アドクロ編集部がお届けするニュース解説。マーケティング関連で気になるニュースをピックアップし、担当者が詳しく解説します。
BtoB企業向けにマーケティングや営業コンサルティングサービスを展開する株式会社ALUHAは、新型コロナウイルスの感染拡大がBtoB企業のデジタル活用の意識に、どのような影響を与えたのか調査しました。
「コロナ前」「コロナ禍」「コロナ後」に分けて調査した結果、デジタル活用の意識は3つの期間すべて上昇傾向でした。
具体的には、WEBサイトはコロナ禍以降も継続的に活用されており、MA(マーケティング・オートメーション:新規顧客獲得における一連のプロセスを自動化するマーケティング施策)はコロナ前・コロナ禍・コロナ後で導入が増加傾向にあり、4倍程度伸びていました。
コロナ前までのデジタル活用の意識は以下のとおりです。
コロナ前は、デジタル活用の効果を調査・検討したい、もしくはデジタル活用に興味があるというBtoB企業が多くなっていました。
コロナ後になると、WEBサイトを活用したいと考えている企業が大きく増加していることがわかります。
一方で「デジタルを活用するつもりはない」という方も増加している様子もうかがえました。
考察
新型コロナ後、デジタルが合う・合わないが明確に
新型コロナ期間を経て、顧客の情報獲得方法が従来の「人」を介した情報収集から、「ネット」を主体とした方法へとシフトしている様子が伺えます。
このような状況下で、WEBサイトを持たない、または適切に運用していない企業は、ネットを通じた商品紹介や新規顧客の獲得、販売促進の必要性に直面しています。特にBtoB企業においては、この傾向が顕著に表れています。
一方で、「デジタル活用をするつもりはない」という企業も増加傾向にあります。この背景には、コロナ禍でデジタル活用を試みたものの、期待した効果が得られなかった、あるいはデジタルツールとの相性が悪かったなどの要因が考えられます。
また、地域に特化したBtoB企業の中には、コロナ禍やその後も従来通りの顧客訪問が継続しているケースがあります。このような企業では、デジタル活用による集客や販売促進の必要性を感じていない可能性があります。
このように、デジタル活用は一見すべての企業に有益に思えますが、実際には「必要ない」や「不便」と感じている企業も少なくありません。デジタル化の波は確実に進んでいますが、各企業の事業特性や顧客ニーズに応じて、適切なデジタル活用の方法を見極めることが重要です。
自社の強みを活かしつつ、デジタル技術を戦略的に活用
デジタル技術の急速な進化は、BtoB企業に新たな機会と課題をもたらしています。効率性と効果の向上を追求する現代のビジネス環境において、適切なデジタル活用は競争優位性を確保する重要な要素となっています。
コロナ禍を契機に、多くの企業がDX化を加速させました。例えば、WEB会議ツールの普及により、従来の対面営業に代わる効率的なコミュニケーション手段が確立。この変化は、単なる一時的な対応策ではなく、多くの企業で恒久的な営業手法の一つとして定着しつつあります。最近では、AI技術の飛躍的な進歩により、業務効率化の新たな地平が開かれています。文書作成やコンテンツ生成の自動化など、AIの活用は人的リソースの最適配分を可能にし、企業の生産性向上に大きく寄与しています。
しかしながらデジタル活用の成功は、闇雲な導入ではなく、戦略的なアプローチにかかっています。急速に変化するデジタル環境に対応するため最新トレンドや技術に常に注目すること、デジタル投資の効果を定量的に評価し継続的な改善を図ることが重要です。
企業は自社の強みを活かしつつ、デジタル技術を戦略的に活用することで、新たな価値創造と競争優位性の確立を目指すべきです。デジタル社会は変化が激しいため、最新情報に常に目を向け、自社にとって本当に必要なものを見極めることが成功への鍵となるのではないでしょうか。