アドクロ編集部がお届けする2025年6月2日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。
Topics①:大森元貴さん 3rdデジタルシングル「絵画」の広告

Mrs. GREEN APPLEのフロントマン、大森元貴さんの3rdデジタルシングル「絵画」の広告です。
楽曲タイトルの「絵画」という言葉通り、美しいアート作品のように描かれた大森さんのビジュアルが特徴的で、音楽と視覚芸術を融合させたクリエイティブは楽曲タイトル「絵画」のコンセプトを視覚的に体現しています。色彩豊かで詩的な世界観は、従来のポップスの枠を超えた芸術性の高い作品であることを予感させます。
この楽曲についてはネット上で4月に謎のサイトが公開。ファンの間で「ソロ楽曲のリリースではないか?」という声が高まる中、時間の変化とともに徐々に絵が塗り進められ、最終的に大森の肖像画が浮かび上がるという演出となっていたようです。その完成形となるビジュアルが楽曲のQRコードとともに大々的にOOHで展開されるという巧妙なプロモーション戦略でした。

Topics②:マルシィ「ONE MAN LIVE」横浜アリーナ公演の広告

マルシィ「ONE MAN LIVE」横浜アリーナ公演の広告です。
来年1月に行われるライブを告知する広告が、3つの異なるデザインパターンで展開。バンドメンバーの演奏シーンを大きく配置した写真や、楽曲の歌詞を大きなタイポグラフィで表現したビジュアルが特徴的です。

特に印象的なのは、歌詞の一部を壁面全体に配置したクリエイティブです。巨大な文字が通行人の目を引き、歩きながら歌詞を読み進めることで楽曲の世界観を体感できる仕掛けとなっています。この広告はピールオフ広告となっていて、ファンが楽曲「絵空」を再生できるミュージックキーホルダーを持ち帰れる参加型プロモーションが展開されていました。
長い通路を利用し、歩きながらマルシィの楽曲に触れることができる広告展開です。1月のライブ開催に向け、年明けの大型イベントとしてファンの期待感を高める仕掛けとなっていました。

Topics③:Netflix「暗闌バイト募集中」の広告

渋谷道玄坂エリア シート貼り広告
Netflix「暗闌バイト募集中」の広告です。
鮮やかなピンク色をベースカラーとし、「暗闇バイト募集中」という一見不穏な文字だけを大きく配置することで、瞬間的に視線を捉える強烈なインパクトを生み出しています。極めてミニマルなアプローチで、通行人の視線を惹きつけるOOH展開となっています。

「暗」という文字が背景と同化し、パッと見で「何のバイト?」という疑問を抱かせます。詳細を知りたくなる心理を巧妙に利用し、QRコードによる導線設計により興味を持った人々を専用サイトへと誘導し、そこで初めて「イカゲーム」シーズン3のプロモーション企画であることが明かされる仕組みとなっていました。
社会問題化している「闇バイト」というキーワードを逆手に取った話題性の創出は、リスクを伴いながらも強烈な視覚的インパクトを狙った大胆な戦略といえます。シンプルな文字情報のみで構成された広告デザインは街中で存在感を放ち、SNSでの拡散や口コミ効果も期待できる計算された仕掛けとなっています。

Topics④:松田聖子さん45周年記念ベストアルバムの広告

松田聖子さんのデビュー45周年記念ベストアルバム「永遠のアイドル、永遠の青春、松田聖子。」の広告です。
ピンクとホワイトを基調とした愛らしいデザインで、ハート型のモチーフを多用した華やかなビジュアルが特徴的です。
松田聖子さんの様々な時代の写真や映像を使用した、長年のファンから新しい世代まで幅広い層にアピールするクリエイティブです。「永遠のアイドル、永遠の青春」というキャッチコピーが時代を超えて愛され続ける松田聖子さんの魅力を表しています。
6月4日発売という夏前のタイミングは、松田聖子の代表曲「青春」の季節感とも合致。彼女の楽曲ファンにとってはノスタルジックな気持ちを喚起する効果も感じられます。駅構内という多くの人が利用する場所で大規模展開することにより、幅広い年齢層への認知拡大も狙ったプロモーションとなっていました。


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渋谷ジャック!timelesz ニューアルバム「FAM」の広告
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