東京製鐵株式会社は、低CO₂鋼材「ほぼゼロ」の認知拡大を目的に、歌手の小林幸子を起用した交通広告を2026年4月20日から展開した。掲出は東京駅や名古屋駅、新大阪駅といった東海道新幹線の主要拠点に加え、車内メディアにも広がり、広域での接触を狙ったプロモーションとなっている。

同社が推進する「ほぼゼロ」は、製造時のCO₂排出量を大幅に抑えた環境配慮型の鋼材であり、脱炭素社会の実現に向けた重要なソリューションと位置付けられる。一方で、鉄鋼という素材は一般消費者にとって身近でありながら、その環境性能が直感的に理解されにくいという課題があった。こうした背景から、強い象徴性を持つタレントを起用し、難解になりがちなテーマをわかりやすく伝える狙いがあった。

広告では、"鉄のラスボス"というキャラクター設定で小林幸子を登場させ、実写と漫画表現を組み合わせたビジュアルを展開した。新幹線駅構内の大型ビジョンや壁面シート、車内メディアを横断的に活用し、移動中のビジネスパーソンに対して繰り返し接触を図る構成となっている。また、交通広告と連動したアニメーション動画も公開され、悩むビジネスマンの前に"ラスボス"が現れ、「正直、ほぼゼロがいいです!」と本音を引き出すストーリーを通じて、製品価値をコミカルに提示している。

東海道新幹線は利用者の約6割がビジネス目的での利用とされ、意思決定層の比率が高い媒体として知られる。製造業やBtoB企業がブランディング目的で活用するケースも多く、グリーン車搭載誌Wedgeは経営者層・高年収層に直接リーチできる点で選ばれやすい。「ほぼゼロ」のターゲットは鉄鋼を調達する企業の購買・調達担当者や経営層であり、移動中という集中度の高い時間帯に意思決定者の目に触れさせることが、この媒体選定の狙いと考えられる。

