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TOP 記事一覧 広告事例 「世界は毎日、撮られ待ち。」アマナ、生成AI時代に写真の魅力を伝える駅広告

更新日:2026年09月01日

「世界は毎日、撮られ待ち。」アマナ、生成AI時代に写真の魅力を伝える駅広告

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株式会社アマナは、8月19日の「世界写真の日」に合わせ、写真の魅力や撮ることの楽しさを伝える自社広告を、りんかい線天王洲アイル駅に掲出した。掲出期間は8月18日から24日までで、2種類の広告を展開した。生成AIによって誰もがイメージを生み出せるようになった今だからこそ、1979年に広告写真の制作会社として設立されたアマナは今回、「写真を撮ること」そのものの楽しさを広告のテーマに据えた。
広告の一つは、「想定外こそ、おもしろがろう。世界は毎日、撮られ待ち。」というコピーとともに、地面に落としてしまったアイスクリームを被写体にしたもの。もう一つは、「ごちそうさまのお皿には、おいしかった時間が残っている。」というコピーを掲げ、食べ終わったあとの皿を撮影した広告。一見すると何も残っていない皿から、その場で過ごした時間を想像させるクリエイティブとなっている。今回の広告は、アマナの新卒社員を対象としたクリエイティブ研修から生まれた。「世界写真の日に、アマナから写真の魅力をどう伝えるか」をテーマにチームごとに企画を立案し、社内クリエイターによる講評や最終プレゼンテーションを経て2案を選出。選ばれた新卒社員は先輩クリエイターとともに、企画のブラッシュアップから撮影、コピー、デザイン、入稿・納品まで実際の広告制作に携わった。
今回の新卒クリエイティブ研修で企画責任者を務めた株式会社アマナのプランナー・コピーライター・クリエイティブディレクター、櫻井ノマド氏によれば、生成AIによって誰もがイメージを生み出せるようになった今だからこそ、改めて「写真を撮ること」について考えてほしいという思いが企画の背景にあったという。研修では、新卒社員自身が「写真にはどんな価値があるのか」「なぜ人は写真を撮るのか」を考えるところからスタート。「写真」はアマナにとって長く向き合ってきた大切なテーマである一方、写真を取り巻く環境が大きく変化する中、これまでの常識にとらわれず、今の時代を生きる新卒社員が感じる「写真の価値」を起点に、アマナという会社について考える機会とした。また、広告は企業だけのものではなく、公共の場に掲出される以上、社会や生活者との接点を持つものという考えも研修に反映されている。企業・生活者・社会、それぞれの視点から「写真」を考える経験そのものにも意味を持たせたという。
広告に登場する「落としてしまったアイス」と「食べ終わったあとのお皿」は、いずれも「写真に写す対象は、必ずしも美しいものや特別なものでなくてもいい」という発想から生まれた。「落としてしまったアイス」は、思わず「!」と感情が動く日常の一瞬を象徴するモチーフ。写真には目に見えるものだけでなく、その瞬間に生まれた驚きや焦り、楽しさといった感情まで残せるという価値を、誰もが経験したことのある身近な場面から表現している。
一方の「食べ終わったあとのお皿」は、一般的には「映える写真」とは言いにくい題材だ。SNSで人に見せることを前提に写真を撮る機会が増えた今だからこそ、「映えるかどうか」にとらわれず、自分が心を動かされたものを自由に撮っていいのではないかという問いを投げかけた。一見すると写真の題材として選ばれにくいものにあえて目を向けることで、今の時代における写真の価値を改めて考えてもらう狙いがある。
新卒社員から提案された企画の中で今回の2案が選ばれた理由について、櫻井氏は、企画の着眼点だけでなく、「写真の価値」というテーマをそれぞれのチームが自分たちなりの言葉と表現へ落とし込めていたことが大きかったと説明する。最優秀賞となった企画「写真には『!』までうつる。」は、日常の中で感情が動く瞬間を捉え、コピーとビジュアルを一体化して写真の価値を表現。企画から具体的なアウトプットまで一本筋が通っていた点も評価につながった。優秀賞となった企画「今、SNSがなかったら、どんな写真を撮りますか?」は、SNSが当たり前になった時代だからこそ生まれる問いから、写真を撮る理由そのものを考え直した企画だ。ビジュアルに至るまでのストーリーテリングや着眼点の面白さが高く評価されたという。一方、選出された時点で完成形だったわけではなく、審査員からは「アマナだからこそ伝えられるメッセージ」として、さらに表現を磨いてほしいとの意見も寄せられた。そうしたフィードバックも含め、より強い表現へ発展する可能性を感じられたことが、2案の選出につながったと櫻井氏は語った。
今回の広告の特徴は、落としたアイスや食後の皿という、通常なら広告写真の主役になりにくい被写体をあえて選んだ点にある。いわゆる「映える」被写体ではなく、何気ない日常にカメラを向けることで生まれる発見をクリエイティブに落とし込み、「撮ることで、見えてくる」という写真の価値を直感的に伝えている。商品やサービスを直接訴求するのではなく、自社のルーツである「写真」を題材に、アマナが何を大切にしている会社なのかをクリエイティブそのもので示した企業広告と位置付けられる。
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石井俊之 アドクロ編集部

著者石井俊之 アドクロ編集部

株式会社ビズパ/代表取締役CEO:東証プライム上場企業(株式会社ラクーンホールディングス)の副社長としてB2B事業をゼロから拡大させた実績を持つ経営者・マーケター。現在は「広告業界のDX」を掲げる「アドクロ」を運営。大手企業からスタートアップまで、広告・マーケティング戦略の立案・実行を支援。

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