2024年上半期、渋谷の街を彩ったのは誰の顔だったのか。アドクロ編集部が独自に調査した渋谷の屋外広告で掲載された、タレントランキングをお届けします。
渋谷駅構内や109、スクランブル交差点など、人々の目に触れる機会の多いOOH(Out Of Home)に登場したタレントたちを、その露出頻度でランキング化。広告主が重視するタレントの傾向や、消費者の関心を引きつける要素が浮き彫りになるかもしれません…!それでは、2024年上半期を代表する顔ぶれをご覧ください。
計測方法
※渋谷駅で毎週または2週に1回入れ替わる広告枠を対象に調査を実施。
※タレントを起用した広告、またはタレント(もしくはグループ)自身の広告をカウント対象に実施。
※同じ週内で、同じタレントを起用した広告が渋谷エリアで複数展開された場合は1カウント。ただし、異なる広告主が実施していた場合は別途1カウント。
第3位:内村光良さん(お笑い芸人「ウッチャンナンチャン」)、天海祐希さん
第3位には、内村光良さんと天海祐希さんが「3回」で同率ランクイン。今回渋谷で見られた内村さん・天海さん出演の広告は、全てキリンビールの新商品「晴れ風」の広告でした。
2024年4月1日週撮影
愛称「ウッチャン」で親しまれている内村さんは、南原清隆さんとお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」として活動しています。その他、「内村プロデュース」をはじめ、「世界の果てまでイッテQ!」、「スクール革命!」などの番組に出演、司会を務めるなどマルチに活動するタレントです。
一方、天海祐希さんは1995年に宝塚歌劇団を退団後、女優として活動をされています。テレビドラマ「女王の教室」、「BOSS」などの話題の作品で主演を務めたり、映画「最高の人生の見つけ方」や「老後の資金がありません!」などに出演しているほか、「崖の上のポニョ」、「ミニオンズ」、「名探偵コナン 純黒の悪夢」などアニメ映画で声の出演をするなど幅広い領域で活動されています。
2024年6月3日週撮影
2024年4月1日週
「晴れ風」の広告には、内村さん、天海さんの他にも目黒蓮さん、今田美桜さんも出演。
同じ週で複数媒体をジャックする展開を、複数回展開されたのが特徴的でした。2024年上半期は、渋谷エリアで水色を基調とした広告と遭遇した方は多かったのではないでしょうか。
第2位:今田美桜さん、大谷翔平選手
第2位は「4回」で2名が同率となりました。今田美桜さん、大谷翔平選手がそれぞれ4回の露出を記録しています。
今田さんは日本の俳優、ファッションモデルで2015年に「罪の余白」で映画初デビュー後、様々な作品に出演。その後、2018年に放送されたテレビドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」で注目を集めました。その他、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」や「トリリオンゲーム」など数々の映画やドラマに出演するなど活躍されています。
2024年3月18日週
3位の内村さん、天海さん同様、キリンビール「晴れ風」の広告での出演が中心でした。3月に「晴れ風」の商品発表前に展開された広告で、目黒蓮さんと2人で描かれた広告が展開されており、3位の2人と差がついたようでした。
大谷翔平選手は、現在MLBのロサンゼルス・ドジャースに所属し、ピッチャー兼指名打者として活躍している野球選手。北海道日本ハムファイターズに入団、プレーしたのち、MLBに挑戦するため2017年にロサンゼルス・エンゼルスと契約。2023年には、10勝と40本塁打を同じシーズンで達成するという前例のない偉業を成し遂げ、MLB史上初めて2回の全会一致でMVPを受賞した選手となりました。
2024年3月18日週
2024年4月15日週
そのスポーツ界での活躍はもちろん、誠実な人柄も相まって様々な業界の広告に登場。大谷選手のビジュアルが大きく描かれた広告が印象的でした。
番外編
番外編として、同期間に「2回」出演した広告が見られたタレント(グループ)を紹介します。
