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TOP 記事一覧 ナレッジ 「まずい!もう一杯!」がなぜ響く?13事例から紐解く未顧客を射抜くコピーの作り方

更新日:2025年04月25日

「まずい!もう一杯!」がなぜ響く?13事例から紐解く未顧客を射抜くコピーの作り方

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行動経済学と認知心理学で読み解く名作コピー13選

未顧客理解に基づかないコピーがいかに響かないかをお話してきましたが、逆に人々の心を掴み、行動を促してきた有名広告コピーには、どのような仕掛けが隠されているのでしょうか?
ここでは、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう13の名作コピーを取り上げます。その背景にある巧みな「未顧客理解」と、私たちの意思決定に影響を与える「行動経済学」や「認知心理学」の視点も交えながら、その成功の秘密を解き明かしていきます。これらの事例から、あなたのビジネスに活かせるヒントを探ってみましょう。

1. JR東海:「そうだ 京都、行こう。」

画像引用:東海旅客鉄道株式会社
広告主: 商品: 東海旅客鉄道(JR東海)、京都への観光旅行(新幹線利用促進)
ターゲット:  首都圏・中京圏在住者、旅行に関心のある層
背景・目的: 1993年から続く新幹線利用促進キャンペーン。
解説: 旅行への心理的ハードルを下げることに成功したコピーです。価格等の合理性ではなく、「そうだ」という日常的な言葉で、京都旅行を「思いつきで実行可能なこと」として想起させます(利用可能性ヒューリスティック)。美しい映像と音楽で感情に訴え、長期展開による単純接触効果で親近感を醸成。「行こう」という優しい誘いかけで行動を後押しします。合理性を超え、未顧客の感情と気軽さに訴求することで、多くの人の旅行意欲を刺激し、京都観光の代名詞となりました。

2. Apple:「Think different.」

画像引用:ウィキペディア「Think different」
広告主・商品: Apple Computer(当時)、Macintosh、企業ブランドイメージ
ターゲット: 既存PCユーザー、創造性を重視する層、現状に満足しない人々
背景・目的: 1997年、経営危機にあったAppleがブランドイメージ刷新と差別化を目的に開始。
解説: 製品スペックではなくブランド哲学を提示した例。「はみ出し者」「反逆者」といった言葉で特定層に強く訴え、「Appleを選ぶ=非凡な自己表現」というアイデンティティへの訴求を行いました。歴史的偉人の起用(権威性)や、ユーザーを「天才」と捉えるフレーミング効果、競合との対比により、独自の価値観を際立たせました。低迷していたブランドイメージを哲学と価値観の提示で劇的に回復させ、熱狂的なファンを生む礎を築いた、ブランドアイデンティティ構築の金字塔です。

3. Nike:「Just Do It.」

画像引用:CBOメディア
広告主・商品: Nike、スポーツ用品全般、ブランド哲学
ターゲット: 全てのアスリート、運動をする(したいと思う)全ての人々
背景・目的: 1988年、ブランド再興を目的に考案。
解説: 「とにかく、やれ。」という、シンプルかつ強力な行動喚起コピー。言い訳や躊躇といった行動開始の心理的障壁を取り払い、「自分にもできる」という自己効力感を高めます。合理的な説明を排し、挑戦するスピリットそのものに焦点を当てているため、あらゆるレベルの挑戦者に普遍的に響きます。記憶に残りやすく、ブランドの核となる哲学を体現。翻訳を禁じた逸話も、その哲学へのこだわりを示しています。世界中の人々の心を掴み、Nikeを象徴するスローガンとなりました。

4. キューサイ:「まずい!もう一杯!」

画像引用:#きょうのコピー 27日目
広告主・商品: キューサイ、ケール青汁
ターゲット: 健康に関心のある層、特に中高年層
背景・目的: 1990年開始。青汁の「飲みにくさ」を逆手に取る戦略。
解説: 食品CMの常識を覆す「まずい!」というネガティブワードが強烈なインパクト(新規性・対比効果)を与えます。正直さが逆に信頼性を高め、「まずいのに飲む=体に良い」という合理化を促しました。ネガティブ情報に注目しやすいネガティビティ・バイアスを逆用しつつ、「もう一杯!」というポジティブな行動に繋げた点がユニークです。八名信夫氏の起用も意外性(権威性)とユーモアを加えました。ネガティブ表現を逆手に取り、信頼と話題を獲得した逆転の発想が生んだ名コピーです。

