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2024年6月3日週 渋谷OOHレポート
アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOHレポート。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
宮益坂交差点看板
今週の渋谷駅の大型枠では、にしたんクリニックの広告が掲載されていました。
こちらは2024年5月下旬頃から放送しているCMに連動した広告となっています。
CM内では俳優の船越英一郎さん、女優の黒木瞳さん、お笑い芸人の3時のヒロインさんを起用。本格的なシチュエーションながら出演者のセリフすべてが「にしたん」で構成されており、初見のインパクト抜群な内容となっています。
たびたび、渋谷駅周辺をジャックしているにしたんクリニック。今後もどんな広告が展開されるのか、動向に注目していきたいところです。
過去の掲載事例:にしたんクリニックが渋谷で大型広告4面ジャックを実施
渋谷駅前の大型ボードでは、伊藤園「お~いお茶」の広告が展開されていました。
「お~いお茶グローバルアンバサダー」に就任した大谷翔平選手を起用した広告で、「日本の魅力的なお茶文化を世界に広めたい」という同社と大谷選手の想いを広げる目的で展開されています。
渋谷駅工事現場仮囲い広告
国内では、大谷選手の地元である岩手県にて2024年5月31日より掲出を開始。渋谷駅でのプロモーションの他、札幌・盛岡・仙台・東京・名古屋・大阪などといった国内複数地点でも展開予定となっています。
また、アメリカ、韓国、台湾やヤンキースvsドジャース戦で大谷選手がニューヨークを訪れる6月8日から10日(現地日付)の期間も、タイムズスクエアへの広告掲出を予定。グローバルな広告展開となっています。
センターシートで展開された「お~いオオタニサン!」の文字は、本当に大谷選手に届くのではないかと思うくらいビックスケールなサイズ感で、スクランブル交差点の反対からでもハッキリ視認できる規模感となっていました。
これから夏に向けて飲料の消費量が増えるタイミングです。国内での展開はもちろん、海外でも大規模展開されるようで、その力の入り具合を感じさせられます。
また、円安によるインバウンド需要の高まりも感じられますが、旅行に来た海外の方にも「大谷選手」の知名度が効果的に働きそうな印象もあります。展開後の反響が気になるところですね。
今週、渋谷エリアではフラッグ広告が3エリアにわたって展開されていました。
1つ目が、渋谷公園通りのフラッグで展開されたキリンビール「晴れ風」の広告です。
晴れ風ブルーが印象的なフラッグには、起用されたタレントと商品(ビール)が大きく描かれており、爽やかさを感じるデザインとなっていました。風が吹いてフラッグがなびく光景は、まさに「晴れ風」を表現しているかのような雰囲気がありました。
渋谷センター街フラッグ広告(※2024年6月2日撮影)
2つ目が、渋谷センター街のフラッグで展開された、渋谷区のイベント「おとなりサンデー」の広告です。
このイベントは2017年から「6月の第一日曜日」に展開している地域の交流イベントです。同日には、渋谷各所で様々なイベントが展開されていました。
3つ目は、渋谷道玄坂商店街のフラッグで展開された、NCT DREAMの2ndシングル「Moonlight」の広告です。
NCT DREAMは、平均年齢15歳でデビューしたユース世代のグループ。若年層を中心に人気のあるグループです。今回、2ndシングル「Moonlight」リリースに合わせて広告が展開されました。
メンバーそれぞれの写真が掲載されたフラッグや、メンバー全員が全員が映ったフラッグなど、ファンには嬉しいデザイン展開となっていました。
SHIBUYA WILD POSTING
渋谷のストリートエリアで展開された「メルコイン」の広告です。
メルコインは、株式会社メルカリの子会社で、メルカリグループにおけるブロックチェーンサービスの提供・開発を行う株式会社メルコインが提供する、ビットコイン取引サービス。暗号資産口座数は220万口座(出典)を超えるなど、多くの方が利用するサービスです。
今回、渋谷エリアでも少し奥に進んだエリアでポスター複数貼りの広告を展開。「はじめないと、はじまらないぞ。」をキーフレーズにしたポスターで、幅広い年代層の方が色んな視点からビットコインについて一言添えられたクリエイティブとなっていました。
「ビットコイン」と言われると、少し身構えてしまう方も少なくはないと思いますが、ハードルを少し下げる意味でも効果的な訴求であるように感じました。また、ポスターに描かれた人物も幅広いバックグラウンドがあるような印象を与え、全年齢の方に向けているような雰囲気が感じられました。
渋谷駅構内でも複数個所で展開されており、集中的に展開された様子が伺えました。
渋谷駅構内では、オレンジ色のクリエイティブが印象的な「Foodslabo」の広告が展開されていました。
「Foodslabo」は食にフォーカスした食産業特化型転職支援サービス。今回、渋谷で展開した背景として、円安の影響もありインバウンド需要が回復し、訪日客や国内旅行者が一段と増えて外食市場が盛り上がっていることがあるようです。需要回復の繁忙期に向けた採用も活発化していることから、より多くの人々に「食・宿泊」産業の魅力を伝えることを目的にしているようでした(参考)
クリエイティブではイメージキャラクターを務める、俳優の葵わかなさんが大きく描かれたデザインが印象的で、駅通路沿いのビジョンと壁面大型ポスターを抑える形で掲載されました。
渋谷駅内で掲載された、ジャンプTOONの広告です。
「ジャンプTOON」は集英社が配信しているスマートフォン・タブレット端末向けの新たな縦読みマンガアプリ。2024年5月29日に配信が開始されました。
同社オリジナル縦読みマンガ作品や人気作品のタテカラー版作品を連載する、ジャンプグループ発の新サービスとなっており、今回そのリリースにちなんで広告が展開されました。
広告のデザインは「タテマンガ」サービスである事を全面に押し出した、シンプルなクリエイティブとなっています。
赤背景の部分には、各漫画のワンシーンが描かれたデザインとなっており、まさに漫画サービスらしいデザインとなっていました。
今週の渋谷駅は、色味がはっきりした広告が多かったように感じています。
取り上げた広告で言うと、「にしたんクリニック:黒」、「お~いお茶:緑」、「晴れ風:水色」、「Foodslabo:オレンジ」、「ジャンプTOON:赤」とそれぞれ象徴する色があり、クリエイティブにも全面に出されていた印象を受けました。
広告デザインにおけるカラー戦略は非常に重要であると思っています。特にOOHは、視認する時間がほんの数秒でキャッチできる情報は限られているため、カラーを使った印象付けはとても有効であるように感じています。
例えば、にしたんクリニックの黒は高級感や信頼性を連想させ、お~いお茶の緑は自然や健康をイメージさせます。商品やサービスの性質に合わせてカラーを使い分けることが重要になってきます。
また、過剰な刺激にならないよう、使用するカラーの数を絞り込むことも大切かもしれません。今週掲載の渋谷の広告では、それぞれのカラーが絞って使われていたため、目に付きやすく印象に残りやすかったのではないでしょうか。
OOHメディアではカラーを的確に使いこなすことが、ブランディングや視認性の向上に大きく影響します。デザイナーには、カラーの特性を熟知し、ターゲットにマッチした色使いを心がけると良いかもしれませんね。
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