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【2024年3月版】ネットで話題となった面白い広告 | 爽やかブルーの新商品広告
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アドクロ編集部が毎月お届けする「ネットで話題となった面白い広告」。東京都内を中心に、SNS上でバズったり、話題になった面白い広告をまとめました。今回は2024年3月に話題となった広告8事例を紹介します。
37種の赤で感情を表現した広告
「スキップとローファー」単行本第10巻の発売に合わせて掲載された広告が話題となりました。
作中に出てくる赤面シーンの台詞を37種類の異なる色合いの赤に分けて大胆にデザイン。
「自分のことを好きな人が、気になる赤」や、「なんであんなこと言ったんだろう…の赤」、「悪気なくても、嘘つかないで…の赤」といった、ドキドキはもちろん、もやもや、イライラとした青春ならではの感情を表現しています。
作品の台詞を掲載する事例はたまにありますが、視覚的に歩行者の興味を引くデザインとなっています。
SNSでは、「感情が揺さぶられる台詞ばかり」、「赤くなったら青春って考えた人天才」など、読者はもちろん作品を知らない方へも共感を促すような広告で話題となりました。
また、公式Xでは、全種の台詞を公開しています。このようなリアル広告とSNSを連携させた宣伝が主流となってきているように感じます。
電車で座るための戦略を本気で考えると!?
マーケティングやコンサルティングのみずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が掲載した「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」の広告が話題となりました。
みずほリサーチ&テクノロジーズの分析力を活かし、実際のアンケートの数字を基に、どうしたら電車の中で座れるのか考えられた企画プレゼン風の広告となっています。
掲載駅には一部抜粋した資料の掲載ですが、なんと実際の総数は94枚にものぼります。
「見た箇所の続きが見たい」、「広告まで距離があり全部は読めなかった」という人へのアプローチとして、ホームページにすべての資料を掲載しています。
SNSでは、「始発の駅に住むのが一番」、「2時間前の電車に乗る」など各々の考察から、「ついつい読んで感心してしまう」、「こういうテーマでプロがど真面目に調査してレポートするの大好物」などの反響がありました。
マーケティングやコンサルティングといった業種は、モノを売っているわけではないので企業広告が難しいところがあると思いますが、普段どのようなことをしているのかを利用者全員共通の話題へ落とし込んだ攻めた広告でした。
こちらの事例は下記記事でも解説しています。
ウェザーニューズの配信かと思いきや…NETFLIX「三体」
NETFLIXが掲載したSF小説が原作のドラマシリーズ「三体」の広告が話題となりました。
ウェザーニュースとコラボしたCMで、実際にお天気キャスターをしている駒木結衣さんが明日のお天気を伝えると思いきや、「明日は...こないでしょう」と不穏なセリフから本編のCMが流れる広告です。
渋谷スクランブル交差点にある複数のビジョンをジャックして同時放映され、作品の人類存亡の絶望感を表現したCMとなっています。
SNSでは、「三度見した」「笑顔でそのセリフは余計に怖い」など、台詞のインパクトにさまざまな反響がありました。
現在の広告は、5秒で見るかスキップするか判断されるという見解もあります。はじめにインパクトをつけることで、「どういうこと?」と見ている人を考えさせる工夫が必要になってきています。当作品の広告は、その他のSNSでも情報を詰め込みすぎない考えさせるプロモーションを行っており、作品内の不穏な雰囲気に合わせた広告となっています。
こちらの広告について、2024/3/25週 渋谷OOH Reportでも解説しています。
渋谷のビルに突き刺さった-196ウーマン
Q'S WALL
サントリー株式会社が掲載したサントリーチューハイ「−196」の広告が話題となりました。
2005年から続くシリーズのリニューアル広告で、ビルを突き破ったかのような巨大ウォールステッカーと、「どかーん!」の文字でインパクトを残しています。同じビルの反対側には、足の部分のウォールステッカーが掲示されており、突き破ったビジュアルを細かく表現しています。
SNSでは、「突き刺さってる」「待ち合わせ場所にできる」などビジュアルのインパクトに反響をよんでいます。
