Topics⑦：劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」の関連広告
1つ目が、新宿駅で展開されたDMMTVの広告です。広報担当による超個人的な想いを綴った手紙風のクリエイティブで、「毛利小五郎」というキャラクターへの熱量を前面に押し出した内容が特徴的でした。
ビジュアルの中心に据えられている毛利小五郎のカットも、通常のイケメンキャラや派手なアクションシーンではなく、真剣な眼差しのアップを用いることで、感情の深さやキャラの再評価を促すような設計です。中の人視点で作品への没入感やファン心理を代弁する、熱量ある広告展開となっていました。
2つ目が、渋谷駅を中心に展開されたNETFLIXの広告です。「ネフリの小五郎におまかせください」「私抜きでは解決できなかった謎ばかりですね！」といった、シリーズファンなら思わずニヤッとしてしまうようなキャラクター性を活かしたユーモアあるコピーが展開されていました。
ZeroBase渋谷
広告は渋谷駅前の大型ボードはもちろん、GW期間中は限定で「毛利探偵事務所」を渋谷に登場させるなど、力の入ったプロモーション展開が印象的でした。
3つ目が、Huluの広告です。江戸川コナンや灰原哀、服部平次、怪盗キッドなど、主要キャラクターの名シーンをフラッシュバック形式で振り返る構成となっており、Huluでのアーカイブ配信を想起させる設計となっていました。
複数面で展開された広告ですが、1面はスマホの「フラッシュ機能」を使って撮影することで、ビジュアルが浮かび上がってくるデザインを採用。まさに「フラッシュバック」な展開でユニークな広告となっていました。
Topics⑧：遭遇して思わずパシャリ！ちいかわぽけっとの広告
アドトラック
「ちいかわ ぽけっと（ちいぽけ）」スマホアプリの広告です。
クリエイティブは、ちいかわ・ハチワレ・うさぎといったメインキャラクターがピクニックを楽しんでいる様子を描いた、非常にやさしく親しみやすいビジュアルで構成されています。比較的、キラキラした広告の印象もあるアドトラックに、柔らかい雰囲気のちいかわイラストが目を引く内容となっていました。過度な情報は載せず、検索窓に「ちいぽけ」とあるだけで、視認性と検索行動への誘導のバランスが取られていました。
SNSでは、遭遇したタイミングで撮影した写真が数多く見られ、遭遇した喜びとともに投稿された様子が伺えた事例でした。
編集部からの一言
4月は、品川駅で展開されたサントリー「伊右衛門 特茶」の階段広告が特に印象的でした。
駅構内という日々使う施設内の“階段”という負荷のかかるスポットにあえて着目し、「階段最高！」とポジティブに言い切ったコピーとデザイン展開です。大型フラッグと階段のステップ一段一段に連動させた演出により、“内臓脂肪を減らす”という訴求や“健康”というメッセージを体験的に伝えていた点が見事でした。
新生活・新年度が始まり、健康や体づくりへの意識が高まりやすい時期の掲出。朝の通勤ラッシュ時に目にすることで、「今日は階段使ってみようかな」といった一歩踏み出す行動変容を自然と促す構成になっていたように思います。OOHの中でも体験を持ち込む、場所設計の妙を感じた事例でした。
加藤誠也 アドクロ編集部
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