江崎グリコは、大阪・道頓堀のシンボルとして知られる大型屋外看板「道頓堀グリコサイン」の6代目の掲出を、2026年11月末で終了すると発表した。同年12月からリニューアル工事に着手し、2027年春には7代目の掲出を予定している。

「道頓堀グリコサイン」は、1935年に初代が設置されて以来、約90年にわたり大阪・ミナミの街を彩ってきた屋外広告。両手を上げてゴールするランナーの姿は、江崎グリコを象徴するマークとして知られ、看板の前で同じポーズを取って記念撮影する観光客も多い。2003年には大阪市の景観形成物に指定され、現在は「大阪市都市景観資源」となっている。
初代のグリコサインは、高さ33メートルのネオン塔として登場。戦時中の撤去を経て1955年に再建され、その後も時代に合わせて姿を変えてきた。

現在の6代目は2014年10月に設置されたもので、高さ20メートル、横幅10.38メートルの大型看板。従来のネオン灯に代わり、約14万個のLEDを採用したことで、多彩な映像演出が可能となった。通常のブランド広告に加え、世界糖尿病デーに合わせた健康啓発や、大阪府警察と連携した青少年の非行防止など、地域社会に向けたメッセージの発信にも活用されている。
今回のリニューアルでも、中心に描かれる「Glicoのランナー」は引き継がれる。このランナーは1920年に誕生し、1922年発売の「栄養菓子グリコ」のパッケージを通じて広く知られるようになった。創業者・江崎利一が掲げた「食品による国民の体位向上」という精神を象徴する存在であり、現在もブランドのシンボルとして位置付けられている。

屋外広告は一定期間で入れ替わるものが多い一方、長期間にわたって掲出される広告には、地域の人々の記憶に残り、街の象徴となる可能性がある。道頓堀グリコサインは、単なる企業広告の枠を超え、大阪を象徴するランドマークとして定着した屋外広告の代表例といえる。一般的な屋外広告では、掲出期間中にどれだけ多くの人に見てもらえるかが重視されるが、グリコサインは長年にわたって同じ場所でブランドを発信し続けることで、街の景観そのものに組み込まれてきた。
さらに、観光客が看板を背景に記念撮影する行動が定番化。街の観光資源としての役割を果たすだけでなく、撮影された写真や動画がSNSなどで共有されることで、現地を訪れていない人にもブランドの認知が広がる仕組みとなっている。

