韓国のインターネット文化を語る上で、絶対に外せない存在があります。それが「NAVER（ネイバー）」です。
日本ではGoogleが圧倒的なシェアを誇る検索エンジン市場ですが、韓国では全く異なる光景が広がっています。NAVERは韓国国内で6割という圧倒的なシェアを持ち、国民の8割超がスマホアプリを利用している、まさに韓国のデジタルインフラそのものと言える存在です。
「検索エンジン」という枠を超え、ブログ、ショッピング、地図、決済システムまで、韓国人の日常生活のあらゆる場面に浸透しているNAVER。韓国でビジネスを検討する企業にとっては、このプラットフォームを理解することが集客や認知獲得への第一歩となります。
本記事では、2020年に韓国越境ECで起業し、IT・EC未経験から韓国輸出で売上0から1年で月商900万円超を達成した筆者が、意外と知らない韓国のSEO事情を紐解きつつ、NAVERの基本的な仕組みから韓国人の利用実態、そしてマーケティングにおける活用方法まで、韓国独自のデジタルエコシステムの全貌を詳しく解説していきます。
検索エンジンシェア62.61%！韓国で存在感を放つ「NAVER」
NAVERは韓国で一番人気の国内のみで使用される検索エンジンです。Googleと比較して韓国に最適化されており、国内情報が密集して集まっているのが特徴です。
検索エンジン以外にもブログやカフェをはじめ、NAVERショッピング、NAVERマップ、NAVERウェブトゥーンなど様々なサービスを提供していて、韓国国民の生活に密着したネットインフラを形成しています。検索エンジンシェア62.61%で1位を占め、国内ではGoogleより高い影響力を持っています。
出典：INTERNET TREND
NAVERのシェアはもとの9割程度から54.26％まで減少（2024年8月7日時点）していましたが、2024年12月以降、7年ぶりに70％台まで急回復しました。理由はユン・ソンニョル大統領の戒厳宣布でアクセスが集中して、以後つづく弾劾関連ニュースに10％超が継続して増加している流れによるものです。韓国検索エンジン市場のシェア推移を見てみると、以下のようになっています。
- NAVER：87.3％（2017）→58.1％（2021）→54.73%（2024）→62.61％（2025/4/30）
- Daum：10.6％（2017）→3.4％（2021）→3.33%（2024）→3.18％（2025/4/30）
- Google：0.2％（2017）→36.0％（2021）→37.2%（2024）→29.77％（2025/4/30）
出典：【右表】毎日経済、【左表】毎日新聞（INTERNET TREND)
また、NAVERのスマホアプリのインストール数は4,426万人（WISE APP/2024年11月）で、実に国民の85.6％が利用している計算になります（人口参照：5,170万人/2023 Data Commons）
出典：WISE APP
余談ではありますが、これほどまでに韓国社会に浸透しているNAVER、その巨大プラットフォームを支える本社はどのような場所なのか気になりませんか？筆者は以前、NAVER本社に訪問したことがありますが、最先端技術が詰まった、まるで未来都市のような空間となっていました。
他の検索エンジンと差別化された特徴
NAVERは検索エンジン以外にも、EC、ブログ、カフェ、チャット、電子マネー、地図、Q&Aなど自社プラットフォームで様々なサービスを展開しています。特徴として、
- 検索エンジン以外にも他の付加情報を提供し、関連サービスに連動されやすい（例：NAVERで商品を検索してブログに流入 -> NAVERショッピングコーナーで購入。）
- NAVER自体で作成した投稿が上位表示される。外部で作ったリンクは上位表示されにくい。
- Google、Bingなどと異なり、独自のアルゴリズムを使用する（例：ブログ内にURLを掲載するのはSEOに悪影響を与える。）
韓国人は主に韓国の情報はNAVERで検索し、グローバルな知識検索や情報入手にはGoogleを使っています。例えば、韓国国内ニュースやお店の情報はNAVER、プログラミングのコード検索や海外旅行の情報を得るためにGoogleを活用するといった形で使い分けをしています。
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NAVERの韓国内マーケティングの影響力
NAVERの韓国内マーケティングの影響力
藤田裕貴 Free Life＆Co株式会社
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