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TOP 記事一覧 ナレッジ SUBARUはなぜスペックの話をしないのか 顧客を主人公にする「ナラティブアプローチ」

更新日:2025年07月30日

SUBARUはなぜスペックの話をしないのか 顧客を主人公にする「ナラティブアプローチ」

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「逆境」と「情熱」を武器に 中小企業のためのナラティブアプローチ

SUBARUの事例を見て、「視点の転換は理解できたが、自社にそんな『美しい物語』はない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。そもそも、ナラティブは美談である必要はありません。広告予算や知名度で大企業に劣る中小企業だからこそ、その歴史に刻まれたリアルな「逆境」や、製品に込められた純粋な「情熱」が、顧客の心を揺さぶる強力なナラティブの源泉となるのです。
ここでは、共感を呼ぶ2つの中小企業の事例から、具体的な実践法を探っていきましょう。
出典:IKEUCHI ORGANIC
一つ目は、愛媛県今治市のタオルメーカー、IKEUCHI ORGANIC社です。同社は過去に、倒産寸前という最大の「逆境」を経験しました。会社の危機から救い出したのは、金融機関の支援やコンサルタントの奇策ではありません。「タオルを何枚買えば、あなたの会社は存続できますか?」顧客から届いた、こんなメールでした(出典:イケウチとオーガニックの20年間。|IKEUCHI ORGAN)同社はこの「ファンに救われた再生の物語」をブランドの核として語り継いでいます。
その結果、顧客にとって同社のタオルを買う行為は、単なる消費ではなく、自らがブランドを支えるという「物語の当事者」になるための、誇らしい体験へと昇華されているのです。
出典:木村石鹸工業
二つ目は、大阪の老舗、木村石鹸工業が開発したシャンプー「12/JU-NI」の事例です。この物語の起点は、一人の開発者の「お客様にとって、本物の商品が作りたい」という純粋な「情熱」でした。
5年もの歳月をかけた開発秘話や苦労といった「作り手の物語」を包み隠さず公開。さらに、SNSで顧客からのすべての声に真摯に応え続けました(出典:創業100周年を迎える老舗石鹸メーカーがつくる、クラフトシャンプー「12/JU-NI」の開発ストーリー。SNSでの反響と異例のヒットの裏側 | PR TIMES STORY)
顧客を「共に商品を育てるパートナー」として扱ったことで、やがて顧客自身が「このシャンプーで人生が変わった」というリアルな体験談を語り始め、それが何より強いナラティブとなって新たなファンを呼び込んだのです。
これらの事例から、中小企業がナラティブアプローチを実践するための3つのステップが見えてきます。
  1. 自社の「物語の種」を発掘する: 綺麗な成功譚である必要はありません。「創業時の苦労話」「大きな失敗から学んだ教訓」「製品開発での譲れない想い」「お客様から頂いた忘れられない一言」など、社内に眠るリアルなエピソードを探し出してみましょう。
  2. 正直に、ありのままに語る: かっこよく見せようと取り繕う必要はありません。IKEUCHI ORGANICの経営危機のように、弱さや不器用さこそが人間味となり、顧客の深い共感を呼びます。
  3. 顧客が参加できる「余白」を作る: 語って終わりでは一方通行のストーリーです。SNSで「#〇〇のある暮らし」といったハッシュタグで投稿を募集したり、商品への意見を求めたりと、顧客が物語に参加できる「隙間」や「問いかけ」を意図的に設計しましょう。
洗練された広告や莫大な予算がなくても、あなたの会社には、積み重ねてきた時間だけが持つ「逆境」と「情熱」という名の、誰にも真似できない武器があるのです。

「あなたの会社のストーリー」を通して“代替え不可”の存在に

モノが溢れ、情報が氾濫する現代、もはやスペックの高さや企業からの一方的な「ストーリー」で顧客の心を掴むことは困難です。これまで見てきたように、これからの集客の鍵は、顧客を「主役」にするナラティブアプローチにあります。
SUBARUのように顧客に問いかけ、中小企業の事例のように自社のリアルな物語を差し出すこと。それこそが、顧客にとって「失いたくない」と感じる代替不可能な関係性を築くのです。さあ、スペックを語るのはやめましょう。あなたの会社と顧客が共に紡ぐ、新しい物語の第一歩を踏み出す時です。
  • つきみ株式会社HP:https://tsukimi.ne.jp
  • X(旧Twitter):https://x.com/tatsumin_ec
  • note:https://note.com/tatsumin_ec
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山本達巳 つきみ株式会社

著者山本達巳 つきみ株式会社

静岡市出身、関西学院大学卒。地元医療系企業での経験を経て、父親の医療介護系企業に参画。留学をきっかけに輸入雑貨のEC事業を開始し、令和元年に独立。自社アウトドアブランドの展開を経て、令和6年につきみ株式会社を設立。商品ページ作りや広告運用、SNSなどECに関係する領域を幅広く対応しつつ、商品ブランディング支援を行っている。

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