【渋谷】2025年9月15日週 OOHレポート

更新日：2025年09月17日

アドクロ編集部がお届けする2025年9月15日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。

Topics①：ヤクルトの広告

ヤクルトの広告です。受験をテーマにした連続的なビジュアルが展開されていました。

コピーには「9月の受験生は、悩む。悩む。悩む。」など、受験生の本音に寄り添うフレーズが並びます。秋口というタイミングは、多くの受験生にとって夏の集中勉強を経て不安や疲労が押し寄せる時期と言え、その状況を切り取った表現といえそうです。「悩みや迷いも含めて受験生活の一部」として描く姿勢がリアルで、共感を呼びやすい印象があります。

ヤクルト自体の訴求は控えめですが、受験生の心情を真っ向から描き、その最後にそっと支える存在として、「応援するパートナー」という意味を重ね合わせる役割を果たしているように感じました。

Topics②：世界陸上2025の広告

「東京2025世界陸上」の告知広告です。

広告全体は白背景を基調にしつつ、周囲を赤・黄・ピンク・白の花紙で縁取るデザインになっており、まるで学校の運動会を思わせる装飾で統一されている点が特徴的です。国際大会でありながら、誰もが経験した小中学校の運動会を想起させる演出が加わることで、世界規模の陸上競技イベントを親しみやすいもの（＝誰もが楽しめるイベント）として位置づけています。

秋は運動会シーズンでもあり、生活者にとって「走る」「競う」という体験が身近になる時期。このタイミングで“世界陸上＝運動会”というわかりやすい翻訳を施すことで、国際スポーツイベントの敷居を下げ、幅広い層に注目を集めようとする意図が読み取れた事例でした。

Topics③：JACCSの広告

109シリンダー

JACCS（ジャックス）の広告です。

ビジュアルには若い男女がクールな表情で写り「未来を買ったんだ。」というコピーとJACCSのロゴが描かれています。ローンやクレジットといった金融サービスの特性を、あえて堅苦しい説明ではなく「未来を買う」という端的でイメージしやすい言葉に置き換えている点が特徴的です。

渋谷の街はカラフルで派手な広告が多い中、この静かなトーンが逆に視認性を高めている印象があります。加えて、若年層が多く行き交う渋谷109の立地で展開されることで、消費や自己投資に前向きな世代に直接メッセージを投げかけることを目的にしているように感じます。

希望や自己実現を前面に出すことで、若者の挑戦心とリンクさせる広告のように感じました。

Topics④：TVer10周年の広告

京王渋谷K-DGウェーブ

TVerの広告です。Mrs. GREEN APPLEのライブ「CEREMONY」を主軸に、TVer独占無料配信を告知しています。

「独占」と「無料」を特に強調しており、通常は有料配信されることが多いアーティストライブを無料で届けるインパクトが通行者の足を止める仕掛けになっているように感じます。また、TVer自体の10周年という節目を重ねることで、サービスの信頼性と存在感を演出。アーティストファンに向けた訴求でありながら、普段はTVerを利用していない人々にもサービスの利用を促す狙いを感じました。