個室のベビーケアルーム(授乳室)で広告が出せることをご存じでしょうか。
広告が出せる、ベビーケアルーム「mamaro(ママロ)」は簡易設置型で完全個室のベビーケアルーム(授乳室)として、全国各地の商業施設や公共施設などで展開されています。プライバシーが保たれた鍵付きの個室が特徴で、授乳やオムツ替え等のベビーケアに使える利便性から多くの子育て世代に利用されています。
今回は、mamaroを使って広告を出稿したライオン株式会社の小林氏に話をお伺いしながら、mamaroを運営するTrim株式会社の石川氏とともに、ライオンにおけるmamaroへの広告出稿の目的や選定ポイント、媒体の魅力を紐解いていきます。
ターゲット層へのコミュニケーション手段を模索
編集部:これまでのご経歴をはじめ、現職でどのような業務をされているのか、簡単にお伺いできますか。
小林(ライオン):私は広告会社からキャリアをスタートしました。数社勤めた後、ライオン株式会社に2018年から勤めています。ライオンでは、「キレイキレイ」と「hadakara」のブランドコミュニケーションを担当しています。
製品情報を消費者に届けるための顧客体験の設計・メディアプランニングから出稿・成果の振り返りまでを実施しています。
【ライオン株式会社 CXプラン二ング ブランドコミュニケーショングループ 小林由華氏】
石川(Trim):私も広告会社からキャリアをスタートしており、メディアなどで数年務めた後、1年半前にTrimに入社しました。現在はmamaroの広告事業を担当しています。
mamaroは、授乳やおむつ替えなどが出来る完全個室のベビーケアルームで、商業施設や公共施設を中心に広告掲載ができるmamaroは42都道府県で381台設置しています(※2024/3/18時点)
mamaro内は1畳ほどのスペースとなっていますが、そのスペース内に設置しているモニター(mamaro view、ママロビュー)があります。mamaroの使用方法や育児のお役立ち情報などのコンテンツが見られるようになっており、そちらと併せて広告の配信が出来る仕組みとなっています。
【Trim株式会社 セールスチーム 石川直也氏】
編集部:ライオンが取り扱う商品は多岐にわたると思いますが、今回はどの商品でmamaroに広告を出したのですか。
小林:今回、mamaroで広告を出したのはハンドソープの「キレイキレイ 薬用泡ハンドソープ」になります。
数年前はテレビCMを中心にコミュニケーションを行っていましたが、2023年は、製品がリニューアルをしたことによって「殺菌ベール処方」という機能が加わり周知していくことが必要、的確にターゲット層を捉えられるデジタルの広告や、小児医療施設でのサイネージの出稿等行ってきました。
そんなタイミングでTrimさんにお話を頂き、ながら見等ではなく、授乳中の子供を大事にしている時間に接触できるなど、授乳時間に目の前のモニターで広告を見ることで質の良い広告体験がさせられる個室のベビーケアルームという他にない媒体であることと、Trimさんの活動の社会的な意義への共感と、ブランド体験の場として良い情報を提供できるmamaroに広告を出稿しました。
【mamaro内で放映した動画(左)、タッチ&トライ形式で設置したハンドジェル(右)】
石川:施策は2023年10月〜2024年2月末までの5カ月間、全国のmamaroを使って実施いただきました。mamaro viewを使った動画配信とmamaro内に「キレイキレイ」のハンドジェルを設置し、タッチ&トライ形式で実際に商品を体感できる形をとりました。
編集部:mamaroで「キレイキレイ」の広告を出した意図をお伺いできますか。
小林:今回、リニューアルで「殺菌ベール処方」が加わったことにより、“殺菌意識を持たれている方”をどう捉えていくかを重要視していました。訴求が特に刺さりやすいターゲットとして小さいお子様を持つママ層が想定されました。
私自身の経験もあるのですが、0歳や乳幼児の子供は免疫が低くて病気にかかりやすく、親のマインド的に「何かしらに触れたら消毒しておこう」という清潔意識が常にあったんですね。そう考えた時、mamaroを利用する層と相性が良いのではないかと思ったのです。
石川:私も経験しましたが、子供が生まれてすぐのタイミングはしょっちゅう手を洗うよう意識していた記憶もありますし、両親や友人が遊びに来た時にちゃんと手を洗ってから触れ合うように言っていましたね。その意味でも乳幼児のタイミングでは、とても殺菌意識が高かったと記憶しています。
「内鍵が掛けられる」個室空間が広告を印象づける
編集部:広告媒体としてのmamaroの特徴をお聞きしたいと思うのですが、そもそも利用者の方はどういった方がいらっしゃるのですか。
石川:mamaroは性別問わずに利用できるので、男性でも安心してミルクをあげたりもできるのですが、ベビーケアルームという特性上、ご利用いただいている方の9割程度がお子さま連れの女性です。親の年齢で言うと20〜30代、子供の年齢で1歳未満の赤ちゃん連れが多くを占めます。
【mamaro利用イメージ】
1度mamaroをお使いいただくと、また使いたいとおっしゃってくださる方が9割以上と、ほとんどの方に満足頂いています。利用者に評価いただいている点をヒアリングすると、授乳やおむつ替えなど、快適にベビーケアを行っていただける設備が揃っている事はもちろん、内鍵が掛けられる完全個室の空間であることを挙げて頂く事が多いですね。
編集部:確かに、ベビーケアルーム自体はあっても、カーテンやパーテーションの仕切りだけ置かれたプライベートが守れない施設は多いですよね。後ろから覗かれたりしていないか、多少の警戒感があったり。
小林:mamaroのように外出先で完全個室の空間って貴重ですし、周りの目を気にせずに、落ち着いて子供のことだけを考えられる環境が良いですよね。外出中に子供を連れた状態で、腰を据えてゆっくりする時間って中々取れないと思いますし、その点でもちょっとした空き時間にうまく入り込める媒体だと感じています。
