群馬県千代田町は、「じゃない方の千代田」プロジェクトの一環として、東京都千代田区内で交通広告を展開した。9月7日から永田町駅、神田駅、秋葉原駅、九段下駅周辺のバス停4カ所に掲出し、9月14日からは有楽町駅にも広告を展開。東京都千代田区と間違えられることの多い町が、あえて"本家"ともいえる東京・千代田エリアに乗り込む企画となっている。

「じゃない方の千代田」は、「東京都千代田区ですか?」と間違えられる群馬県千代田町の特徴を逆手に取ったシティプロモーションだ。自ら「じゃない方」と名乗る自虐的な切り口を入口に、「ビールのまち」をはじめとする千代田町の魅力を知ってもらうことを狙っている。

2026年9月から展開した第二弾では、メインキャラクター「千代田線男」と「町子」を軸に、交通広告やショートドラマ、SNSキャンペーン、リアルイベントなどを組み合わせた。交通広告では、千代田線男と町子を前面に出し、"もう一つの千代田"の存在を訴求。日常的に千代田区を行き交う人に対し、「千代田」という共通の地名をフックに群馬県千代田町との偶然の出会いをつくった。自治体側が自ら東京・千代田へ出向くという構図そのものを、広告のストーリーとして活用している点も特徴だ。

交通広告だけで施策を完結させず、9月18日から20日には有楽町の東京交通会館でポップアップイベント「チヨーダの酒場」も開催した。会場では千代田町の自然や暮らし、ふるさと納税に関する情報を紹介したほか、特産品のビールやオリジナルグッズなどが当たる抽選会、千代田線男と町子の特大パネル展示を展開。「酒場」と銘打ちながら会場では飲食を提供しないというユーモアも、プロジェクトの世界観につなげた。


自治体の弱みともいえる"間違えられる名前"を起点に、都市空間全体をシティプロモーションの舞台へ変えた取り組み。「知名度が低い」「別の自治体と間違えられる」という一見ネガティブな要素を、そのままコミュニケーションの資産へ転換している。「千代田」という名前を共有する東京・千代田区に広告を出すことで、広告を掲出する場所そのものが企画のメッセージになっている。さらに、交通広告で認知を生み、SNSやショートドラマで興味を広げ、ポップアップイベントで実際に町との接点をつくっている。