中条あやみさん、加藤小夏さん、川口春奈さん、賀来賢人さん、宮世琉弥さん、小澤征悦さん、神木隆之介さん、香取慎吾さん、志尊淳さん、乃木坂46(女性アイドルグループ)、TREASURE(男性アイドルグループ)、ATEEZ(男性アイドルグループ)、Travis Japan(男性アイドルグループ)
傾向として①女性ファンを意識したタレント起用が見られたこと、②比較的若年層を意識した内容が多かったことが挙げられます。賀来賢人さん、宮世琉弥さん、神木隆之介さんなど、女性ファンの多い男性タレントの起用も目立ちました。
2024年2月26日週
また、乃木坂46、TREASURE、ATEEZ、Travis Japanといったアイドルグループの広告は、10代後半から20代前半の若者をターゲットとした広告戦略の表れかもしれません。
2024年4月1日週
これらのグループは、ファンによるSNS発信における影響力も強く、屋外広告とデジタルマーケティングを連携させた統合的なアプローチが意図されていると考えられます。渋谷という場所柄を考慮しても理にかなっているのではないでしょうか。
2024年6月17日
第1位:目黒蓮さん(SnowMan)、平野紫耀さん(Number_i)
第1位に輝いたのは…5回で目黒蓮さん、平野紫耀さんでした。
お二人の映る広告は、掲載されると必ずと言っていいほど写真撮影の列ができますが、まさに今アツいお二人が堂々の1位となりました。
目黒さんは俳優で、男性アイドルグループ「Snow Man」のメンバー。俳優としても、2021年にドラマ「消えた初恋」で主演を務め、その後も映画「わたしの幸せな結婚」や、「silent」、「舞いあがれ!」などのドラマに出演。また、ファッション界でも注目されており、2022年・2023年にはファッション雑誌「ViVi」が発表する“国宝級イケメンランキング”で連続1位(2022年下半期・2023年上半期)を獲得しています。歌手としての才能だけでなく、俳優やモデルとしても多岐にわたる才能を発揮し続けている、日本のエンターテインメント界の注目人物です。
2024年6月17日週
多くはキリンビール「晴れ風」内の広告出演でしたが、「午後の紅茶」の広告などにも出演。若者を中心に絶大な人気を誇る目黒さんは、そのルックスと長身を生かしたスタイリッシュな広告が多い印象です。既に下半期もREGZAの広告に出演するなど、今後も活躍が期待されます。
2024年7月8日週
もう1人、平野紫耀さんは現在「Number_i」というグループで活動しています。2018年に「King & Prince」としてデビューし、数々のヒット曲をリリースするとともに、テレビドラマや映画でも活躍しました。代表作には、ドラマ「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」や映画「ういらぶ。」、「かぐや様は告らせたい」などがあります。
平野さんが出演した「デジタルハリウッド大学の広告」と「液体ムヒ」の広告。その雰囲気の違いにも注目です。
2024年3月4日週
2024年5月6日週
編集部から一言
今回の調査で注目すべきは、トップを飾った目黒蓮さんを筆頭とする若手タレントの躍進です。これは"渋谷"というエリアの特性を反映しつつ、Z世代を中心とした若年層の消費者をターゲットにした戦略が見て取れます。
また、大谷翔平選手の高順位は、スポーツ選手の影響力の強さを示しています。ここ数年の大谷選手の活躍は国内外で広く知られており、彼の起用はインバウンド需要も視野に入れた展開と言えるでしょう。大谷選手は単なるスポーツ界のスターというだけでなく、誠実さや努力といった普遍的な価値観を体現する存在としても評価されている印象もあります。
興味深いことに、上位にランクインしたタレントの多くが、キリンビール「晴れ風」の広告キャンペーンに起用されていました。これは近年まれに見る大規模な展開であり、キリンビール社の本気度が感じられました。
今後も、渋谷の街を彩る広告とそこに起用されるタレントたちの動向に注目していきたいと思います。