「、」や「！」にもこだわった面白さと応援のベストバランス
―――クリエイティブは、どのようにして作られたのでしょうか？
メインのコピーを入れつつ、他にどんな面白いものが仕掛けられるかを検討していきました。例えば、渋谷スクランブルスクエアビジョンの広告クリエイティブは、「変な図形が出てきたらビビってしまう」というインサイトを使いながら、渋谷スクランブルスクエアビジョンの特徴的な形を活かした展開を行いました。
また、“動く点P”の存在感を活かし、点Pがレール上を動いて見えるようなステッカー広告も掲出しました。これらは企画と媒体とをセットで検討しました。
―――クリエイティブ制作で、どんなところに苦労しましたか？
コピーライティングする上で、言葉遣いや表現には一番気を使いましたね。最後の言葉尻や「、」「！」「…」などの使い方にもこだわりました。また、メインコピーで強い文体を使うかわりに、サブコピーでどう柔らかさを作るべきか、など細部まで調整しました。
“受験”ってとてもセンシティブで、言葉遣い一つでとても不安な気持ちになってしまったりする繊細な領域なので、そんな中で、受験生を応援しつつも真面目過ぎずユーモアを取り入れていくことが今回のチャレンジでした。
受験生に、束の間でも緊張を緩めて楽しんでもらいながら、一つ上の先輩という距離感で応援するZONe ENERGYの想いを受け取ってもらうには、“面白さ”と“応援”のバランスがどれぐらいだとベストなのか、私の周りにいる大学生にもヒアリングを行うなど、コピーライティングを工夫し、制作しました。
―――気に入っているコピーや、反響があったクリエイティブなどを教えてください。
電車ジャックの広告の中に「妙に簡単でも不安になるな！きっと・・・キミがすごいだけだ！」というコピーがあるのですが、今までになかった角度からの不思議で、でも真っ直ぐなメッセージで気に入っています。
また、反響があったのは「数式が顔に見えてきたら、いったん目を閉じよう！」というコピーが記載されているクリエイティブです。このコピーとともに、一瞬顔にも見えるような数式の写真を入れたデザインなのですが、予想外にもとても話題にしていただきました。
「励まされた」受験生に届いたZONe ENERGYの想い
―――交通広告を中心とした広告展開でしたが、どのように媒体を選んだのでしょうか？
交通広告を選んだ一番大きな意図は“受験生の方にしっかり見ていただく”という点でした。そこからさらに、面白いクリエイティブの見せ方ができるという理由から、電車ジャックやバス停広告を選んでいきました。
具体的な掲出先は、受験生がよく利用する電車やバス停を選ぶようにしました。例えば、JR中央線を選んだのは、通学でベッドタウンから都心部に移動する人が多い印象があったためです。バス停は、受験生が通う予備校や学習塾に近いバス停や、大学の近くのバス停などを選びました。
―――今回の広告施策、お客様からの評判はいかがでしたか？
今回の広告施策は受験生を励ますメッセージを届けたいというのが一番の目的でしたので、受験生の反応は特に注目していました。実際に掲出されている広告を見に行った際、高校生の2人組がZONe ENERGYの広告のコピーを笑いながら、声に出して読んでる姿を見かけました。
その他にも、受験生の方から「励まされました」という投稿をいただいたり、企画の意図にあった反響を得ることができました。
小松未知子 アドクロ編集部
眞鍋早来 アドクロ編集部
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