
面白いOOHを見つけるなら、実際に駅やまちを歩いて広告を巡るのが一番!今回は、日々OOHを撮影し、紹介する活動を行っている総合報道編集部さんと、「広告巡礼」を重ねながらSNSで情報を発信しているアドクロ加藤が、OOHならではの面白さや最近のトレンドについて語り合いました。
※本内容は、2026年6月15日発売の総合報道発行「OOH事例集2025」に掲載された対談記事になります。
参加者
総合報道「OOH撮影隊」(@sogohodopopeye)
定期的に街を歩き回り面白い広告を探し、SNSで紹介。現在のメンバーは下記の4人。
- K 愛猫(1歳半♀ラグドール)を溺愛
- H エビを見るのも食べるのも大好き
- O ラーメンとエナジードリンクが血肉
- S FC東京の熱血サポーター
アドクロ加藤(@adbrex_)
広告・マーケティング情報の総合プラットフォーム「アドクロ」を運営。

活動のきっかけとスタンスの違い
K:本日はよろしくお願いします。今回はOOHの「2025年のトレンドとこれから」をベースにお話ししつつ、今回対談に至った経緯も少し振り返りたいと思います。
O:加藤さんのように、街中の広告を定点的に観察・発信している活動と、私たちのメディアとしての発信が近い部分もあるので、一度しっかりお話しできたら面白いのではと。
加藤:ありがとうございます。そもそも私がこうした発信を始めたのは、2019年に今の会社に転職したのがきっかけです。前職は食品系で、広告の知識はほぼゼロでした。
H:そこから独学で?
加藤:はい。勉強のために事例収集の一環で街中の広告を撮影し始めました。最初はビジネス系の発信をしていましたが、ネタが尽きて(笑)。撮りためた広告写真を投稿するようになったのが2020年頃ですね。
S:そこから現在のスタイルに?
加藤:そうですね。継続していく中で、「毎週変わっているな」とか「この時期はこういう広告が多いな」と気づくようになっていきました。
K:加藤さんの発信は、いわゆる広告業界的な目線というより、生活者視点が強い印象があります。
加藤:まさにそこですね。私は業界出身ではないので、「一般消費者としてどう見えるか」という視点を大切にしています。それが逆に続けやすさにもつながっていると思います。
O:私たちはメディアという立場なので、加藤さんの視点がとても参考になっています。
SNS発信とメディアの役割
K:私たちも2021年頃からXで発信を始めていますが、当初は専門誌との役割の違いに悩みました。
H:紙媒体は業界向けで、Xはかなりポップな生活者目線なので、どうつなげるかが難しくて。
O:ただ、今は認知拡大のためのブランディングと割り切っています。結果的に取材もしやすくなりましたし、「Xを見ています」と言われる機会も増えました。
加藤:それはすごく感じます。私もランチ会などで広告関係者の方と話すと、「総合報道さんも見ています」と普通に出てきますよ。
S:ありがたいですね(笑)
「OOH×SNS」は当たり前に
K:最近の大きな変化として、「OOHとSNSがセットで設計されている」という点があると思います。
加藤:完全にそうですね。コロナ禍以降、一気に加速した印象です。
O:人流が減ったことで、「どうやって見てもらうか」を考えた結果、SNSでの拡散が前提になりましたよね。
加藤:今は「バズる前提」で作っている広告も多いですよね。現地で見てもらうというより、写真を撮って投稿されることがゴールになっている。
H:実際、小規模でも話題になる広告が増えましたよね。
加藤:サイズじゃなくて「ストーリー」や「発見性」が重要になっている気がします。
S:ただ最近はSNSで拡散される前提で、広告がどんどん過激になっている傾向も感じます。 バズることを狙った設計ですよね。
加藤:その分炎上リスクもあるので、まさに“諸刃の剣”ですね。
“バズり”の質と難しさ
S:総合報道で投稿しながら気になるのが、「いいバズり」と「意図していないバズり」の違いです。
加藤:ありますね。広告起点で話題化し、結果的に商品・サービスを知ってもらえるきっかけを作れるのが“いいバズり”。一方で、タレントやIPの力だけで伸びるケースもある。
H:確かにそうですね。
加藤:もちろん注目されますが、それでフォロワーが増えても広告への関心につながるかは別問題です。実際、広告に言及した投稿がバズったとしても、その数値が「タレントやIPの力」を映しているのか、「広告内容への関心」を映しているのかで、評価すべき意味合いは変わってくるように思います。
O:当社の場合は、こうしてフォローしてくれた人からも「広告の面白さ」に関してのリプライが寄せられることもありました。
K:もしかしたら加藤さんのようなインフルエンサー的な発信と、当社のメディアとしての発信の違いなのかもしれませんね。
広告市場の構造変化
K:市場の変化についてはいかがですか?
加藤:コロナ禍ではスタートアップや応援広告が増えましたよね。枠が空いたことでOOHに新しいプレイヤーが参入しました。ただ最近は、大企業の出稿が戻ってきている印象です。大型ジャックやタレントの起用も増えてきています。
H:新しい形の広告は定着しつつ、従来型も復活している、と。
加藤:そうですね。両方が併存している状態だと思います。
場所と“そこでしかできない広告”
S:最近は「場所の文脈」を生かした広告も増えていますよね。
加藤:かなり増えましたね。「その場所でやる意味」が重要になっています。
O:例えば両国で相撲関連のプロモーションとか。場所がコンテンツ化しています。
加藤:例えばあるテレビ番組が、視聴率が全国で最も高いことにちなんで青森で広告展開したといった事例がありましたが、出稿した事実自体をストーリーにするケースもあります。さらに、広告枠でない場所を使ったり、変形ビジョンを活用したり、「そこでしかできない表現」が増えている印象です。

「時期×場所×アイデア」の掛け算
加藤:場所に縛られない面白い事例は目立ちますよね。例えば3月は入学式や卒業式の時期なので、武道館周辺で学生向けの広告が出稿するケースなど。
O:ターミナルじゃない場所でも、ストーリーがあると成立しますよね。リリースを書く時も、やはりストーリーが大事。
H:都内だとこれからどの駅が流行りそうですか?
加藤:渋谷は発信源なのでもちろん強いですが、一方で“ストーリーが作れる駅”がいいと思います。例えば水天宮。安産祈願で妊婦さんが集まるので、関連ストーリーが作りやすい。
S:なるほど、神社やパワースポットと紐づく駅ですね。確かに文脈がある。
加藤:場所や時期の文脈に合わせた広告は効果的です。過去、私が関わった案件で「怪しい勧誘の温床になりがちなシチュエーション」で、それを皮肉るような広告を出したい、と相談をいただき、場所の提案をしたことがありました。結局ボツにはなりましたが(笑)。
O:生活者のライフステージによって目に入る広告も変わりますよね。
加藤:例えば葬儀サービスの広告も、必要なタイミングで初めて意味を持つ。
K:水天宮の例と同じで、「場所×人×タイミング」の一致が重要ですね。
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主要駅依存からの変化
主要駅依存からの変化

