プロモーションとは | マーケティング4P、PRとの違いなど

日本国内における1年間の総広告費は2020年で6兆1,594億円、2019年では6兆9,381億円と言われています。2020年こそ新型コロナウイルスによる緊急事態宣言などの影響もあり、大きく前年より減少する結果となりましたが、国内の総広告費は2011年以降、2019年まで増加し続けていました。

出典:2020年日本の広告費より日本の総広告費の推移-株式会社電通

企業のマーケティングにおいて非常に重要な要素であるプロモーション。時に広告宣伝と訳されることもあるプロモーションですが、マーケティング業界においては更に広義に解釈されています。

今回はそんなプロモーションについて、そもそもプロモーションとは?といったところから、プロモーションと販促活動の違い、プロモーションの手法などまで徹底的に解説していきます。

プロモーションとは?

企業のマーケティングにおいてよく耳にする『プロモーション(Promotion)』。

しばしばセールス・プロモーション(販促活動)と同義語として使用されることもあるプロモーションですが、マーケティング業界においては、所謂『販促活動』と『プロモーション』は区別されています。なお、後ほど詳しく解説しますが、販促活動や広告、PRなどはプロモーションの一部に含まれます。

それでは『プロモーション』とは一体どのような行為を指すのでしょうか。

プロモーションについて正しく理解するためには、その前に『マーケティング』に関する知識が必要になります。マーケティングを理解する上で、マーケティングにおけるプロモーションの位置づけを知ることがプロモーションの理解にも繋がってきます。

それでは、まず『マーケティング』について簡単に解説していきます。

4Pで定義されるマーケティング

マーケティングもプロモーション同様、販促活動と同義として誤解されているケースが見受けられます。マーケティングは簡単に言うと「4つの観点から商品・サービスの売れる仕組みを作ろう!」という考え方です。マーケティングにおいてこの『4つの観点』をそれぞれの頭文字を取って4Pと呼びます。

このマーケティングにおける4Pは、アメリカの経済学者ジェローム・マッカーシーが1960年に自身の著書『ベーシング・マーケティング』にて提唱した考え方で、約60年以上経過した今日でもマーケティングにおける基本的な考え方として幅広く認知されています。4PとはProduct、Price、Promotion、Placeのそれぞれ頭文字で、ジェローム・マッカーシーによると、マーケティングに関する様々な過程は、この4つの工程に分けられるそうです。

マーケティングにおける4P(4つの観点)

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Promotion(プロモーション)
  • Place(流通)

この4Pに当てはめて考えると、マーケティングは『どのような商品を、どのような価格で、どのようなプロモーションと、どのような流通経路を使って販売するか、を考える行為全般を指す。』と定義できます。つまり、プロモーションとは商品・サービスを企画、販売する中での1つの工程と言えるわけです。

とは言え、『Promotion』に対して『プロモーション』と訳してしまっていては、プロモーションを正しく理解することは難しいかと思います。具体的に『プロモーションとは?』という部分を、プロモーションと販促活動・PR・広告との違いなどを解説していきます。

プロモーションと販促活動・PR・広告の違い

プロモーションという言葉はしばしば販促活動と訳されることがあります。プロモーションはそれ単体で単語として利用されることが多いですが、その意味は1つの単語に置き換えられるものではありません。

マーケティング業界においてプロモーションは、販促活動を含む商品・サービスの販売に関する戦略部分を包括的に指す言葉として利用されています。つまり、プロモーションは販促活動以外の行為(販売戦略)も含んだ、マーケティングにおける重要な要素と言えます。

プロモーションは、広告・PR・セールスプロモーション(販促活動)・人的販売と大きく分けて4つあります。この4つはそれぞれがプロモーションの一部ではありますが、そのどれもがプロモーション自体を表している訳ではありません。それぞれがプロモーションの手法の一部で、マーケティングにおいては自社の商品・サービスがどのプロモーション手法が最適か、を考えて実施する必要があります。

それではプロモーションの4つの手法について、代表的な例を挙げながら詳しくその特徴やメリットなどを解説していきます。

プロモーションの手法

前述の通り、プロモーションには大きく分けて4つの手法があります。

広告・PR・セールスプロモーション・人的販売の4つに分けられるプロモーションですが、4つ全てを常に利用するという訳ではありません。もちろん場合によってはいくつかのプロモーションを併用する戦略も有効ですが、ほとんどの場合、4つの手法から最適なプロモーションを選び取る形となります。

それぞれに特徴・メリット、デメリットがあるため、自社の商品・サービスに最適なプロモーション手法をその都度選択することが重要です。

広告

広告とは、企業の認知度向上やブランディングの際に利用されるプロモーション手法で、主にテレビや新聞・雑誌などのマスメディアはもちろん、DMやサンプリング、Web広告なども含まれます。

認知度向上という非常に重要な役割を担っている反面、不特定多数にリーチする必要があるため、コストが大きくなる点が特徴の1つです。

DM(ダイレクトメール)

DMは消費者の自宅(もしくは企業)に直接広告物を郵送で送付するオフライン広告の一種です。DMは主にエリアターゲティングや消費者の年齢・職業・趣味などの属性などで詳細なターゲティングを行った上で広告物を配布する手法です。

消費者の手元に直接送付する広告物の中にはポスティングが折込チラシなどといった広告手法も存在します。DMはポスティングや折込チラシに比べると広告物を自由にデザインできる点がメリットの1つです。

DMには、ハガキDM、封筒DM、郵送DM、電子メールDMなどがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。DMについては下記記事で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。

DM(ダイレクトメール)とは?DMの種類やメリットについて徹底解説!

