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【2024年8月版】ネットで話題となった面白い広告
アドクロ編集部が毎月お届けする「ネットで話題となった面白い広告」。東京都内を中心に、SNS上でバズったり、話題になった面白い広告をまとめました。今回は2024年8月に話題となった広告事例を紹介します。
過去の事例はこちらからご覧いただけます:面白い広告まとめ | ネットでバズった話題の広告
見方によってビジュアルが変化する「BE:FIRST」
渋谷駅で展開された「BE:FIRST」のサイネージ、ポスター広告です。
渋谷道玄坂ハッピーボードで設置されたポスター広告は、角度によってデザインが変わる仕様となっており、メンバーのビジュアルとアルバムのビジュアル、2種類の宣伝を同時にかなえた広告となっています。また通路を挟んだ反対側でも同じサイズのポスター広告を行っており、空間をジャック。
京王渋谷駅DGウェーブで設置されたサイネージ広告では、プロモーション映像を流しています。59面ものサイネージジャックを行い、より多くの通行人へリーチをしています。
SNSでは、「渋谷がビファ(BE:FIRST)祭り」「めっちゃ大きい広告」などと、聖地巡礼をされているファンの方の投稿が多くみられました。
広告が設置された渋谷は、日本で一番有名なタワーレコードやTSUTAYAと、音楽の宣伝が大きく展開されている場所でもあります。既存のファンへの訴求はもちろん、幅広い層への訴求を意図しているようにも感じられました。
夏の帰省には”アレ”がつきもの…!?
羽田空港第2ターミナル
羽田空港第2ターミナルで展開されたアース製薬の広告です。
背景の青空と入道雲は爽やかな夏を連想させますが、ペットボトルのごとくモデルが手に持っているのは殺虫剤です。
お盆の帰省シーズンに掲載されたこちらの広告について、公式SNSアカウントで、「これから帰省するみなさんに実家の虫のデカさを思い出してもらいたく、羽田空港に広告を出しました。帰省した際には、アース製薬商品をご検討ください。」とコメントしている。
たしかに地方や祖父母の住む田舎へ行くと、都会では見たことのない大きな虫を見かける人も少なくないと思います。そんな帰省者をくすっとさせるユーモアのあるクリエイティブです。
SNSでは、「大きな蜘蛛とか出る」「写真提供しましょうか?」などと、地方あるあるなのか、さまざまな虫エピソードを投稿されている方がみられました。
掲載されたのが羽田空港のため、飛行機はスプレーは持ち込み禁止なのにといった鋭い指摘をされている方もいましたが、帰省して虫を見かけたときにこんな広告あったなと思い出させる広告となっています。
今夜は焼肉一択!「焼肉のたれ」広告
JR山手線で展開された創味食品の編成ジャック広告です。
肉の部位の名称を大きく書き、その横に控えめに商品の写真を載せたシンプルかつ斬新なデザインです。編成ジャックで前後左右やモニターにも肉の部位違いで掲載されており、とにかく焼肉を食べたい気分にさせるクリエイティブです。
SNSでは、「クセ強すぎて思わず2度見した」「ずっと見せられ良い感じに洗脳される」などと、編成ジャックに感想を述べている投稿がみられました。
新商品の訴求のため、まずは何に関連する商品なのかが一目でわかるようになっています。全車両に少しずつではなく、トレインジャックしたことによって、インパクトが倍増しているように感じられます。
これは本物の注意喚起か、それとも…?NETFLIX「地面師」広告
渋谷駅工事現場仮囲い広告
渋谷で展開されたNETFLIXの作品「地面師」の広告です。
一見警察からの公式な注意喚起と思わせるようなデザインで、ドラマや映画の宣伝で写真や映像を使わず文字だけで宣伝を行うのはめずらしいです。下にはNETFLIXのロゴと、小さいですがタイトルが入っています。
黄色と赤は、注意色や警告色などと呼ばれ、注意喚起をうながす色として使われることが多いです。例えば踏切や工事現場、標識など、街の危険が潜んでいる場所でよくつかわれています。これだけの大きさの看板で注意色を使っている、かつシンプルなクリエイティブのため、かなりの視認率が得られると考えられます。
