逆にYouTubeは男性の利用が女性を上回っている。また、世界的に人気のTikTokはこの世代の主要SNSとしての利用者は全体でわずか16名、Facebookに至っては1名のみとなった。
この結果から、画像やテキストベースのSNSは女性に、動画コンテンツは男性に好まれる傾向があることが分かる。また、ショート動画がメインのTikTokは日常的な利用の優先順位は低く、余暇の消費コンテンツとして利用されていることが推察される。
SNSと購買行動 女性はInstagram、男性はYouTubeから購入が最多
「商品やサービスを購入した経験のあるSNSは次の中にありますか？（複数回答可）」という問いに対しては、「特にない」と回答した人が165名（男性59名、女性106名）と過半数を占めた。一方、購入経験がある中では「Instagram」が74名（男性26名、女性48名）、「X（旧Twitter）」と「YouTube」がそれぞれ66名（Xは男性31名・女性35名、YouTubeは男性37名・女性29名）となっている。
また、「SNSを通じて購入をした場合、それはどのようなカテゴリーの商品でしたか？（複数回答可）」という質問に対しては、「ファッション/アパレル」が79名（男性35名、女性44名）、「コスメ/美容」が77名（男性27名、女性50名）、「食品/飲料」が45名（男性23名、女性22名）、「ガジェット/家電」が40名（男性26名、女性14名）となった。
さらに、「SNS経由での購買行動において、何が決め手になりましたか？（複数回答可）」という問いでは、「レビューや口コミ」が78名（男性34名、女性44名）、「インフルエンサーの推薦」が66名（男性28名、女性38名）、「広告」が56名（男性29名、女性27名）、「視覚的なコンテンツ（写真や動画）」が38名（男性17名、女性21名）という結果だった。
これらの結果から、SNSでの購買は約半数が経験しており、女性はコスメやファッションの購入が多く、男性はファッションやガジェット・家電など、多岐にわたる商品を購入する傾向が見られる。また、購買決定要因としては購入者の評価やインフルエンサーの影響力が大きく、広告よりも信頼性の高い情報源として重視されていることがわかる。
SNS改善への要望、広告過多と偽情報対策が課題
「SNS利用や購買に関して、改善してほしい点や便利になると思う機能があれば教えてください。（複数回答可）」という質問に対して、「広告が多すぎるので減らしてほしい」が72名（男性33名、女性39名）と最も多く、次いで「偽情報やフェイクニュースを減らしてほしい」が47名（男性25名、女性22名）、「SNS上のレビューや口コミの信頼性を向上してほしい」が39名（男性16名、女性23名）となった。
これに続き、「アルゴリズムが偏りすぎており、多様なコンテンツが見られるようにしてほしい」と「プライバシー設定をもっと簡単に調整できるようにしてほしい」がともに35名と同数であった。
これらの結果から、新社会人世代はSNS上の広告の多さや偽情報を問題視しており、より透明性の高い情報環境や使いやすいプライバシー設定を求めていることが見て取れる。
今回の調査から新社会人世代のSNS利用は多様化しており、XやInstagramといった定番サービスに加え、BeRealやThreadsなど新しいSNSの存在感も高まりつつあることがわかる。購買行動においても、SNSは情報収集から購入までの重要な導線となっており、性別によって利用傾向に差が見られる。
一方で、広告の多さや偽情報の拡散、口コミの信頼性といった課題への関心も高く、ユーザーはより誠実で信頼できる情報環境を求めていることが分かる。今後のSNSプラットフォームは利便性やエンタメ性だけでなく、情報の透明性や信頼性をどのように担保していくかが鍵となるだろう。
古田ちほ アドクロ編集部
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