サンプリング

サンプリングは試供品(サンプル)を直接消費者に配布するオフライン広告の一種です。

消費者に商品を実際に使用してもらうことで、商品に対する信頼感が増すため、購入への心理的ハードルを下げる効果が期待できます。サンプリングも消費者に対して直接商品の訴求を行う手法です。

サンプリングは、見込み顧客が多く集まる施設やその他の流通ルートを利用して試供品を配布するサンプリング手法での1つで、最近ではサンプリングの中で最も多く利用されています。その他にも消費者に試供品を直接手渡す街頭サンプリングや、Webで資料請求などを行った消費者に対して試供品を発送するWebサンプリングなどがあります。

サンプリングについては下記記事で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。

サンプリングを使った広告・プロモーションとは? | サンプルを配布して実際に試してもらう広告手法

Web広告

Web広告とは、インターネットを利用した広告手法で、Webサイトや検索エンジンなどに表示される広告物全般を指します。Web広告の多くは、大手検索エンジン(Google、Yahoo!)のデータを利用して広告配信を行います。

そのため、ユーザーの年齢・性別、趣味・志向、場合によっては居住地などの情報を元に詳細なターゲティングが可能です。消費者の情報は非常に重要ですので、多くのユーザー情報を参照できるWeb広告は、様々な業種・業態の企業にとって有効な広告手段の1つです。

Web広告には様々な広告形態がありますが、代表的なものとしては、ディスプレイ広告とリスティング広告の2種類が挙げられます。どちらも検索エンジンを利用した広告手法で、ディスプレイ広告はWebサイト上に広告表示を行い、リスティング広告は検索エンジンの検索結果に広告表示を行います。

ディスプレイ広告では商品・サービスの購入を検討していない潜在層へのリーチが得意で、対してリスティング広告は検索ワードに紐づいた広告表示となるため、商品・サービスの購入を検討している顕在層へのリーチを得意としています。

Web広告については下記記事で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。

WEB広告とは?その種類や課金方式、概要について徹底解説!

PR

PRとはパブリック・リレーションズの略称で、広告主が直接的に広告宣伝を行うのではなく、第三者を介して広告宣伝を行うプロモーション手法のことを指します。

具体的にはテレビや雑誌などのメディアで商品・サービスを取り上げられる方法や、インフルエンサーにSNSを通して発信をしてもらう方法などが主流です。

消費者に近い第三者の目線から商品・サービスの広告宣伝を行うため、消費者の信頼が高くなることや、広告に比べると圧倒的に費用が安いことなどが特徴です。

セールスプロモーション

セールスプロモーションは販売促進活動とも訳される、消費者の購買意欲に直接的に働きかけるプロモーション手法のことを指します。具体的にはインストアプロモーションやWebを使ったセールスプロモーションなど様々な手法が利用されています。

インストアプロモーションとは店舗や施設を訪れた消費者に直接商品・サービスの訴求を行うセールスプロモーション一種です。インストアプロモーションでは、見込み顧客の中でも商品・サービスの購入を検討している顕在層へ直接訴求が可能。そのため、店頭プロモーションとも呼ばれ、実店舗を持つ企業にとってはマーケティングの一環として重要視されています。

インストアプロモーションについては下記記事で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。

インストアプロモーションって何?リアル店舗ならではの広告のメリットや特徴を徹底解説!

人的販売

人的販売とは、人の手で直接見込み客に対してアプローチするプロモーション手法のことを指します。一般的なセールスマンが担当している営業活動が主にこの人的販売に該当し、具体的にはキャッチセールや実演販売、ダイレクトコールや展示会への出店などが挙げられます。

主にプッシュ型と呼ばれる営業活動全般を指すプロモーション手法で、人的コストがかかることや、予め見込み客を詳細に選定する必要があることなどが特徴です。

まとめ

プロモーションという言葉はマーケティング業界でよく耳にする言葉です。元々は『助長』、『推進』、『奨励』などを表す『Promotion』という英語ですが、マーケティング業界においても広義に解釈されているため、理解せずに利用している人も少なくない言葉でもあります。

プロモーションを考える上で重要なのがマーケティングの定義です。マーケティングは、4つのPからなる『商品・サービスをより良く販売する仕組み作り』に関する行為全般を指します。

マーケティングにおける4P

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Promotion(プロモーション)
  • Place(場所)

どのような商品を、どのような価格で、どのようなプロモーション活動を通して、どのような場所で販売するか。この考え方や行為全般がマーケティングと定義されています。

プロモーションは広告・PR・セールスプロモーション・人的販売の4つに大きく分類されます。このセールスプロモーションが所謂販促(販売促進)活動に該当するため、マーケティング業界においてはプロモーション=販促という考え方は誤りと言えます。

この4つはそれぞれがプロモーション手法の1つですが、マーケティングにおいては自社の商品・サービスに最も適切なプロモーション手法を模索するという行為までを包括的にプロモーションと呼びます。

このようにプロモーションはマーケティングにおける戦略の部分を担う重要な要素となります。もちろん商品(Product)や価格(Price)、販売する場所(Place)などその他の3Pも同様に重要ではあります。プロモーションは自社以外のツールや媒体を利用することも多いため、予めどのような手法が取れるのかという選択肢を増やしておくことが重要です。

いざという時のためにも、広告宣伝におけるツールや媒体などの情報は積極的に収集しておきましょう。

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