アドクロ編集部が毎月お届けする「ネットで話題となった面白い広告」。東京都内を中心に、SNS上でバズったり、話題になった面白い広告をまとめました。今回は2024年2月に話題となった広告6事例を紹介します。
「600万」という数字は佐藤さんと鈴木さんよりも多い!?
600万回線突破を記念して掲出された楽天モバイルの広告が話題となりました。
渋谷駅と新宿駅にそれぞれ展開されたOOHでは「600万」という数字がどれくらいのインパクトなのかを日常生活に関係する数字で比較しています。
例えば「飼い犬の数と同じくらい」「自販機の数の2倍くらい」「佐藤さんと鈴木さんより多い。」など、実際の数は見当つかないけど身近で親近感のあるネタがピックアップされています。
よく、規模感を表現する手法として「東京ドーム〇個分」が用いられますが、東京ドームに行ったことが無いと規模感の想定が中々難しいと思います。今回の比較対象については“実際の数字は知らないけど、実生活で何となく実感があり、気になってしまう”絶妙なラインを選定しており、通りがかりに見つけると思わずクスッと笑ってしまう面白い事例でした。
CIAOちゅ~るが展開する、圧巻のモザイクアート
2月22日(にゃーにゃーにゃー)の猫の日にちなんで、新宿駅で掲出された「CIAOちゅ~る」の広告が話題となりました。
モザイクアートが印象的なこちらの広告。掲載された写真は同社が展開した「CM募集キャンペーン」でCM採用とならなかった猫写真となっており、数にして1,000匹以上で迫力のある仕上がりとなっていました。
【拡大して撮影した様子。猫写真1枚1枚に所在地と名前も記載されている徹底ぶり】
モザイクアートに使われた写真枚数がかなり多いため、掲載された自分の猫を探すのは中々大変かもしれませんが、実際に掲載された写真を見つけて発信している方もいらっしゃいました。ファンと一緒になって作り上げる参加型の広告にする事で、高い関心を得ていたように感じます。
誰も想像できない…SUUMOとモンスターハンターがまさかのコラボ
不動産・住宅情報サイト「SUUMO」と人気ゲーム「モンスターハンター」がコラボレーションした広告が話題となりました。
同広告は、新宿駅・渋谷駅・池袋駅・大阪梅田駅と主要駅を中心に展開。モンスターハンター上に登場する5体のモンスターが、SUUMOで検索できる項目で住まいの検索をしているビジュアルとなっており、それぞれのモンスターに適した条件が選択されています。
【雷狼竜ジンオウガは、オール電化で家電付きの物件に。雷に由来しているよう】
異色とも思えるコラボレーションですが、キャラクターの個性に合わせた部屋探しが出来る、SUUMOの多様な絞り込み項目には驚きがありました。2、3月は新生活に向けて部屋探しをする方も多いタイミングかと思いますが、異色ともいえるコラボで通行者の注目を得ていたように感じます。
本社移転に伴う「さんきゅーたーまっち」キャンペーン
JR田町駅で展開された森永製菓、森永乳業の「さんきゅーたーまっち」キャンペーンが話題となりました。
こちらの広告は、同社が2024年3月に本社移転するのに伴い、本社最寄り駅であった田町駅の利用者の方に向けた感謝の気持ちを伝えるキャンペーンとして展開。
【田町駅周辺では数パターンのクリエイティブが展開されていました】
駅構内に設置された“御礼”とかかれた広告では、のし紙のようなデザインに、同社の製品を多数掲載。他にも、キョロちゃんやおっとっとなど同社製品を代表するキャラクターが描かれたクリエイティブ数種類が展開されました。
SNS上では移転を惜しむ声や感謝を伝える声が多数みられ、田町エリアにおける同社の存在の大きさを感じることが出来ました。森永製菓は芝浦エリア、森永乳業は汐留エリアに引っ越しとの事で、今後の展開にも注目していきたいですね。
「住みたい街」トップ3も過去の話!?
バーガーキングが展開している「バーガーキングを増やそう」キャンペーンに併せて展開された、恵比寿駅の広告が話題になりました。
こちらのキャンペーンは、バーガーキングを出店するのにピッタリな空き物件を紹介し、もし成約すれば10万をお渡しするという、誰でも参加可能な企画です。
恵比寿駅で展開された広告では、「住みたい街ランキング」を切り口にした内容で、恵比寿エリアでの応募を促すような内容となっています。思わずツッコミを入れたくなる内容という事もあり、SNS上では様々な感想が散見されました。
音楽が聴けるOOH「#ニュー懐メロ」
渋谷駅で展開された「#ニュー懐メロ」企画の駅広告が話題となりました。
こちらの広告では、クリエイティブ内に描かれた音楽プレイヤーの再生ボタン部分にスマートフォンでタッチすることで、特設サイトに遷移し、サイト上でニュー懐メロの楽曲の視聴やXなどのSNSで共有できる形となっていました。
【音楽プレイヤーの中央、赤いボタンをスマホでタッチすることで特設サイトにアクセスが可能】
「教科書よりも、記憶に残った文法があるあなたへ」「CDを手渡ししてきたあいつを、覚えているあなたへ」といった懐かしさを覚えるメッセージに、心打たれた方も多いのではないでしょうか。
再生ボタンを押す感覚に懐かしさを感じつつ、OOHを起点に音楽が聴ける体験まで出来る仕掛けはユニークでした。
まとめ
今回は、2024年2月に話題となった面白い広告を紹介しました。
2月22日の「猫の日」にちなんで展開されたちゅ~るのモザイクアート広告はとても印象に残っています。1枚1枚の写真に所在地と猫の名前を記載する徹底ぶりに、猫と本気で向かいあう姿勢を感じました。
猫の日では、イエローハットが新聞で展開した「全国交通にゃん全運動」広告もありました。
【2024年2月22日日本経済新聞朝刊にて掲載】
「○○の日」は広告と相性がよく、今回の猫の日のような企画広告も多くみられます。引き続き注目していきたいですね。
また、#ニュー懐メロの広告もとても興味深い施策でした。スマホをOOHにタッチして音楽を聴けるという体験型の仕掛けがユーザーの心をつかんでいたように感じます。広告を見に行った際、複数の方が各々思い入れのある曲にタッチしていた姿が印象的でした。
特設サイトにダイレクトに飛ばす新しい手段として、横展開できそうな印象があります。今後のアイデアの参考にしたいところ。
3月はどんな面白い広告が実施されるのか、楽しみですね。