ポスターではなく切り出されたステッカーのため、トリックアートのようにビルを突き破って3Dに飛び出て見える工夫が施されており、周りのビジョンや看板との差別化を図っている広告となっています。
「#環奈と乾杯」が出来るドライクリスタルの広告
アサヒビール株式会社が掲載したドライクリスタル「#環奈と乾杯」の広告が話題となりました。
『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』の新広告キャラクター橋本環奈さんを全面に押し出した広告です。先ほど紹介したスキップとローファーと同じ場所の掲載になりますが、こちらはインパクト再重視のシンプルな表現をしています。
QRコードを読み取ると、橋本環奈さんと画面を通して乾杯できる仕様です。現在、QRコードからホームページや特設サイトへ誘導するのは、よく使われる手法のひとつです。
ネットでは、「環奈と乾杯うれしい」「環奈ちゃんがついにビールの広告か」などの反響がありました。QRコードから乾杯した数は現在(※2024年4月)までに200万人を突破しています。
商品の写真も一切ない、アサヒビールの認知度と橋本環奈さんのタレント認知度があってこその宣伝方法でした。
切り替わったキリンビール「晴れ風」の広告
キリンホールディングス株式会社が展開する新ビール「晴れ風」の広告が話題となりました。
同社17年ぶりの新商品として2週にわたって大々的に広告展開されました。1週目は商品名を伏せて、新広告キャラクターの今田美緒さん、目黒蓮さんを全面に押し出し、2週目は商品名を公開、全面的に押し出しているビジュアルです。
ネットでは、「色も春らしい」「キャスティングも爽やか」などの反響がありました。都内だけではなく、各地方でも大規模に展開しており、新キャラクターのファンのみなさんからの投稿によりさらに拡散されています。
ホームページ、SNSでも複数プロモーション動画を公開しており、気合の入った宣伝となっています。
3月は平野さんが109をジャック!デジタルハリウッド大学、ボシュロムの広告
デジタルハリウッド大学、ボシュロム・ジャパン株式会社が展開する109の広告が話題となりました。
双方のイメージキャラクターを務める平野紫耀さんが連続でSHIBUYA109の広告に登場しました。3月中の渋谷109の広告をジャックする形に。一つ目のデジタルハリウッド大学では、隣のTSUTAYAでも似たような広告を掲載し、渋谷をジャックしていました。
ネットでは、「こんなことあるんですか!?」「渋谷に見に行かなきゃ」などの反響がありました。渋谷のシンボルである109の巨大広告はインパクト抜群です。
デジタルハリウッド大学ではホームページ、SNSでも複数プロモーション動画を公開、ボシュロムでは対象商品を購入して応募すると、「平野紫耀さんオリジナルデザインQUOカード」が当たるキャンペーンも行っており、力を入れた宣伝のように思えます。
自分と向き合える、鏡貼りの広告
キラキラボード
森永乳業株式会社が掲載した「マウントレーニア」の広告が話題となりました。
広告キャラクターの菅田将暉さんが、テーマである「自分にも愛を。」をイメージしたビジュアルを飾っている広告です。菅田さんのビジュアルの横には鏡も設置され、鏡に映った自分自身と目が合うデザインを採用。テーマである自分自身へのやさしさ、自分に向き合えるきっかけとなるような演出になっています。
ネットでは、「自分にも愛をもらえました」「鏡に貼ってある言葉に心がパッと暖かくなる」などの反響がありました。新CMでも同テーマで放映を開始しています。
広告枠一面で訴求したいところを、半分以上の面積を鏡面ポスターで埋めるという斬新なアイデアで、人がせわしなく行き交う渋谷駅、名古屋駅でも通行人がふと目を向けるようなひと工夫がされていました。
まとめ
今回は、2024年3月に話題となった面白い広告を紹介しました。
3月は各社期末であったり、新商品の発表もあったりでジャックや地方でも大きく展開された広告が多かったですね。特にキリンビール「晴れ風」の2期かけての広告は圧倒的な展開力で、渋谷駅では地上でも地下でもくまなく出稿しており、どこを通っても目にしました。
このコバルトブルーの色もかなり目立っており、お花見シーズンにも相性抜群。
また、アサヒビールの#環奈と乾杯 の広告もとても興味深いものでした。4/6付の公式発表では、乾杯数は300万人を突破したようです。
同じビールの宣伝でも、デジタル広告に力を入れた宣伝とリアル広告に力を入れた宣伝で、実際の効果がどれくらい違うのかは、今後の参考として追っていきたいところです。
4月はどんな面白い広告が実施されるのか、楽しみですね。
先月の記事も併せてご覧ください。
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