近年の企業広告は、単なる宣伝を超え、キャラクターやストーリーを通じてファンを生み出す存在へと変化しつつある。「au三太郎」「日清紡」「ゼスプリ」「アイフル」などの具体的な成功事例から、どのような手法で広告からファンを生み出しているのかを分析・考察していく。
昔話のキャラクターが現代に蘇る「三太郎」シリーズの魅力 | au

ストーリー性の高さとキャラクターの日常を描く連続ドラマのような構成やヒット曲も相まって、多くのファンを獲得した。CMを超えた情感や共感を生むコンテンツとして評価されている。
TVCM│Pontaパス「アゲアゲの店」篇
豊富なCMラインナップ
三太郎たちの笑顔溢れる「笑おう」篇や「みんなつくろう」をテーマに浦島太郎の家のアイデアを募集するCM、浦島太郎の名前の由来が明かされる「家族を話そう。」篇など
ストーリー展開
各キャラクターの関係性や日常を描くことで、連続ドラマのような楽しみ方ができる構成
音楽
桐谷健太さんが歌う「海の声」など、CM内で使用される楽曲もヒット
反響
auが史上初の9連覇を達成多彩なキャストが登場する「三太郎」シリーズが好調
TVCM │ auガラホ「海の声」篇
視聴者からの声
・滅多にCM見なくて、ふとつけていたら流れてくる音が素敵で見入ってしまいました。
・映像作品において音楽の重要性を改めて認識できるいいCMです。
【au三太郎】新キャラに桃ちゃん&かぐちゃんの子“桃姫”!村山輝星が初登場 もーりーしゅーとがCMソング 新CM「つながる歌」編
視聴者からの声
・三太郎大好きだし、CMソングが森兄弟だし、めっちゃ可愛くて元気出る曲で、なんか涙出てきた
・森兄弟の歌をテレビでたくさん聞けるなんて本当にうれしい
分析・考察
CMの魅力として、まずストーリー性の高さが挙げられる。各キャラクターの人間関係や日常を描く連続ドラマのような構成、桐谷健太が歌う「海の声」などのヒット曲は、コンテンツの魅力から多くのファンを獲得した。
視聴者からの反響も大きく、CMの音楽やストーリーに感動したという声が多く寄せられた。ストーリー性の高さと楽曲の良さが相まって、CMという枠を超えて視聴者に情感や共感を与えるコンテンツとなったと考えられる。
BtoB企業が消費者に響く理由 | 日清紡
日清紡はBtoB企業として消費者認知度の低さが課題だったが、キャッチーな歌詞とメロディーのCMで認知度向上に成功。さらに採用活動にも好影響を与え、ブランド価値も向上した。
歌おう!ニッシンボー 「うま」篇
個性的なメロディーとフレーズ
・「♪日清紡 名前は知ってるけど~何をやってるかは知らない〜」というインパクトのある歌が話題
・2024年のCM「歌おう!ニッシンボー:ネコ篇」が2024年7月度の新作CM好感度ランキングにて総合1位を獲得
企業認知度の向上
BtoB企業の日清紡は、一般消費者への日清紡はBtoB企業ということもあり、一般消費者の認知度は低く、採用活動などで苦戦していた。このCMは一般消費者の認知度向上を目的として実施された。
反響
歌おう!ニッシンボー 「ネコ」篇
視聴者からの声
SNSを中心に「メロディーが頭から離れない」等の声多数
CMの効果
新卒採用応募者の約20%がCMをきっかけにエントリー、採用活動にも好影響を与える
分析・考察
日清紡はBtoB企業として消費者への認知度が低いという課題を逆手に取り、キャッチーな歌詞とメロディーCMで企業認知度を向上させた。さらに採用活動にも好影響を与え、応募者の約20%がCMをきっかけに応募したことから、CMが認知度向上だけでなく、企業イメージの向上や人材確保にも繋がっていることが分かる。日清紡のCM戦略は、BtoB企業が消費者向けの広告を通じてブランド価値を高めることに成功したと言える。
堅い業界イメージを打破したCM | アイフル
アイフルのCMシリーズは、ユニークな設定と展開で、ブランド認知度向上と親しみやすい印象を両立させ、金融サービスの堅いイメージを打破した。
アイフル「カンフー女将」篇テレビCM【公式】
インパクトのあるキャッチフレーズと個性派俳優の起用
女優の大地真央さんと俳優の今野浩喜さんを起用したCMが多くの人々の記憶に残り、アイフルのブランド認知度向上に寄与
反響
アイフル「鮨屋の大将女将」篇 テレビCM【公式】
CM総研の「消費者を動かしたCM」に選出
分析・考察
このCMシリーズは、キャッチフレーズ「そこに愛はあるんか?」「愛がいちばん。アイフル」を軸に、女優の大地真央さんと俳優の今野浩喜さんを起用し、角刈りで寿司屋の女将というユニークな設定で展開されている。その結果、多くの人々の記憶に残るCMとなり、アイフルのブランド認知度が向上した。
SNS上では「死ぬほどシビれた」「何でも似合う」といった反響が多数寄せられ、消費者に強い印象を与えた。CMのユーモアと大地真央さんの演技力によって金融サービスという堅いイメージが打破され、親しみやすさとブランドの信頼感を両立した魅力あるCM展開となった。
シンプルで強烈!CMが関西の日常に溶け込む | 551蓬莱
551蓬莱のCMは、関西地方で広く認知されており、地域密着型の広告として高い認知度と親近感を得ている。
【関西人が好きな関西ローカルCM】関西で知らない人はいない?「551蓬莱」 551の豚まん ある時ない時リビング篇・アイスキャンデー 夏祭り篇
耳に残るキャッチフレーズ
「551があるとき~!」「ないとき~…」というシンプルなフレーズは、関西出身者が他地域でこのCMを目にすると、故郷を思い出すきっかけとなるなど地域密着型のCMとして成功
反響
ORICON NEWSの「好きな関西ローカルCM」1位
分析・考察
CMのキャッチフレーズはシンプルながらも強烈なインパクトを持ち、いまや関西地方では日常会話にまで浸透している。関西地方で認知度の高いお笑いタレントのなるみさんを長年起用し、明るく親しみやすい雰囲気を醸し出している点が特徴的である。CMは豚まんなどの主力商品を紹介するだけでなく、関西人にとって郷愁を誘う存在としても機能しており、ORICON NEWSの調査やSNS上の反応からも、CMが地域の文化や生活に深く根付いていることが分かる。このCMは、地域密着型の広告として高い認知度と親近感を獲得し、ブランドロイヤルティを強化した成功例と言えるだろう。特に、長年にわたる一貫したキャラクターとフレーズの使用が、消費者との強い結びつきを生み出している点が秀逸だ。
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キャッチーな歌と地域密着型CMで抜群の親近感 | ヒガシマル醤油
キャッチーな歌と地域密着型CMで抜群の親近感 | ヒガシマル醤油
