新たなトレンド？急にアレが売れた「2024年売れたものランキング」

更新日：2025年01月10日

新たなトレンド？急にアレが売れた「2024年売れたものランキング」

株式会社インテージは、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返る「2024年、売れたものランキング」を発表した。

調査概要

調査方法：株式会社インテージが全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®（全国小売店パネル調査）をもとに集計
調査期間：2024年1月～10月
掲載元：食品多数の新トレンド「2024年、売れたものランキング」

前年比1.5倍！突然売り上げが伸びたものとは

まず、2024年日用消費財での購入推定金額前年比・上位ランキングによると、1位は「靴クリーナー」で、前年に比べて購入金額が1.5倍増加した。特にスニーカー用のシートタイプクリーナーは年初から売れていたものの、暑さが厳しかった6月から9月にかけて、前年同月の2倍近くまで売れた。これにより靴クリーナーは上半期首位のパックを抜いて前年比153%となり、堂々の1位となった。この背景には、昨今のスニーカーブームやシューズクリーナー製品の増加が考えられる。

また、2位のパックは昨年15位から一気にジャンプアップし、新型コロナ後初のトップ10入りをした。大容量の商品などを中心に、韓国コスメの拡大、有名タレントによるブームけん引などもあり、コロナ前を大きく上回る販売金額となったことが要因だ。

靴クリーナーとパックは、新型コロナが発生した2020年以降の売れたものランキングで10位以内に入っていたことはなく、新たなトレンドとして躍進した。

その他にも、上位15位までに食品が6商品入っていることにも注目だ。6位の玩具メーカー菓子(117%)は人気テレビアニメやゲームなどの関連商品がけん引し、9位の冷凍水産(113%)はプライベートブランドの伸長が目立った。12位のキャンディ(113%)もグミの好調に加え、感染症関連でのど飴なども売れた。また飲料関連においても、高騰したトマトの代替需要もあった4位のトマトジュース(125%)、無糖や甘さ控えめを訴求するヒット商品などもあり8位に炭酸飲料(113%)の2商品などが入った。インバウンド需要も堅調で、5位の強心剤(118%)、7位のリップクリーム(116%)なども販売金額を伸ばした。

令和の米騒動食品価格高騰に拍車

次に食品の金額前年比の推移についてだが、特筆すべきは、米不足による影響から3位になった「米」である。先般のランキング10位にもパックご飯を中心とした「米飯類」(113%)がランクインしていたことからも消費者の需要がうかがえる。今年は、スーパーの棚から米がなくなっていき、代わりにパックご飯が置かれる店も出るなど、米の店頭価格が上昇した。さらに、米が足りないと報道機関などで繰り返し報じられ、新米が出回る直前だった8月には騒動とともに販売金額もピークとなり、前年同月比で172%まで上昇した。

そして、令和の米騒動と言われる動きとともに、食品を中心に値上げが続いたことも今年の特徴であった。今後も、米をはじめとした食料品の販売価格は高くなる傾向にあると思われ、動向が注視される。

購入金額が減少した商品3つの共通点とは

次に、2024年日用消費財での購入推定金額前年比・下位ランキングによると、販売に苦戦した商品は1位の検査薬、2位のマスク、3位のオートミールであった。3商品に共通していることは、コロナ禍により販売金額を伸ばした商品という点である。これらの商品が販売金額を落とした背景には、生活様式の変化や需要の一巡が考えられる。

たとえば検査薬やマスクはコロナ対策が一段落し、使用頻度の減少や在庫の安定化が影響していると推察する。オートミールは健康志向のトレンドが続く一方で、消費者の食生活に定着するにつれて、新規購入者の伸びが鈍化したのではないだろうか。

生活様式の変化などで販売金額の減少が続いている商品は、市場の変化に合わせた工夫が求められるだろう。