アドクロ編集部がお届けする2025年7月21日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。
Topics①：Spotifyと「鬼滅の刃」の広告
SHIBUYA WILD POSTING
Spotifyと「鬼滅の刃」による「渋谷二鬼ノ気配アリ」広告です。渋谷の複数箇所に掲出された黒背景のポスターには、「べんっ」という擬音の形に沿ってアニメの場面やキャラクターが散りばめられており、見る人に音と鬼滅の刃という作品のストーリー両方を感じさせる構成になっています。
「べんっ」は恐らく三味線の音を模した擬音であり、劇中での重要な演出を想起させると同時に、Spotifyという音のプラットフォームとも強く結びついているように感じます。
また夜になると、渋谷センター街のシャッターに作中に登場する“鬼”が登場。太陽が苦手という、作中の設定を活かした演出となっていました。
音の可視化とビジュアルを巧みにデザインに落とし込んだ、Spotifyならではのコラボ広告でした。
Topics②：Uber Eatsの広告
JR渋谷駅集中貼り
Uber Eatsの夏季プロモーション広告です。広告は一貫して緑を基調とし、人物の顔や背景に「とろける」ような質感のビジュアルがあしらわれており、視覚的にも暑さを印象づける表現となっています。
特に、モデルの額や頬には溶け出すクリームのような演出が施され、夏の蒸し暑さとともに「家から出たくない気持ち」をビジュアルで表現していました。「暑すぎる夏も、Uber Eatsで、いーんじゃない？」という口語的なトーンで、気取らない軽さと親しみやすさを演出していました。
また同じタイミングでUber Eatsとローソンによる共同キャンペーン広告も展開。緑一色の背景にUber Eatsの紙袋とローソンの商品（お茶、からあげクン、お菓子）を描き、視覚的にも言語的にも“お得感”をダイレクトに伝えていました。
駅構内の通路で、繰り返し緑ビジュアルが目に入るよう設計されており、移動の合間に何度も視認されることで認知の定着を図っているように感じた事例でした。
Topics③：赤城乳業「ガツン、とみかん」の広告
赤城乳業「ガツン、とみかん」の広告です。広告は30秒のCMのために描かれた174枚の手描き原画をそのまま並べるという手法をとっています。
背景は黒、文字は手書き風の白、ビジュアルは鉛筆タッチのアニメ風と、徹底して泥くささや熱量を可視化したデザインとなっており、商品の持つ「ガツンとした爽快感」とリンクさせているようです。
「タイパ」「コスパ」が重視されるこの時代に、「ぶっちゃけ、めちゃくちゃ非効率」と自らコピーで語る姿勢は異例です。非効率こそが、人間らしさであり、ひいてはガツンと生きることだと語るメッセージは、SNS時代に疲れた人々や、何かを本気で頑張る人々に強く響く内容となっているように感じます。
江頭2:50さんを使った動きのある原画も、バカバカしさと迫力を併せ持ち、視覚的にも記憶に残る仕掛けです。同氏のキャラクターが広告の哲学そのものと結びついている点も特徴です。コピー、キャスティング、表現手法すべてが一貫しており、作り手の本気が伝わってくる、熱量の高い広告でした。
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BMSGによる企画「THE LAST PIECE」の広告
BMSGによる企画「THE LAST PIECE」の広告
アドクロ編集部
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