インテントマッチ(部分一致)は多用しすぎないことがコツ
編集部:それではリスティング広告運用ついて色々とお伺いします。中小企業のリスティング広告運用担当者が共通してやれていないことは何がありますか?
田代:情報のキャッチアップはかなりやられているイメージはあるんですが、専門的な知識になるとどうしても理解に時間がかかってしまうので、専門性の高い設定の部分になると出来ていない方が多いと思いますね。
編集部:具体的にどのあたりができていない印象ですか?
田代:ターゲティングの種類やマッチタイプの違いについての理解はお持ちだと思いますが、何をどの順番でやればいいのか、というセオリー的な部分は悩んでいる方は多いのかなと。
例えばマッチタイプの話でいくと、インテントマッチ(部分一致)で拡張しながら進めていくことがGoogleの推奨にはなっていますが、初心者であれば完全一致とフレーズ一致の2つでキーワードの登録を進めていったほうが余計な費用もかからず良いと弊社では考えています。
しかし、Google推奨のままインテントマッチ(部分一致)での拡張を進めていく人が非常に多いです。

【マッチタイプの種類別特徴まとめ。インテントマッチ(部分一致)は登録したキーワードに関連する検索語句を幅広く収集するため関連性の薄い検索語句も拾ってしまうことが特徴。】
編集部:初心者にはあまりおすすめできないやり方なんですね。
田代:もちろん代理店さんによって考え方は違うと思います。
でもインテントマッチ(部分一致)から進めていくやり方は管理がしっかりできるならいいかもしれませんが、リソースも限られている中で管理はできないという方が多いのでおすすめはできないですね。
編集部:AIが賢くなったとは言え、人の手の管理はまだまだ必要そうですね。
田代:おっしゃる通り、最近では特にこのAIの賢さについては語られていますが、インテントマッチ(部分一致)では全然コンバージョンと関係のない検索語句を拾ってきてしまうことがまだまだあるため、一概にAIが賢いからほとんど任せても大丈夫でしょう、という考え方は危険です。
編集部:では初心者の方であればあるほど完全一致とフレーズ一致でスタートするほうがいいんですね。
田代:だと思います。
どうしてもインテントマッチ(部分一致)の場合は管理が必要になるので、そこまでリソースのない特に中小企業の方であれば、まずはコンバージョンの可能性の高いキーワードを完全一致とフレーズ一致中心で登録して確実にコンバージョンを取りに行くほうがいいですね。
ただ、始めて間もなくても、相当な自信があるのであればインテントマッチ(部分一致)を取り入れたやり方で進めていくのも否定はしません。
それでも管理とひと口に言っても、広告文の変え方によって拡張性は変わりますし、入札戦略によっても変わるので本当に最初は難しく感じてしまうと思います。
したがって無理にインテントマッチ(部分一致)を豊富に取り入れる必要はないですね。
編集部:インテントマッチ(部分一致)に拡張するタイミングはあるのですか?
田代:完全一致とフレーズ一致で登録を続けていると、やがて頭打ちになるときが来るのでそれがタイミングですね。
フレーズ一致もかなり拡張して色んな検索語句を拾ってきてくれるようにはなっていますが、それでもこれ以上拾ってこれないという時は訪れます。
その時に多少CPA(コンバージョン単価)が上がったとしてももっとコンバージョンを取りに行きたいと、いうフェーズであればインテントマッチ(部分一致)も取り入れていっていいかなと思います。
編集部:CPAに対してどのような考えを持てばよいのでしょうか
田代:利益率とか受注率とかそのあたりを計算したうえで、CPAをどれくらい上げてもいいのかを見る必要がありますね。
固定費がかかるような店舗の場合はどうしても数を稼がないといけないということで多少CPAに対して寛容な部分があると思うので、店舗かWEBかで考え方は変わりますね。
編集部:運用当初はCPAが上がりやすい傾向にあると思いますが気にしなくてもいいですか?
田代:そもそも完全一致とフレーズ一致で登録を続けていくと、そこまでCPAの高騰が起こることはないと思います。
むしろ、その2つでキーワード構成しているにも関わらずCPAが高騰している場合はすぐに対処したほうがいいです。
インテントマッチ(部分一致)で拡張させることを前提に運用を始めて、それでCPAが高騰してしまう場合は確かに焦る気持ちはわかりますね(笑)
ただここは自動入札か手動入札かで大きく変わりますが、自動であれば学習期間が約30日間必要と言われていますので、その期間内であれば焦る必要は特段ないかなと思います。
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おすすめは目標コンバージョン単価の設定
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