5カ所を全てオリジナル内容にすることで話題化
事例の1つ目がTBSラジオの電柱広告。
TBSラジオ内の新番組にて、電線愛好家として知られる石山蓮華さんがパーソナリティを務めることになり、「電線にちなんで、電柱で何か出来ないか”」と木村氏に相談が入ったことが設置のきっかけだという。

【実際に設置された電柱広告。木村氏のInstagramより引用】
こちらの企画では、石山さんが卒業した大学の前や、小さいころに過ごした街を中心に計5箇所を選定。
広告内にQRコードを設置し、QRコードを読み取ると、その電柱の電線を石山さんが解説してくれる内容になっている。5カ所を全てオリジナル内容にすることで、巡りたいと思っていただけたこともポイントの1つだ。
「電柱広告設置後、ラジオのリスナーが電柱を巡ってSNSに投稿する様子が多数みられました。」と木村氏は話す。
特に、全ての電柱で異なる解説コンテンツを掲載したことで、制覇したいと思わせる仕掛けが秀逸だ。電柱広告の特徴であるゲーム性を上手く取り込んだ事例といえる。
結婚相談所へ行く前に訪れる場所とは?
事例の2つ目が株式会社ナウいの電柱広告。
エリア密着で商圏が決まっていることが多い結婚相談所だが、こちらの事例で興味深かったのは「縁結び」に関連した場所で電柱広告を実施した点が挙げられる。
例えば、縁結びの神社近く、飲み屋が多く立ち並ぶ渋谷横丁、恵比寿横丁などの近くなど“ご縁”や“出会い”に関連したマインドを持つ方が多く訪れる場所だ。
さらに興味深いのは、“縁切り神社”近くの電柱で広告を出した点にある。
「こちらの事例では、縁結びの神社の他に、縁切り神社の前の電柱にも広告を設置しています。縁を求めて動かれている方が、実際にどのような行動をするかを調査したところ、縁結びの神社に行く前に1回リセットを兼ねて縁切り神社に足を運ぶ方が一定数いらっしゃる事が分かりました。そういった方に電柱広告を通して、良いご縁を提供するメッセージを発信しました。」と木村氏は話す。

【東京都豊島区にある結婚相談所様の電柱広告。木村氏のInstagramより引用】
実際に設置後、縁切り神社近くで電柱を見た方が、その足で結婚相談所を訪れるケースもあるそう。場所の自由度が高い、電柱広告ならではの事例だ。
ちょっとした宝探し感覚で話題化
事例の3つ目があいみょん「初恋がないている」のリリースに合わせた電柱広告。

【実際に設置された電柱広告。木村氏のInstagramより引用】
こちらの企画は、曲の歌詞にある象徴的なフレーズ「電柱にぶらさがったままの初恋は痺れをきかして睨んでる」にちなんだものとして展開。京都を除く全国46都道府県の電柱に設置された。
特設サイト内にて掲出場所のヒントを公開し、実物を探し出したファンが電柱広告の発見報告を発信した様子が多数みられた事例だ。全国のファンが“電柱広告を探す”シチュエーションを作り出した点がポイントだといえる。
実物を撮影してシェアする動きも多数みられたが、木村氏によると「場所を明示しなかったことで、電柱を見たくても見つけられない方が一定数いらっしゃいました。既に見つけた方が、まだ見つけられていない方に場所のヒントを教え合うコミュニケーションが発生していたことが、この事例の大きな特徴です。」という。
こちらの施策では、全国で設置することで誰もが実物を見れるようハードルを下げた点は興味深い。また、場所を伏せることで、ちょっとしたファンイベントのような形で受け止められたこともこの施策のポイントといえる。
ここまで、場所の自由度が高い特性を生かした事例や、ちょっとしたファンイベントのような見せ方でSNSで話題化した事例を見てきたが、木村氏によれば電柱広告は“業務改善”や“WEB検索”にも活きてくるという。
後編では、知られざる電柱広告の副次的な効果について紹介していく。
