Topics④：キャリタス就活の広告
キャリタス就活の広告です。鮮やかな青を基調にしたデジタルサイネージで、「ES・選考対策のクチコミ掲載件数55,000件以上」といった数値を前面に押し出したデザインとなっています。
今の時期は、新卒採用のエントリーシート提出や選考が本格化する時期であり、ES対策情報を求める就活生のニーズを的確に捉えたタイミングでの展開といえます。数値を強調した「55,000件以上」というクチコミ情報量の訴求は、就職活動において情報収集の重要性を認識している学生に対して、サービスの差別化ポイントを訴求。黄色で強調された数字が視覚的な注目点となり、通行者の目を引く効果を生み出していました。
就活支援サービス間の競争が激化する中、具体的な情報量という客観的指標を前面に押し出す差別化戦略が効果的に表現されている広告です。
Topics⑤：アサヒ「ザ・ビタリスト」の広告
ゴールドと黒を基調とした高級感あるデザインで、「うまさが輝く、苦味がある。」というキャッチコピーが特徴的です。複数のタレントが笑顔でビールを手に持つ様子が印象的で、幅広い年齢層の男女を起用することで多様なターゲット層への訴求を図っています。
4月15日に誕生したばかりの新商品であることをアピールすることで、ゴールデンウィークを前にした消費者の新しい選択肢としてのポジショニングを確立しようとする戦略が読み取れました。
クラフトビールブームや高付加価値ビールへの関心が高まる市場環境の中、「ビタリスト」という商品名と「苦味がある」という訴求は、爽快感だけでなく、より洗練された苦味を求める成熟した消費者の嗜好に応える商品特性を強調しているかのようでした。
Topics⑥：イベント告知の広告
阪急 大阪梅田カラムセット
大阪梅田カラムセットでは「大カイジ展」と「ゆめまち親子チャリティコンサート」とイベント告知の広告が展開されていました。
阪急 大阪梅田カラムセット
「大カイジ展」の広告は、強いコントラストと漫画的な迫力のあるビジュアルで注目を集め、「ゆめまち親子チャリティコンサート」は落ち着いた色調とクラシカルなデザインで、ターゲット層の違いを明確に表現。GWや今後のお出かけ先の候補としてアピールした展開となっていました。
編集部から一言
今週はアサヒ「ザ・ビタリスト」の広告展開が特に注目でした。
大阪駅ランドマークアドスクエアでの展開は、ゴールドとブラックという高級感あるカラースキームと、複数タレントの起用という二つの戦略が組み合わさった事例です。4月15日の新商品発売から間もない時期に、異なる年齢層のタレントを同時起用することで、ビール広告の典型であった「中年男性向け」というイメージを払拭し、より幅広い消費者層へのアプローチを図っています。
ゴールデンウィーク前の消費喚起期に「うまさが輝く、苦味がある」という訴求を選択した点が特徴的です。よく見る「キンキンに冷えた」「爽快感」といった夏季ビール広告の常套句から意識的に距離を置き、洗練された味わいを求める消費者心理を捉えたコピーライティングといえます。
今後、梅雨から夏にかけて各ビールブランドの広告競争は一層激化することが予想されますが、この「ザ・ビタリスト」のように、飲用シーンと商品特性を明確に結びつけた訴求がどのように発展していくか注目していきたいと思います。
アドクロ編集部
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