5. ニトリ:「お、ねだん以上。」

画像引用:ニトリ
広告主・商品: ニトリ、家具・インテリア用品
ターゲット: 品質と価格のバランスを重視する幅広い消費者層
背景・目的: 長年使用されるブランドスローガン。価格以上の価値提供を約束。
解説: 価格以上の価値という合理的訴求と、「お、」という感嘆詞を掛けた言葉遊びによる感情的訴求を両立。「お、」は発見の喜びや驚きを連想させ、親しみやすさを生みます。「以上」という言葉が期待感を醸成し、ポジティブなブランドイメージ(ハロー効果)にも貢献。CMソングと共に広く浸透し、価格以上の価値を提供するブランドイメージを確立した、シンプルながら効果的なスローガンです。

6. 日産セレナ:「モノより思い出。」

画像引用:名コピー、「モノより思い出。」に見る体験価値 ポイントは「効率から愛着へ」
広告主・商品: 日産自動車、ミニバン「セレナ」
ターゲット: ファミリー層
背景・目的: 1999年、物質主義から経験価値重視への時代の変化を捉える狙い。
解説: 時代の価値観の変化を捉え、車の機能(モノ)ではなく、家族との経験(思い出)という感情的ベネフィットに焦点を当てました。セレナを通じて得られる究極の価値は「思い出作り」であると再定義し、ファミリー層の「モノよりコト」を重視する価値観に強く訴求、深い共感を得ました。自動車の価値を「機能」から「経験・感情」へと転換させたフレーミング効果の好例であり、ブランドイメージ向上に貢献しました。

7. 小学館 小学一年生:「ピッカピカの一年生」

画像引用:めちゃ可愛い♡そして懐かしい!「ピッカピカの♪一年生♫」が約25年の時を経て復活)
広告主・商品: 小学館、学習雑誌「小学一年生」
ターゲット: 新小学一年生になる子どもとその保護者
背景・目的: 1978年からとされる長寿コピー。新入学の輝きや期待感を表現。
解説: 「ピッカピカ」という鮮やかなオノマトペが、新入学のポジティブなイメージ(輝き、希望、喜び)を瞬時に、そして感情的に喚起します。論理的な説明なしに、入学への期待感を増幅させます。保護者にとっても、我が子の成長と重なり共感を呼び起こします。繰り返される音とCMソングによる記憶しやすさ、単純接触効果も相まって、世代を超えて認知され、入学シーズンの象徴的な言葉として定着しています。

8. ルミネ:「わたしらしくをあたらしく」(他多数)

画像引用:LUMINE
広告主・商品: ルミネ、ファッションビル
ターゲット: 主に20代~30代の働く女性
コピー例: 「わたしらしくをあたらしく」「運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる。」等
背景・目的: ターゲット女性の心理を捉え、共感を呼ぶ広告キャンペーン。
解説: 商品の直接訴求ではなく、ターゲット女性の深層心理(恋愛、仕事、自己肯定感など)に語りかけます。リアルな感情や葛藤を代弁する言葉で強い共感と「自分ごと化」を促進。短いコピーにストーリーテリングの要素を凝縮し、想像力を掻き立てます。「わたしらしく~」のように自己肯定感を後押しするメッセージも多く、ファッションを通じた自己実現を示唆。これらを通じて、共感的で洗練された独自のブランドパーソナリティを構築し、単なるファッションビルを超えた存在価値を示しています。

9. 有楽製菓 ブラックサンダー:「一目で義理とわかるチョコ」

画像引用:ひと目で義理とわかるチョコ「ブラックサンダー」のサンダーショップが愉快すぎた【愛知県豊橋市】
広告主・商品: 有楽製菓、チョコレート菓子「ブラックサンダー」
ターゲット: バレンタインデーに義理チョコを贈る/贈られる可能性のある男女
背景・目的: 2013年、「義理チョコ」市場に特化し話題性を喚起。
解説: 日本の「義理チョコ」文化(社会的文脈)をユーモラスに捉え、多くの人が感じていた潜在的な不満(面倒臭さ、気まずさ)に光を当てました。商品を「義理チョコの最適解」と明確にフレーミングし、贈る側・受け取る側双方の心理的負担を軽減する提案で共感を獲得。正直さと面白さがSNSで拡散(社会的証明の逆用)、大きなPR効果を生みました。手頃な価格という合理的側面も「義理に最適」という文脈で強調された、戦略的コピーの傑作です。

