近年、健康志向の高まりやフィットネスブームにより急速に拡大しているプロテイン市場。数多くの商品が販売されるレッドオーシャン市場の中で、今注目を集めているのが「VALX」です。独自のブランド戦略や熱狂的なファンの支持を背景に急成長を遂げています。
今回は、VALXを開発する株式会社レバレッジの取締役CBO兼ブランド戦略部長の大森氏とマーケティング担当の古賀氏に、ブランドの成長理由や今後の展開について取材しました。
レッドオーシャン市場の中、4年で急成長したVALX
編集部:まずはVALXのビジネスについて教えてください。
大森:VALXは2024年10月5日で、ブランド立ち上げからちょうど5周年を迎えます。有名なボディビルダーである山本義徳先生をお招きし、一緒に最高のブランドを作ろうというところからスタートしました。山本先生は松坂大輔氏など数多くのプロ競技者や格闘家のトレーナーもされていた、筋トレ界のレジェンド的存在です。
【筋トレ界のレジェンド的存在である、山本 義徳(やまもと よしのり)氏】
ちょうどコロナ禍で、社会全体で自宅でのトレーニングや健康への関心が高まっていた時期でした。その中で、筋トレ界の象徴的な存在である山本先生が監修したブランドということもあり、4年余りで急速に成長しました。
今ではプロテインがコモディティ化し、市場は急速に拡大していて競争も激化しています。我々としては、今後さらに独自性を高め、商品開発やマーケティングの戦略を強化していく必要があると考えています。
編集部:ブランド事業のほかにジム運営もされていますが、収益の柱としてはやはりプロテインが多いのでしょうか?
大森:そうですね、プロテインが売上の大部分を占めていることは間違いありません。立ち上げ当初から最近まではオンライン販売が中心で、Amazon、楽天、Yahoo、Qoo10などのプラットフォームや自社サイトを通じて売り上げを作っていました。しかし、今年の6月からは全国の約500店舗のドン・キホーテ系列店(※一部店舗を除く)での卸売も始め、現在急速に拡大しています。これまではDtoCブランドとして認識されていましたが、今後はその構造も少しずつ変わってきています。
【株式会社レバレッジ 取締役CBO兼ブランド戦略部長 大森氏】
“内製化”して強いブランドメッセージを発信
大森:弊社のブランド戦略チームでは、VALX全体のブランド戦略設計からクリエイティブの制作、SNSやプロモーションを通じた顧客とのコミュニケーションを全て行っています。弊社の大きな特徴は、この内製化の徹底だと思います。
実は、運営しているジムの空間デザインも含めて、ほぼすべて内製化しています。その方が社内での意思疎通が速く、クオリティのコントロールもしやすいというメリットがありますね。
編集部:VALXがターゲットとしている層はどのあたりなのでしょうか?
大森:現在のロイヤルユーザー、つまり最もブランドを支持してくださっている方々は、ほとんどが何らかの形でトレーニングをしている方々です。ブランドの始まりが山本先生との共同でスタートしたことも大きいですね。トレーニングをしている人にとっては、山本先生は「神様」のような存在です。そのため、ブランドの初期段階ではトレーニングに親しんでいる方に強く刺さったのは確かです。
VALXを認知してくださる主な経路は2つあって、1つはコロナ禍でジムに行けない状況の中、自宅でトレーニングをしたいと思った方がYouTubeで「筋トレ大学」の動画を見てVALXを知ってくださったパターン。もう1つは、プロテインに興味を持ち始めた方がAmazonなどで検索してVALXの商品に出会ったというパターンです。
今後、新しい層として女性や高齢者層にもアプローチしていきたいと考えています。女性にとってもタンパク質は肌や髪、爪に必要な栄養素ですし、健康増進の取り組みは今の日本の高齢化社会的にも重要なテーマです。企業としてもこのような社会的な意義に向き合う必要があると感じていますが、現在のブランドイメージは少し「マッチョ」な感じが強いので、健康維持に役立つ商品であることを訴求していこうと考えています。
編集部:敬老の日には、シニア向けのサイネージ広告も出されていましたね。
【VALX敬老の日メッセージ広告】
大森:VALXブランドとしてのメッセージを発信する目的で展開しました。我々のブランドフィロソフィーとして、「広く皆さんの健康をサポートし、エネルギッシュにしていきたい」という考えが根幹にありますので、あの広告でコンバージョンを狙うというよりは、このようなブランドとしての姿勢を示すための施策でした。
LINEをハガキに変えてCVR5倍
編集部:VALXの売上の構成は、リピーターが多いのでしょうか?
続きを読むには
会員登録無料が必要です
会員登録無料が必要です
全ての記事が閲覧できます