総合かぜ薬「ルル」を販売する第一三共ヘルスケアは、11月17日から30日まで、東京メトロ銀座線の特別仕様車をまるごと装飾するトレインジャック広告「ルルが広告したいもの」を展開した。車内に「太陽」や「みかんの白いところ」といったフレーズを並べ、かぜをひかないために身近でできることを伝えるデザインが特徴となっている。


第一三共ヘルスケアは掲出にあわせて、全国の20〜60代の男女500名を対象に「かぜに関する実態調査」を実施。結果、一年の中で最も前月比でかぜが増加するのは11月から12月であることが判明した。また、約6割が「かぜをひいても仕事や学校を休まない」と回答しており、体調を崩しても休みにくい生活者の実態が浮かび上がった。
こうした状況を踏まえ、重症化を防ぐ予防行動の必要性を伝えることが今回の広告展開の背景になっている(出典:第一三共ヘルスケア「かぜに関する実態調査」)

株式会社電通コミュニケーションクリエイター/PRプランナーの北浦俊氏によれば、本企画の検討が始まったのは2025年6月頃からで、一年を通して特に風邪が流行しやすい10月から12月の時期に向けて何か発信ができないかという議論が出発点になったという。風邪をひいたときはもちろん、日頃から備えて寄り添う常備薬としてのルルにできることは何かをテーマに、議論を重ねながら企画を形にしていった。
媒体選定では、ルルのブランドカラーであるオレンジ色が映える空間を求めて検討を進めるなかで銀座線レトロライナーに行き着いた。銀座線には日々忙しいビジネスパーソンが多く、「風邪をひいてつかわれるのは嬉しい」だけでなく「風邪をひかずにつかわれない冬のほうがもっと嬉しい」という常備薬ならではのメッセージとの親和性も高いと判断したという。

クリエイティブについて北浦氏は、一般的には商品やブランドそのものをアピールするのが広告である一方、今回の企画では「ルル自身ではなく、ルルが広告したいもの」を届ける構造にしたことで、結果としてルルらしい温かさややさしさが自然と伝わる設計を意識したと語る。また、風邪予防として持ち帰ってもらうためにも、一度見たら忘れない記号性を備えた言葉をメインコピーとして並べたことが、デザイン面での大きなポイントになっている。

車内空間の監修には、ハピコワクリニック五反田の岸本久美子院長が携わり、生活の中で意識すべき予防ポイントを乗客の視界に自然に溶け込む形で構成。商品訴求よりも生活者の健康を願う姿勢を前面に置いたメッセージが印象的な広告展開であった。

