
歯科医院の駅広告は、駅を利用する人に医院名や所在地を知らせる方法です。ホームや改札付近の看板、通路のポスター、デジタルサイネージなどがあり、医院の認知を継続して広げたいのか、開業を一定期間告知したいのかによって選ぶ媒体が変わります。
駅から近い医院でも、どの広告面を使っても同じように案内できるわけではありません。この記事では、駅広告の種類と費用、医院につながる改札・出口の選び方、広告原稿と出稿の進め方を解説します。
歯科医院に駅広告が向いているのはどんな場合?
まず候補になるのは、駅から徒歩で通える医院や、駅を起点とするバス路線の沿線にある医院です。通勤・通学などで駅を使う人に、日常の移動の中で医院の存在を知らせられます。
また、駅前にありながらビルの上階に入っているなど、通りから医院の存在が分かりにくい場合も検討できます。医院の近さだけでなく、建物や入口の位置まで広告と案内ページで伝えられるかがポイントです。
一方、車での通院が中心で、患者さんの生活圏と駅の利用圏が重ならない場合は、駅広告を優先する理由を見直します。道路沿いの看板広告など、実際の移動経路に合う選択肢と比較してください。
駅看板・ポスター・サイネージの違い
媒体
使い方
申し込み前に見る条件
駅看板(サインボード)
医院名や所在地を継続して知らせる
広告面の位置、サイズ、最低契約期間、空き状況
駅ばりポスター
開業・移転などの告知を期間を決めて行う
駅、サイズ、枚数、掲出期間、掲出開始日
デジタルサイネージ
医院の案内を静止画・動画で放映する
画面の設置場所、対象面数、秒数、放映期間、放映間隔
駅看板は長期の認知・道案内に

駅看板は、ホームやコンコース、改札付近などの広告面を利用する長期掲載が中心の媒体です。通い慣れた駅で同じ医院名を繰り返し見てもらうことや、医院側の出口を案内することを目的に検討できます。
料金や空き状況は、一般向けのページに掲載されていないこともあります。希望する駅と出口、掲載したい時期を伝え、利用できる広告面を確認します。月額で案内されても、その月だけ契約できるとは限らないため、最低契約期間も見積もりに含めて確認してください。
駅ポスターは開業・移転の告知に
駅ポスターは、期間を決めて医院の情報を掲出する媒体です。開業日や移転日を知らせる原稿を出し、告知が終わったら終了するなど、時期に合わせた使い方を検討できます。
東京メトロの駅ばりポスターは1駅1枚から申し込めます。医院の最寄り駅だけに絞って出稿することも可能です。希望する壁面の指定ができるかは事前に確認し、医院側の出口での告知を希望する場合は、その条件を伝えます。開始月・掲出期間・駅等級などの条件を満たすと長期掲出割引も利用できるため、継続して知らせたい場合は看板と比較できます。
サイネージで医院の写真やアクセスを伝える
サイネージは、複数の画面を使って掲出したり、院内の写真やアクセス情報を順に見せたりできる媒体です。駅全体を対象にしたセットだけでなく、医院につながる改札や通路に設置された商品も候補にします。
通常のスポット枠では、ほかの広告や情報と順番に放映されます。動画の長さだけでなく、どのくらいの間隔で自院の広告が流れるか、歩いて通り過ぎる場所か、立ち止まる場所かまで見て選びます。途中から見ても医院名が分かる原稿にすると、短い接触でも内容を伝えやすくなります。
歯科医院の駅広告にかかる費用
駅広告の費用は、広告の種類、駅、掲載する場所、大きさ、期間によって変わります。ポスターは駅の等級やサイズで料金が決まる商品がある一方、看板は個別の広告面、サイネージは画面数や放映枠ごとに条件を確認します。
駅ポスターの料金例
東京メトロの駅ばりポスターでは、B1サイズ1枚・7日間の広告料金は次のとおりです。駅等級は媒体側が設ける料金区分で、歯科医院の広告効果を示す順位ではありません。