石川:そうですね。広告の視聴環境としては最適だと思っています。mamaro viewは利用者の目の前に設置されたサイネージなので、そもそも動画を見て頂きやすい環境ではあるのですが、実際、弊社で実施したブランドリフト調査でも広告接触者の広告想起率(広告を「見た」と回答した人の割合)が64%と非常に高い数値が出ています。
小林:視聴態度は重要だと思っていて、媒体によっては広告が流れ始めたタイミングでスマートフォンを操作したり、ちょっとトイレ行ってみたりと、広告が流れていた事実はあっても動画自体を視聴者が認識していないケースもあります。
その点、mamaroは赤ちゃんを抱っこしながら目の前で動画が再生される特性上、コンテンツを意識しやすい環境であると考えています。また、個室空間で“授乳中”という、子供に対して意識が傾いているママにコミュニケーションできる点はmamaroならではだと思っていますね。
実際に消費者がハンドソープを購入するタイミングで、候補の1つに入り込むことがとても重要だと考えています。例えば、特にこだわりなくハンドソープを買っていた方が、次に店舗へ行ったタイミングで「キレイキレイ」を見つけて「この前動画見たな。1回買ってみよう」と頭によぎるだけでも違いますよね。
石川:その意味でも「そういえば、どこかでキレイキレイの広告見たな」と印象付けるには適した環境だと思いますし、意識が子供に向かっている中での視聴になるので、子供に紐づけて覚えておいてもらえる点も魅力です。
自分中心から子供ファーストに変化するタイミングを狙う
小林:これは私の経験でもありますが、子供が0〜1歳くらいでベビーケアルームを使っていた時期って、自分中心から子供ファーストに代わっていくタイミングでした。言い換えると、自分の好みも大事にしつつも、子供と一緒に使えることを選択軸に持つようになったタイミング。そう考えても、mamaroを利用される方ってまさに色々変わり始めている時期なので、情報に対する感度も高いと感じています。
石川:私の家庭の話にはなりますが、子供が生まれたすぐのタイミングは何がいいのか探す意味でも色々モノを買っては試していたので、ずっと使っていたものが変わるタイミングでもあるのかなと思っています。
小林:確かに。ハンドソープ1つとっても、例えば友人は子供が生まれる前は香りなどが付いているちょっとお洒落なハンドソープを使っていたのですが、今はハンドコンディショニングソープを使っています。見た目がシンプルで、自分の好みも大事にしつつ、子供と一緒に使えるものです。私も思い返してみれば、選択軸に子供が入ってきた事で、まるでスイッチが入ったかのように子供関連の情報に意識が向くようになりました。
そういう意味では、mamaroに似た媒体として産婦人科で動画を配信できるサイネージもありますが、子供を産む前と産んだ後では、育児生活も全く違いますし関心を持つ内容が異なるように思っています。
編集部:実際にmamaroで出稿されている広告はどういった商品・サービスが多いのですか。
石川:ライオンさんのように衛生商材の広告や、最近は保険会社様に出稿いただく事が多いですね。ライフステージが変わるタイミングであったり、大きな買い物をする機会が多い時期でもあるのでこの辺りはマッチしていると考えています。また、ベビー・キッズ用品だけが相性の良い商材だと想起されがちなのですが、それに限らず20〜30代女性向けのアパレルの出稿もありますし、化粧品なども相性は良いかと思います。
フードデリバリーや冷凍食品などの忙しい子育て世帯の時短ニーズを満たすサービスや商品も引き合いが多いですね。
mamaroでは広告1枠あたり最長60秒としています。きっちり商品の特徴を説明したいとか、少し長めのブランドムービーなども相性は良いですね。あとは、利用者にとって有益という視点から、子育てHow to動画も良いと思います。
編集部:2024年度の展開はどのようにお考えですか。
小林:2023年に実施したmamaroの広告では、15秒動画を組みあわせて30秒にして配信しました。ただ、テレビや動画配信サービスなどでコンテンツを見る環境とmamaroで授乳中に見る環境は大きく異なっており、響くクリエイティブも異なると考えています。なので、mamaroに適したクリエイティブを制作して実施することを検討したいですね。
Trimさんが掲げている理念「よりよい子育て環境を提供する」(※2023年11月、Missionを改定)や「All for mom. For all mom.」というメッセージが素敵だなと思っていまして。先ほど“殺菌意識”を持つ方に向けてといった話はしたのですが、もともと「キレイキレイ」自体、О-157の流行をきっかけに家族の清潔衛生習慣を普及・啓発する社会的使命を元に生まれたブランドということもあり、目指したい方向性は近いと思っています。今後も出稿していければ、何か良い化学変化が生まれるのではないかと感じていますね。
ライオン株式会社 CXプラン二ング ブランドコミュニケーショングループ 小林由華氏(左)
Trim株式会社 セールスチーム 石川直也氏(右)
“よりよい子育て環境を提供する”をミッションに事業を展開するTrim株式会社が提供するベビーケアルーム「mamaro」。今回は、ライオン株式会社のハンドソープ「キレイキレイ」の事例を通して、広告出稿先としての魅力を深堀してきました。mamaroが提供する子育ての合間にほっと一息つける時間は、視聴数や配信単価では測れない価値があるように感じます。本記事でmamaro viewに興味を持たれたご担当者様は、mamaro媒体ページからお気軽にお問合せ下さい。
提供:Trim株式会社
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