10. KINCHO(大日本除虫菊):「つまらん」「超難解新聞広告」など

画像引用:好きなCMシリーズ➁
広告主・商品: KINCHO、殺虫剤・防虫剤など
ターゲット: 一般消費者
コピー例: 「つまらん。お前の話はつまらん。」「いま、いいよね。一方通行の新聞広告」等
背景・目的: 長年のユーモアと意外性あふれる広告で話題性とブランド個性を確立。
解説: 殺虫剤のイメージとは対照的なユーモアと意外性を追求。シュールなCMや難解な新聞広告は、他の広告との対比効果で注意を引きつけます。読者参加型のインタラクティブ性は接触時間を延ばし共有を促進。「広告なんて誰も見ない」というメタ認知に基づき、広告自体をネタにすることで、かえって注目と好意的なブランドパーソナリティ(ハロー効果)を形成。広告の常識を覆すアプローチで強いブランド個性を確立しています。

11. カルピス:「カラダにピース」

画像引用:「カラダカルピス」 CM 「弟が来た」編 
広告主・商品: カルピス(アサヒ飲料)、乳酸菌飲料「カルピス」
ターゲット: 子どもから大人まで、幅広い層
背景・目的: 健康イメージと安心感をシンプルでポジティブな言葉で表現。
解説: カルピスの価値を見事に集約したスローガン。「カラダに」で健康への貢献(合理的ベネフィット)を示唆し、「ピース」で平和・幸福感・安心感といった感情的ベネフィットを喚起。身体と精神の両面への価値を短いフレーズで表現しています。リズミカルで覚えやすく、ポジティブな言葉がブランド全体への好印象(ハロー効果)を与え、幅広い層に受け入れられる安心感を醸成。ブランドイメージを効果的に強化しています。

12. マクドナルド:「i'm lovin' it」

画像引用:マクドナルドの「i’m lovin’ it」の文法は正しいか? 
広告主・商品: マクドナルド、ファストフードレストラン
ターゲット: 幅広い一般消費者
背景・目的: 2003年から続く世界共通スローガン。ポジティブな体験や満足感を表現。
解説: 世界的に認知されるグローバルスローガン。"lovin' it"(大好き)という直接的な感情表現に特化し、現在進行形でライブ感を強調。"i'm" という一人称と口語表現が、消費者自身の言葉のように響き、親近感と共感を促進します。シンプルな英語で普遍性が高く、サウンドロゴと共にブランド認知に貢献。食事だけでなく、店舗での体験全体への肯定的な感情を集約する役割を果たしています。

13. コスモ石油:「ココロも満タンに」

画像引用:聞かせてココロも満タンに」スペシャルサイト
広告主・商品: コスモ石油、ガソリンスタンド、エネルギー供給
ターゲット: 自動車ユーザー、一般消費者
背景・目的: 燃料補給(モノ)だけでなく、心の充足(コト)も提供することを示す。
解説: 物理的な「満タン」(合理的側面)に「ココロも」という言葉を加え、情緒的な付加価値を提示。燃料だけでなく心も満たすサービスを提供するという企業姿勢を示し、差別化を図っています。「満タン」の充足感を「ココロ」と結びつけ、ポジティブな感情を喚起しブランドイメージを向上。顧客の精神的満足にも配慮する顧客志向をアピールしています。意外性のある組み合わせと覚えやすさも特徴です。
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「響く言葉」は、仮説と検証の先にある
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山本達巳 つきみ株式会社

著者山本達巳 つきみ株式会社

静岡市出身、関西学院大学卒。地元医療系企業での経験を経て、父親の医療介護系企業に参画。留学をきっかけに輸入雑貨のEC事業を開始し、令和元年に独立。自社アウトドアブランドの展開を経て、令和6年につきみ株式会社を設立。商品ページ作りや広告運用、SNSなどECに関係する領域を幅広く対応しつつ、商品ブランディング支援を行っている。

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