2023年10月にGmailの「メール送信者のガイドライン」が更新されました。迷惑メール率が0.30%以上になっている場合、メールが拒否されたり、受信者の迷惑メールフォルダに配信されたりすることがあります。
そこで、株式会社ライトアップとユミルリンク株式会社は、ユーザーがどのようなメールマガジンを迷惑メールとして報告するのかについて、共同調査を実施しました。
今回の調査では、意図しないメールマガジンを受け取った場合、「メールを配信停止する」「メールを削除する」を選択するユーザーとともに、「迷惑メールフォルダに入れる、迷惑メールとして報告する」と回答したユーザーが25.6%存在していることが分かりました。
迷惑メールフォルダに入れたり報告したりする理由として最多だったのは「登録した覚えのないメールマガジンだったから」で56%。先の設問と合わせて見ると、「受け取りたくない」とユーザーに思われてしまうメールマガジンは迷惑メールと判断されていることが分かります。
では、どのようなメールに対して、ユーザーは配信停止または迷惑メールフォルダに入れる・報告するのでしょうか?
配信停止の理由として最も高かったのは「自分の興味がない情報ばかり届いたとき」で81.1%、次いで「配信頻度が多いと感じたとき」が52.3%となっています。
リコメンド機能などでパーソナライズされた情報を受け取ることが多い昨今では、メールマガジンの内容に注意が必要になってきていることが分かります。
配信頻度に関しては、迷惑メールだと判断する基準でも43.6%と高い数値に。「送られてきた内容に心当たりがない」「登録した覚えがない」などオプトインに関する項目にも票が集まっているため、配信頻度とオプトインの分かりやすさについては徹底的に注意するべきだということが分かります。
反対に、登録を続けたい内容としては、「クーポン・セール情報・限定販売や先行情報」が52.4%、「自分にとって役立ちそうな情報」が48.0%、「ポイントに関する情報」が46.8%となっており、ユーザーにとってメリットがある内容が好ましく思われていることが分かります。
メールマガジンに良い印象を持つ理由としては、デザインや文体など見た目の部分も大きく影響しています。見やすさ・分かりやすさはもちろん、自社のブランドイメージに沿った適切なガイドラインを設けておくことも重要です。
考察
メルマガの効果を上げる近道に?
メルマガに覚えがない、配信停止方法が分かりづらい、と思われてしまうことで、メール未開封のまま迷惑フォルダに入れられたり、迷惑メールとして報告されてしまうことが考えられます。Gmail送信者ガイドラインの規約にもありますが、そのようなケースが続くと、受信者にメール自体が届かなくなってしまう可能性もあります。
同意の旨を規約に小さく書いていたり、同意欄に勝手にチェックが入っていたり等、そもそものオプトインのやり方に問題はないのか、あらためて考えなければなりません。もちろんメルマガの内容も大切ですが、まずはオプトイン・アウトの明確化がメルマガの効果や精度を上げる近道になるかもしれません。
受け手視点の情報発信が企業イメージを守る
登録した覚えのないメルマガが届いたときに「メールを無視・削除」、「迷惑メールに振り分け・報告」の割合が高い理由としては、なりすまし・詐欺メールへの意識も考えられるのではないでしょうか。特にBtoBになると、情報セキュリティの観点から安易にメールを開封したり、リンクをクリックしないことがインシデントの防止に繋がります。メルマガの送信元や件名など発信側が対策できる部分もありますが、昨今のなりすまし詐欺の横行などから、受け手が警戒するのも当然といえるでしょう。
発信側のメリットばかりで情報発信することは、企業の好感度やイメージが下がるだけでなく、ユーザーとの信頼関係も崩れかねません。現在はメールやSNS、動画コンテンツなど様々なツールがある中で、発信側が目的に合わせて適切にそれらを使いこなし、受け手の立場に立った情報発信が求められているように思います。