SNSでは、「渋谷でこれみた時ガチで詐欺防止広告出してるのかと思った」「夜になると一段とそれっぽい」などと、出稿側の狙い通りの投稿が多くみられました。
広告が設置された渋谷周辺は、毎日多くの広告が出稿されており、娯楽であふれている街なので、こういったほかの広告とは一線を画す、ドキッとする広告は効果的と考えられます。また今の若者にはあまり聞きなじみのない「地面師」というワードが、作品への興味を沸かせるように思います。
甲子園シーズン真っ只中の「Uber Eats」広告
都内各所で展開されたUber Eatsの広告です。
毎回工夫を凝らした広告を展開しているUber Eatsですが、今回は甲子園のシーズンに合わせて展開されています。渋谷ハチコ―ボードでは、カレンダーや机のいたるところに野球グッズが並べられているクリエイティブとなっています。
また東西線の中吊り広告では、通常のポスター生地ではなく、タオル地の素材になっているクリエイティブで、応援タオルや球場の芝生を想像させます。
プロモーションコードも記載しており、夏の一大施策として打ち出している気合が感じられました。
SNSでは、「今、その電車乗ってます」「早実戦の時はUber頼みました!」などの投稿がみられました。
最近のオフライン広告では、ほかの広告と差別化を図るため広告物が多様化してきているように感じられます。5月版でご紹介した“プニプニ”唇のリアルゴールドの広告や、3月版でご紹介した渋谷のビルに突き刺さった-196ウーマンなど、つい触りたくなる素材だったり、4:3や9:16の四角の枠にとらわれない広告が散見されます。こういったこれまでになかったクリエイティブがまた次の広告のアイデアを生み出していくのかもしれません。
9割がほかの広告…?「プレミアムモルツ」広告
新宿駅で展開されたサントリープレミアムモルツの「9割」の交通広告です。
駅に設置されたこの大型ポスター広告は、9割がテーマとされる本の表紙が並べられているパターンと、女優の広瀬すずさんとたくさんの「9」がちりばめられているパターンとがあります。
一見新刊の宣伝かと思いきや、実はサントリーが展開する人気商品プレミアムモルツの宣伝です。よくみると本のクリエイティブの方には実際の商品が小さく描かれています。
近年9割がキーワードの本の売れ行きが好調というところと、残りの1割に目をつけて制作されたようです。
実際の宣伝商品を主張少なくデザインに載せたり、もはや載せなかったりするクリエイティブも最近は多くなっています。ですがその場合は、情報量を少なくして検索をしてもらう狙いだったり、シンプルなクリエイティブが多くなっています。この本の表紙が載せられているクリエイティブについては、実際に存在する本が載せられています。
近くで見てみないことには本の宣伝と思われてしまうような思い切ったクリエイティブです。
編集部からの一言
今回は、2024年8月に話題となった面白い広告を紹介しました。8月は夏休みやお盆休みがあったため、季節に合わせた施策がありました。
土地柄に注目してみると、渋谷では音楽や映像など、エンタメに関連する広告が出稿されていることが多く感じます。普段どの駅にターゲットとしている層が訪れているのかを調査することも出稿を考える上で大切ですね。
「BE:FIRST」の広告は凝った工夫のあった広告でした。角度で絵柄が変わる本やステッカーは見かけることがありますが、ここまで大規模な広告で見かけることはあまりありません。予算はかかりますが、2種類のデザインで情報量も増やすことができて面白い広告でした。
また、アイドルやアニメなどの広告では、聖地巡礼をするのが「推し活」として一般化されつつあります。新宿駅や渋谷駅など大規模な駅での大型広告の前では、人だかりができていたり、警備員の方が整備されている姿もよく目にするようになりました。人だかりが人だかりを呼ぶようになり、認知度向上にもつながります。また、そういった繁華街に大型広告を出すことがコンテンツのステータスになっているのかもしれません。
来月以降も、どういった広告が見れるのか楽しみですね。
過去の事例はこちらからご覧いただけます:面白い広告まとめ | ネットでバズった話題の広告
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