駅の例
駅等級
サイズ・枚数
期間
広告料金(税別)
妙典駅
C
B1・1枚
7日間
17,000円
葛西駅
B
B1・1枚
7日間
24,000円
高田馬場駅
A
B1・1枚
7日間
33,000円
※2026年10月確認。出典:東京メトロ「駅ばりポスター」2026年度媒体資料。デザイン・印刷費などは別途確認が必要です。
上表は東京メトロの駅ポスター料金です。高田馬場駅のJR・西武の広告など、ほかの鉄道会社の料金とは異なります。広告料のほかに、原稿のデザイン・印刷費などを含めて予算を組みます。
駅看板は契約期間全体で予算を考える
駅看板は、同じ駅でも大きさや掲出場所で料金が異なります。公開されていない広告面の費用や空き状況は、希望する駅・出口・開始時期を伝えて問い合わせます。月額料金だけで比較せず、最低契約期間にかかる広告料と、制作・取り付けの費用を合わせて確認しましょう。
サイネージは対象画面と放映枠をそろえて比較する
サイネージの見積もりでは、どの改札・通路の何画面に、何秒の広告を、どの期間放映するかを確認します。1つの広告をほかの広告と順番に流す通常枠と、画面を一定期間貸し切る商品では、料金も使い方も異なります。医院の最寄り駅で認知を広げるなら、まず通常枠で必要な場所を押さえられるか検討できます。
制作・取り付け・撤去費まで確認する
ポスターの印刷、看板面の製作、動画・静止画の制作など、媒体によって準備するものが変わります。初回の看板取り付けや、契約終了時の撤去に費用がかかる商品もあります。撤去時に見積もる場合は、その費用負担も契約前に確認します。駅広告全般の料金は、駅広告の費用をご覧ください。
医院につながる広告面の選び方
駅の利用者数より、医院側の改札と出口を見る
駅全体の利用者数は、特定の広告面を見た人数ではありません。出口が多い駅では、医院側の改札を利用する人と、別の商業施設や路線へ乗り換える人では移動する場所が異なります。
まずは医院から駅まで歩き、患者さんに利用してもらう出口と改札を確認します。その経路上にある広告面を探したうえで、広い範囲に医院名を知らせたい場合にホームや主要通路も候補に加えます。
乗り換え客と、駅周辺で暮らす人を分けて考える
乗り換えが多い駅でも、利用者が駅の外へ出るとは限りません。医院周辺に住む人に知ってもらいたい場合は、乗換通路の人通りだけで判断せず、住宅地側の改札や出口を候補にします。一方、近隣で働く人の来院を想定するなら、オフィス街へ向かう出口と、自院の診療時間が合っているかも考えます。
改札内と改札外で、通行する人を確かめる
改札内の広告は鉄道利用者との接点になります。一方、改札外には、送迎する人や駅ビルを利用する人、自由通路を通る地域住民が通行する場所もあります。同じ駅の広告でも、誰に知らせられるかは設置位置で変わります。
地域住民への案内を目的にするなら、駅周辺から医院へ向かう途中で見えるかを重視します。通勤する人への認知を広げたいなら、帰宅時に利用するホームや通路なども含めて検討します。
ホーム・通路・出口で伝える内容を変える
広告の場所
検討する役割
原稿で優先する情報
ホーム
電車を待つ人に医院を知ってもらう
医院名、所在地、診療時間など
改札付近・主要通路
移動中に医院名を認識してもらう
大きく読める医院名、最寄り出口
医院側の出口・駅外への通路
医院までの移動を案内する
出口名、方向、建物・階数など
役割は広告面の大きさや見える距離でも変わります。掲出位置図と現地写真を確認し、どちらから歩いてきた人に広告が向いているかまで確かめます。医院に近い出口の裏側にあるなど、地図上の距離だけでは気づきにくい違いがあります。
