株式会社小田急電鉄が展開する電子チケットサービス「EMot（エモット）」は、2025年3月1日から3月4日にかけて、「ひとり時間」に関する意識調査を実施した。この調査では、全国の20代〜60代の男女1,000名を対象に、平日のひとり時間の量や満足度、過ごし方、ひとり時間に対する経済的価値意識について回答を得た。
調査概要
調査方法：インターネット調査
対象者：20～60歳男女
有効回答数：1,000名
調査期間：2025年2月4日(火)～2月6日(木)
約7割が1時間以上のひとり時間を確保、4時間までは時間数と満足度が比例
「現在、平日1日あたりどの程度ひとり時間を取れていますか。」という質問をしたところ、最も多かったのは「1時間～2時間未満」で29.0%、次いで「2時間～4時間未満」が20.8%、「30分～1時間未満」が19.6%と続いた。「4時間以上」は18.4%、「30分未満」は12.2%にとどまった。
この結果から、約7割の人が平日に1時間以上のひとり時間を確保しており、忙しい現代社会において多くの人がある程度のひとり時間確保を重視する姿勢が読み取れる。
また、「平日のひとり時間の量に満足していますか。」という質問では、ひとり時間が長いほど満足度が高い傾向が見られる。「4時間以上」のグループでは46.7%が「満足」と回答し、「やや満足」と合わせると61.4%に上る。一方、「30分未満」のグループでは「満足」はわずか4.9%にとどまり、「不満」と「やや不満」の合計は61.5%に達している。
この結果は、ひとり時間の長さが心理的な充足感に影響を与えることを表している。ただし、「2時間～4時間未満」でも「満足」「やや満足」の合計が50%を超えており、極端に長い時間でなくても満足感を得ている人が一定数いることもわかる。
実際の過ごしかたは「動画視聴」「SNS」、理想は「睡眠」「何もしない」が上位に
「平日・休日ともにひとり時間では何をしていますか。平日・休日ともにひとり時間を増やせたら何をしたいと思いますか。」という問いに対し、実態は「動画視聴」が65.3%で1位、「SNS」が50.6%で2位、「睡眠」が48.3%で3位となった。
一方、「理想」の過ごし方では実態と同じく「動画視聴」が51.5%で1位、「睡眠」が50.0%で2位、そして実態ではランク外であった「何もしない」が45.5%で3位となっている。
注目すべきは、現実では上位だった「SNS」が理想の過ごし方には入っていない点と、「何もしない」が理想の3位にランクインしている点である。現代人は理想ではひとり時間にはSNSから離れ、何もせず心身を休める時間を求めている人が多いものの、実際には叶っていないことが分かる。
また、「読書」は現実・理想の両方で4位に位置しており、一定の人気を保つ結果となった。
「ひとり時間」の経済価値、約半数が「支払いたくない」
「もしひとり時間を1時間買えるとしたら、最大いくらまで支払えますか。」という質問に対し、最も多かったのは「0円（払いたくない）」で48.1%を占めた。次いで「500円以上～1,000円未満」が16.6%、「1,000円以上～3,000円未満」が14.7%と続いている。
全体の約半数は金銭を支払ってまでひとり時間を確保したいとは考えていないが、残り半数は一定の支払いを許容しており、特に「500円～3,000円」の価格帯に集中している結果となった。
この結果からは、「ひとり時間はお金をかけずに過ごすもの」と考えている人が多い一方で、一定数の人々は「質の高いひとり時間を過ごすために、ある程度自己投資しても構わない」といった意識を持っていることが推察される。日常的に必要なひとり時間は、カフェでのドリンク一杯や軽い買い物程度の手頃な価格設定が、多くの人にとって心理的な許容範囲なのかもしれない。
今回の調査から、現代の日本人は平日でも一定のひとり時間を確保しており、その長さが満足度に直結していることが明らかになった。実際の過ごし方は動画視聴やSNSなどのデジタルコンテンツが中心である一方、理想の過ごし方では「睡眠」や「何もしない」など、より質の高い休息を望む声が多い結果となった。
ひとり時間の「量」と「質」は生活満足度の重要な要素である。現代人が理想とするひとり時間の実現を叶えるサービスやコンテンツは、今後さらに重要性を増していくだろう。
古田ちほ アドクロ編集部
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