アドクロ編集部がお届けする2025年5月19日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。
Topics①:モバイルゲーム「学園アイドルマスター」の広告

モバイルゲーム「学園アイドルマスター」の広告です。
人気ゲーム「アイドルマスター」シリーズとして昨年配信された「学園アイドルマスター」のリリース1周年を記念した大型広告で、右半分には配信が開始された新キャラクターのビジュアルが大きく描かれ、左半分にはライブの映像と各キャラクターの軌跡がボードに貼られたようなクリエイティブになっています。
特にボードのデザインの広告は、多数の写真と手書きメッセージが貼られた温かみのあるデザインとなっていて、学校の掲示板や教室の黒板のイメージで「学園」というテーマに沿った世界観を演出しています。また、実際のマグネットで写真が留められているような装飾が使用され、広告に立体感を演出していました。
20年続く人気ゲームの新シリーズということもあり、新キャラクター実装や周年イベントに合わせた熱量がうかがえる広告展開となっていました。

Topics②:大暮維人氏の漫画「灰仭巫覡」の広告

漫画家・大暮維人氏の画業30周年を記念した、最新作「灰仭巫覡」の広告です。
落ち着いたトーンが使用され、洗練されたデザインの中央には「大暮維人 画業30周年の集大成 灰仭巫覡」という見出しを黄色の文字で配置。両脇には武器を構えた登場人物のイラストが躍動感あふれる姿で描かれています。
広告には大暮氏が過去に手掛けた代表作品が時系列で並べられ、「天上天下」や「エア・ギア」などの代表作が英字の作品名とともに、各作品のキャラクターが白黒の線画で統一感を持って描かれています。
大暮氏の30年にわたる画業の変遷を一望できるこの広告からは長年のファンに向けた敬意を感じられるとともに、最新作での新たなファン獲得を狙う印象的なクリエイティブとなっていました。


Topics③:明治「Dear Milk」の広告

明治の「Dear Milk」アイスクリームの広告です。「原材料、乳製品のみ」という製品特性を視覚的に表現するため、従来の広告手法とは一線を画した「真っ白抜き広告」というコンセプトを採用しています。
広告には、小さな白いカップから乳製品を味わう瞬間を捉えた写真が並びます。製品自体をあえて白抜きにし、ほとんど見せないという逆説的な表現手法が特徴で、「濃厚なのに澄みわたる後味」「朝から食べたくなる、軽やかさ」などの短いコピーと共に、人々の表情から感じ取れる「驚きのおいしさ」を中心に据えた感覚的なアプローチとなっています。
「何も足さないアイスクリーム」というシンプルな商品コンセプトを、無駄を削ぎ落とした広告デザインそのものでも体現。初夏の季節にマッチした清涼感と、添加物不使用という商品価値を同時に訴求していました。

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ONE CAREER × Adobe Expressコラボレーション広告
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