駅に近くても見つけにくい医院の活用事例

交通広告ナビが紹介する歯科ハミール高田88の事例では、高田馬場駅から徒歩1分の立地にありながら、ビルの4階に入っているため、通行する人に医院を認識してもらいにくいことが課題でした。そこで、早稲田改札口の外通路にある駅看板を利用しました。
駅からの距離が短いことと、医院の存在が見えることは同じではありません。自院の立地を考える際も、改札から医院へ歩いたときに、建物のどこに歯科医院があると分かるかを確かめると、広告に必要な役割が見えてきます。
駅広告の原稿で伝える情報

歩きながら見るポスターと、ホームの向かい側にある看板では、読める文字の量が異なります。医院名と所在地を中心にし、診療時間や電話番号などは広告面のサイズに合わせて優先順位を付けます。
出口からの案内には、正しい出口名、実際の徒歩経路、建物名や階数を使います。初めて来院する人がどこで迷うかを確認し、必要なら医院のホームページに入口の写真や道順を掲載します。広告の小さな地図にすべてを詰め込む必要はありません。
二次元コードを付ける場合は、近づいて安全に読み取れる位置にあるかを確認します。線路の向こう側など、読み取りを前提にしにくい面では、医院名を検索しやすい表記にそろえることを優先します。
看板やポスターは、原則として法令で認められた事項を広告します。医院のウェブサイトでは条件を満たすと掲載できる情報の範囲が広がりますが、同じ説明をそのまま駅広告へ転用できるとは限りません。原稿は医療広告のルールに加え、鉄道会社・媒体社の審査基準に沿って作成します。
参考:厚生労働省「医療広告等ガイドライン」、メトロアドエージェンシー「よくあるお問い合わせ」。
相談から掲出までの流れ
段階
医院側で決めること
依頼先と確認すること
候補探し
医院所在地、希望駅、目的、予算、開始時期
広告面の位置、空き、期間、見積もり
申し込み
利用する媒体と期間
申込条件、支払条件、変更・中止時の扱い
原稿制作・審査
医院名、診療時間、所在地などの確定情報
掲載表現、審査に必要な資料、修正期限
入稿・掲出
最終原稿の承認
印刷・データ納品の期限、掲出日、完了報告
掲載中・更新
医院情報の変更、来院時の反応
差し替え費、更新期限、終了時の作業
希望する駅看板が空いていない場合は、別の出口の面へすぐに変更するのではなく、その面でも目的を満たせるかを見直します。短期のポスターを使う、医院周辺の看板も探すなど、期間や媒体を変えて候補を比較できます。
開業前の告知では、掲載したい日から逆算して、原稿審査・修正・印刷やデータ入稿の日程を組みます。予約受付を始める場合は、広告の掲出に合わせて、ホームページの開業案内や予約窓口も準備しておきます。
掲載後は「何を見て医院を知ったか」を確認する
初診時のアンケートなどでは、「駅の広告」「Web検索」「紹介」など、医院を知ったきっかけを確認します。駅広告を見た後で医院名を検索して予約する人も考えられるため、予約した方法と、医院を最初に知ったきっかけは分けて聞くと整理しやすくなります。
医院名での検索、アクセス案内ページの閲覧、問い合わせの内容なども、掲載前後で見比べます。ただし、これらの変化にはほかの広告や紹介も影響するため、駅広告だけの成果とは断定しません。掲載期間、原稿の変更日、同時に行った施策を記録し、更新時に場所や原稿を見直します。
まとめ
歯科医院の駅広告は、駅の規模だけでなく、医院へ通う人が使う改札や出口を軸に選ぶことが大切です。長期の認知には駅看板、時期を決めた告知にはポスターなど、目的と期間をそろえて比較しましょう。
駅広告以外の選択肢は歯科医院の広告の種類、開業に向けた準備日程は歯科医院の開業時の広告で解説しています。

