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顧客を引き寄せるインバウンドマーケティングの本質 | 古田聡
【増補改訂版】インバウンドマーケティング 著者 / ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャア
「テレビにチラシ・SNS・街頭看板・公共交通機関など、いつどこを見ても、何か押し売りされていて疲れる...」
ふと、こう感じたことはないでしょうか?
マーケティング手法の進化により、企業は「より多くの人々に、より頻繁に」メッセージを届ける事が可能になりました。しかしその結果、人々は日々膨大な量の広告やプロモーションに囲まれ、常に何かを勧められ、その押しつけがましさに辟易しています。
本書は、このような現代のマーケティングの在り方に一石を投じる本です(書かれたのは2017年ですが)。著者のブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアは「Hubspot」の創業者です。彼らは「押し付けるマーケティング」から「引き寄せるマーケティング」への転換が必要だ、と言います。手法の変更はもちろん、顧客との関係作りを見直し、「引き寄せるマーケティング」へ転換しないと、持続可能なビジネスにはならないと提案します。
マーケティングとは本来、顧客を惹きつけ、信頼関係を築き、提供する商品やサービスの体験を通じて、顧客に喜んでもらうためのものです。本書では、この原点に立ち返るために、質の高いコンテンツを継続的に生み出し、それを必要としている人々に適切なタイミングで届けることの重要性が説かれています。
「名刺交換で手に入れたメールアドレスにメルマガを送りつける」「何かしらで連絡先を入手し、営業電話をかける」ーこういった一方的なアプローチは、もはやマーケティングとは呼べないと私は考えます。顧客との信頼関係を築くどころか、むしろ逆効果になる可能性の方が高いでしょう。
本書が提案するインバウンドマーケティングは、顧客が「知りたい」「解決したい」と思っている課題に対して、価値ある情報を提供することが始まりだと教えてくれます。確かに、勝手にメルマガを送りつけたり、突然営業電話をかけるよりは、時間がかかるかもしれません。ですが、こうした地道なアプローチこそが、長期的に見て効果的な関係構築の形なのだと思います。
「今やっているマーケティングの仕事は、本当に顧客のためになっているだろうか?」
この本を読んでいると、改めてそんなことを考える機会になります。マーケティングに携わっている方が現在の仕事のやり方を見直す、良いきっかけに、この本はなるかもしれません。
今の時代のマーケティングが、基本からしっかりわかる!
すでにマス・マーケティングの時代は終わって久しい。
これからは、自社あるいは自社製品を知らしめるために大枚をはたいて広告宣伝するのではなく、お客さんのほうから「見つけだされる」ことが重要だ。
WEBを利用してのマーケティングが主流になりつつある今、知っておかなくては取り残される、お金ではなく、知恵を使って「見つけだされる」ための秘策を満載。
アマゾンキンドルで大評判を博した「INBOUND MARKETING REVISED&UPDATED」、待望の日本語版。
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