名古屋鉄道株式会社と電通名鉄コミュニケーションズは、廃棄予定のビニール傘を使ってオバケ型の中吊り広告を制作し、名鉄3300系の特別車両に掲出するプロジェクト「GHOSTrain(ゴーストレイン)」を2026年6月21日から開始した。「中吊り広告を見上げ(うえむく)ることで世の中が明るくなる(うわむく)」をコンセプトにした「うえむくとうわむくプロジェクト」の第二弾にあたる。

日本のビニール傘消費量は世界1位で、複合素材のためリサイクル率が極めて低く、廃棄に伴うCO2排出が課題となっている。鉄道の忘れ物の筆頭は傘であり、名鉄への遺失物として届いた傘の返還率もたったの1割程度にとどまっているという。今回のプロジェクトは、こうした「捨てられた傘」の社会問題と鉄道の課題に対する取り組みとなっている。
オバケ中吊りは、遺失物として届いた廃棄予定のビニール傘をそのまま加工して制作。置き忘れられた傘の恨みと環境問題をチャーミングなオバケキャラクターで表現したもので、3300系1編成の特別車両に掲出し、7月12日まで運行する。名鉄名古屋駅改札内(南改札口付近)ではピールオフ広告も展開し、6月22日から29日の期間中、来場者が広告からオバケキャラのシールを剥がして持ち帰れる体験型の仕掛けになっている。自分の傘にシールを貼ることで傘への愛着を高め、「忘れないようにしよう」という意識を自然に促すことを狙っている。また、6月21日には特設サイトが公開され、6月26日にはコンセプトムービーも公開予定となっている。
ピールオフ広告とは、ポスターに貼られたおまけやサンプルを剥がして持ち帰れる広告。「目を引くための仕掛け」や「ノベルティの配布」に使用されることが多い。

今回は剥がしたシールを自分の傘に貼ることで、自分の傘の目印になり、「この傘を大切にしよう」という意識を自然に生み出す使い方になっている。啓発のメッセージを読ませるより、体験させることで行動につなげている。中吊りで問題に気づかせ、駅のピールオフで行動まで完結させる流れが、電車→駅という動線上でうまく組み合わさっている。

